只者じゃないと思ったら、本当に只者じゃなかった。一文一文に魂がある。世界で活躍するサムライギタリスト、MIYAVIのエッセイ。
ギターをピックを使わずに弾く「スラップ奏法」で世界で大活躍するMIYAVI。
ハリウッドデビューも果たし、UNHCR親善大使としても活躍。それは高感度を得るためや、お金を稼ぐとかというものでは決してない。自分と音楽と真剣に向き合ってそういう道ができた。東京へ出るとき、母から背中を押してもらってからずっと走り続け、今でもまだまだ走り続けるMIYAVI。
世界でMIYAVIにしかできない表現力を確立したい、自分にしかできないパフォーマンスを見せたい。ハリウッド俳優をしているのもそこを目指すためだという。ものにしたスラップ奏法は必殺技で世界へのパスポートとなった。スラップ奏法をものにできるのも、私たちが想像できないほどギターを弾き込んでいるからこそだと思う。日本にいれば、富士山の頂点に立っているはずだか、彼はエベレスト(世界)を登っている。現状に満足することなく、本当に音楽が好きで、「これでいいのか?」と問い続けることができるから、彼はエベレストを登り続けるのだと思う。
MIYAVIはミュージシャンとして、アクターとして、父親として、夫として、自分の人生にとても真剣に向き合っている。生き方にも子育てにもMIYAVIならではのストイックさが伝わるが、ミュージシャンでもないMIYAVIでもない私にも通じるものがたくさんある。私は好きなものや、やりたいことにどれだけ真剣に向き合い努力してきたか……全く足りないから今の自分がいる。メリットデメリットを考えてしまいがちで、できない理由を並べて逃げるとチャンスを逃すんだと気づかされた。好きなことを仕事にしているのだから、それについて真剣に向き合って、自分と全力で向き合って瞬間瞬間の小さい気付きも自分のものにしていくことが必要になるのではないか。それが新しい自分を作り出す事に繋がるのかなと思う。
ギターという刀を武器にスラップ奏法という必殺技をもつサムライギタリスト。本当、背中を押される、パワーのある曲が多くていつも勇気づけられている。
誰しもが必ず、小さくても大きくても誰かのための何かにはなっている。一歩踏み出せばまた自分の周りや歩く道が変わってくるのかなと思う。
- 作者: MIYAVI
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2018/11/16
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