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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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スマホがインフラ?『なぜ中国人は財布を持たないか』

先日、自分も訪れたが現在の中国というのは、すざましい勢いで経済発展している。まず、コンシューマー向けのインターネットファイナンスだ。ほとんどの飲食店、ショッピングセンターはたまた、路地裏の屋台までウィーチャットペイ、アリババペイといった、スマホを使った決済が可能なところだ。

中国に住む20代の若者はレストラン、コンビニでもほとんどウィーチャットペイなので現金はなかなか使わないという。銀行はもちろん、ATMに並ぶこともなくなった。銀行に行くのはスマホが使えない老人だけで、しかも銀行が混んでいるのは年金支給日だけになったそうだ。ということは一切現金を使う場面がないということだ。

だが、ここまで聞いて日本人からしたらすごい合理的なサービスのように聞こえるが、中国人側からしてみれば、日本のように安心して現金が使える社会のほうがよほど落ち着いていて、かえって羨ましいそうだ。

なぜなら、中国はこれまであまりにも不便で、あらゆる面で遅れていたからこそ、ここまでスマホ決済が発達した。既存のマネーインフラがない、あるいはあっても不十分だったから、新しいサービスが普及する余地があって、その便利さにみんなが飛びついて爆発的に広がった。

このように中国はある面では本当に発展して日本にはないよさもたくさんある。だが、中国と日本の生活環境が根本的に大きく異なっている。そのベースとなる部分を見過ごして、何でも同じ土俵で語ってしまうのは危険だし、きっと双方の置かれている状況を誤解するのではないかと思う。