本書は、英語を考えるときに誰もが経験する、一度日本語で考えてしまうという英語学習の最も根本的な問題について、「英語を英語で理解」できるようになるためのトレーニング本だ。著者は、他にも多くの英語学習本を出しているイムラン・スィディキ氏で、個人的には、スタディサプリ English でもお世話になっている。
著者によると、本書の効果としては、「英語を英語で理解する」のにかかる時間が、相当短縮できるとのことだ。英語をマスターするのに必要な時間は1000時間と言われているが、本書で紹介されているエクササイズを繰り返すことで、1/10程度の時間と労力で、つまり100時間程度で1000時間並みの実力がつくと著者は言っている。
その本書の構成だが、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの順となっている。
私が今まで考えていた順番だと、リスニング、もしくはスピーキングから始めると良いのかと思っていた。というのも、英語を格好よく話している自分の姿を想像したら、リスニング、スピーキングから始めようと思うのは私だけではないはずだ。
しかし、著者によると、リスニングは、➀聞き取りながら、②意味も考える、という2つの慣れない作業を頭の中で同時に行うことになる。それよりも、まずは意味を考えるだけのリーディングから始めたほうが良いとのことだ。
確かに2つのことをやるよりも、まずは1つに絞ったほうが覚えも早そうだ。
さらに本書には、リスニング・トレーニング用のCDが付属している。そして、なんとこのCD、著者のイムラン・スィディキ氏自らが吹き込んだCDなのである。これは著者のファンにとっては堪らないCDになるだろう。
というわけで、ファンでCD目当ての方にはもちろん購入をおすすめするが、英語学習者の方で、どうしても一度日本語で考えてしまうという悩みを持っている方や、英語思考になるために、無駄なく最短経路を進みたい方などに、本書はおすすめの一冊である。