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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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マンガならではの面白さ『マンガで身につく多動力』

この書籍は2017年に出版された堀江貴文氏の「多動力」をマンガに再構成したものだ。
 
常識に流され夢を諦めていた鈴木健太郎がある日、会社ごと無人島にワープし、社内の異端児として扱われている堀口靖史の行動に戸惑いながらも、次第に彼を追いかけ感化していく。

であるならば「主人公が指導者に教えられる」という構図は、啓発本にありがちな設定にも見える。
 
だがこの本は一冊のマンガとしてとても面白い。鈴木の堀口への感情の変化や、起きる様々な出来事、クライマックスの展開など、起伏のあるストーリー展開で一気に読めて終わる頃にはすっかり登場人物に感情移入している。

なので「とっつきやすいようにキャラと絵をつけた」だけではない、敢えてマンガにする意味への拘りを感じる一冊だ。いっそ鈴木と堀口の物語に「萌え」ながら読むことすらできるほどである。

この物語を支える大きな要素は、堀口というキャラクターの魅力だろう。彼は自分の価値観を持ち、我が道を進む男。だが周囲の人間を巻き込み、変えていくことを厭わず、そうして見える景色を嬉しそうに受け止めている。言動自体に加え、表情やアクションなど、マンガにできる表現をフル活用し、彼の魅力は描かれている。

いわば堀口は「堀江氏のマインドの擬人化」なのだろうが、それをいかに「魅力的なキャラとして一本のマンガの中で描ききるのか」に注力されていると感じた。

その人物造形の巧みさは、鈴木をはじめとした他の登場人物にも発揮されている。

読了後に心に強く残ったのは、全力で全てを楽しむ堀口の姿。そして鈴木に「負けたくない」という感情であった。

マンガで身につく 多動力 (NewsPicks Comic)

マンガで身につく 多動力 (NewsPicks Comic)