「そこそこ」楽しけりゃ幸せだった。アホなことして。スポッチャ行って。カラオケ行って。凡下(ボケ)高校に通っている3人は「そこそこ」な生活を過ごしていた。しかし、ある日イタズラで仕掛けた爆弾がプロパンガスに引火、10人もの人を殺害してしまう。「そこそこ」の人生でよかったのに。青春逃亡生活がはじまる。
2013年流行語大賞にノミネートされた言葉に「悟り世代」という言葉がある。これは概ね1990年代生まれの若者に対する言葉だ。「欲がない」「旅行に行かない」「恋愛に興味がない」。コスパよく仲の良い人とつるみ「そこそこ」楽しければ良い。
このマンガの主人公たちも同様であった。事件が起こるまでは。「そこそこ」の人生をうしなってしまった、人を殺めてしまった主人公たちは共犯者かつ金持ちのパイセン(あだ名)のお金を使い逃亡を図る。「そこそこ」の人生を捨て、毎日豪遊し、高級風俗へ通うものや、女の家に転がり込み一日中SEXに明け暮れるもの、ホームレスになり身を隠すもの...。しかしやってしまったことを忘れることは出来ない。
「無かったことにはできない、もう戻れない」(5巻)。自分達は生きていていい人間なのだろうか。苦しんだ末出した結論は『僕たちがやりました』。
悟り世代のように「そこそこ」の人生を送るのが幸せなのか。「特別な」人生を送り世の中から注目される人生が幸せなのか。幸せとは何なのか。本作品からはそんなことを考えさせられるのかも知れない。