特に企業に勤めている方は自身と異なる世代との価値観の違いを感じやすいのではないだろうか。私も30代だが、上の世代と下の世代、それぞれから感覚的なギャップを感じる。
本書は特に若手の価値観について解説をしている、おそらくそこには私も含まれているだろう。著者は“乾けない世代”と総称している。この世代とこの世代より上の年齢の世代との大きな差は何だろうか、それは不足しているか否かだ。
いわゆる企業戦士になることを美徳としていた世代は、足りないものを埋めていくことがそのまま幸せに繋がっていった。車や家など何もしなければ手に入れることができない物理的な豊かさを追いかけ、ひいてはそれが自己の成長にも繋がっていった。
一方で“乾けない世代”は、一言でいってしまえばすでに豊かなのだ。たとえ自身が所有していなくても所有することそのものに希少価値はなく、それらを手にすることはもはやモチベーションに繋がらない。むしろ“無くても良いもの”とさえ思われている。
そんな彼ら“乾けない世代”と働くということは、まずは彼らの趣向を知る必要がある。彼らはモチベーションが低いのではない、モチベーションを感じる対象が今までとは異なるのだ。
本書は例えば部下や後輩の育成に悩んでいる方に読んでほしい。そして、情報は表裏一体だとも思う。上司や先輩を持つ方もぜひ、あなたは上司達からどのように見られているのか客観的に再認識してみてはどうだろうか。組織の形式に関わらず、良い人間関係は相互理解の上に築かれるはずだ。特定の世代に限らず、ぜひ本書を手に取ってほしい。
モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書 (NewsPicks Book)
- 作者: 尾原和啓
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2017/09/27
- メディア: Kindle版
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