ブルーオーシャン戦略を読んで実践したいと思う際の思考は2つに分けられると思っている。一つは「私の会社にどのように活かそう」、もう一つが「私自身にどのように活かそう」、本書は後者の思考に進んだ方にぜひオススメしたい。ブルーオーシャン戦略の主語は企業や団体だ、個人に落とし込む際にはリサイズの作業が必要になる。その手助けをしてくれるのが本書だ。
著者の永井氏は『100円のコーラを1,000円で売る方法』の著者としても有名だろう。教壇の上からの指導ではなく、自身の失敗体験を勇気を振り絞ってふんだんに盛り込んでくれている。昨今グローバル化やAIの活躍の場が増えるなど、あなたのビジネスの陣地は狭まってきている。決して「AIに勝とう!」というような時代錯誤な主張は本書には無い。AIの方が高い成果を出せるなら、他国の方の方が高い成果を出せるなら喜んで仕事をお願いすべきで、その上で「自分自身の持つ価値だからこそできることは何か?」という問いに対してのアンサーが本書には詰まっている。
ビジネスマンは時として無駄な努力をしがちだ。努力は尊い、それ自体が無駄なのではなく、世の中には無駄な努力とそうでない努力があるという話だ。“石の上にも三年”という言葉があるが、要はどの石の上に三年いるかではないだろうか。原則有限である人の時間は貴重だ、今も一秒ずつ確実に削れている。本書を手に取ることであなたの貴重な価値を最大限高める方法を整理してほしい、あなたの価値の活かし方にマーケティングの視点を取り入れよう。
「あなた」という商品を高く売る方法―キャリア戦略をマーケティングから考える (NHK出版新書 524)
- 作者: 永井孝尚
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2017/08/08
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (1件) を見る
[新版]ブルー・オーシャン戦略―――競争のない世界を創造する (Harvard Business Review Press)
- 作者: W・チャン・キム,レネ・モボルニュ,入山章栄,有賀裕子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2015/09/04
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (3件) を見る