HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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読書家の読書家による読書家のための一冊『本を読む本』

読書には3種類ある。情報のための読書、理解のための読書、娯楽のための読書である。本書は理解のための読書の技法を体系的にまとめた唯一の本である。

情報のための読書とは雑誌、広告なども含む知識をただ得るための読書。本書で扱うのは読み手と書き手との間の理解の深さに大きな差がある読書。つまり、古典、名著、いわゆる骨が折れるような本の読書である。理解のための読書の技法を身につけてこそ真の読書家といえるであろう。

理解のための読書には全部で4段階ある。初級読書、点検読書、分析読書そしてシントピカル読書である。今回は最も高いレベルである。シントピカル読書について端的にポイントを紹介しよう。

シントピカル読書は類似の本をいくつか読む技法だ。読者は本に対して問いを考える。問いに対してそれぞれの本が答える解を比較する。食い違う点を探し、なぜ違うのかを明確にする。ここまでのレベルで読書を行えば、読者は書き手を越えることができたといえるだろう。ただ受け取るだけでなく、書き手をも超えて行くのが真の読書家だ。

本書は読書家のための本としての名著中の名著である。特に今回紹介はしなかったが第三段階の分析読書を知らずして、本を読むことはできないだろう。読書家なら読んでおくべきだろう。

 

 

本を読む本 (講談社学術文庫)

本を読む本 (講談社学術文庫)