本書は世界一のモーターメーカーである日本電産の創業者である永守重信氏の言葉を集めたものである。
永守氏は「人なし、金なし、設備なし」の状態でたった4人で日本電産を創業し、売上約1兆2000億に達するまで成長させてきた。
その成長を支えてきたのが永守氏のリーダシップとハードワークである。
毎朝7時から22時まで働き、休むのは元旦の午前中だけ。
永守氏はこのようなハードワークを創業以来継続してきた。
永守氏の言葉の中で有名なものに「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」がある。
例えば、今でこそ月次決算などを行う企業が増えてきたが、日本電産はその徹底度が違う。
週次目標に対して達成が困難だとわかるとすぐにリスク会議を開き、必ず目標を達成するための方策をひねり出し、
未達という状態を最小限に抑える。
また、新たにグループ入りした経営再建企業に対して、1円以上の稟議を永守氏自らが判断するという徹底ぶりである。
たった4人での創業から売上1兆2000億まで育て上げるには、何か奇をてらった戦略があったと思われるかもしれない。
しかし、本書を読むと、日本電産は何も特殊なことをやってきたわけではなく、コスト削減・利益向上という基本を繰り返しやっていることがわかる。しかし、それは誰も真似できないほど異常なまでに徹底的にやっているのである。
そしてそれを全社員に周知し実行させる永守氏のリーダーシップに驚かされる。
夢・目標を掲げそれを全社員に語るという、まさにリーダーシップの神髄がそこにはあるのである。
本書は、永守氏のリーダシップに感銘を受けるとともに、何事に対しても目新しいものや奇をてらった方法ではなく、基本を徹底して実行することがいかに重要かということを再認識させられる内容である。
多くのハウツー本が出版され、結局どの方法がいいのかわからないというような状態の人には特にオススメである。
- 作者: 田村賢司
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2017/11/16
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