自分の子供がもう少し大きくなったら読ませたいと思ったが、それよりも先に会社で働く仲間に読んでほしいと思った。本書を読むことで、日頃どれだけ多くの既成概念に囲まれているかということに気づかされる。
私も高校生であった当時、特に試験や模試においてはあまり良い思いでがない。同じ授業を受けているにもかかわらず、こうも差が出るものなのかとクラスの友人に対し嫉妬に駆られた。同時にやっぱり自分は・・・と、心のどこかでは自分自身に対するあきらめムードが漂っていた。今では納得のいく進路に進めたとは思っているが、こと勉強に関してはそのような心残りはある。
上記のような経験はこれまでも、そして今このときにも経験をしている方は多いのではないかと思う。本書ではこれらから生まれるコンプレックスを“人間は種ではなく土”という例えによってそぎおとす。個々によって土の性質は異なり、稲が育ちやすい土があれば、トマトやカボチャが育ちやすい土もある。とどのつまり特定の教師から受ける種があり、その種が良く育つか否かは土の性質の違いであり、そこに本質的に優劣はないのだ。
一方で、学ぶには戦略そして原動力が必要ともある。“もともと特別なオンリーワン”という有名な歌詞のような存在はいなく、様々に咲き誇る花屋の花たちは皆そこに至るまでに熾烈な競争を勝ち抜いている。決して芽が出たときから特別だったわけではないのだ。ではどのように目的を達成するべきか、本書は科学と情熱に基づき読者に気付きを与えてくれる。
“人は一生育つ”とはある企業の使っているキャッチコピーだが、まさにその通りだと思う。そこに年齢や性別、あらゆる属性は否定する理由にはならないはずだ。本書は目標を持つ人にぜひ手にとってほしい、そして手にとったからにはぜひ実行に移してほしい。実行こそがあなたの世界を変えるツールだ。
- 作者: 坪田信貴
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2018/01/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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