本書は著者、夏野剛氏による夏野式「自分の殻を破るための40の言葉」がまとめられている。また、主に以下のことに焦点をあてている。
・後悔しない仕事術
・真のリーダー
・最高の人間関係
・心身の健康
・幸せの原点である家族
・商品開発のパワーの源泉
日本人は、義務教育や固定観念等の影響により、何かやりたいことがあったとしても、どうせ無理だろうと考え、なかなか自分の「殻」を破れない人が多い。もちろん「殻」の中にいれば安全であり、今日と変わらない日々を送ることが可能だが、成長はできない。それで自分は満足できるのだろうか。
そこで著者が、自分の殻を破るための方法の一つとしてあげるのは「殻」と「壁」の違いを見極めるということだ。そもそも「殻」とは、自分の能力不足により、破れないものであり「壁」とは、他人の事情等により、自分の力では動かせられないものだという。
また、現状にしがみつくことばかりが最善ではなく「壁」なら避けて、また再出発したほうがいい場合もあるのだ。
また、壁を気にならなくさせるには、転職、引っ越しなど大きな変化やチャレンジをしてみる。気にならなくなれば、もはや壁ではなくなるともいう。
「殻は破れ、壁は迂回しろ!」
このように、各項目の最後には「夏野式3箇条」がまとめられているため、著書による熱いメッセージが伝わる。
また、常識やぶりの新常識として、著者は「石の上にも3年」ならぬ「石の上には3ヵ月」で十分だという。ITのおかげで昔は3年かかって仕事の適性を見極めていたものが、たったの3ヵ月で業務内容の把握は十分な時代となった。そのため、自分にあっているかどうかを素早く見極め、合わなければ仕事を替えればいいという。
著者はドコモの「iモード」「おサイフケータイ」を世に送り出した第一人者であり、現在のドコモがあるのは、著者のおかげだといっても過言ではない。まさに 偉大な存在である。
本書により、自分の人生のあり方を振り返ることができる一冊である。