「寿司修行3カ月でミシュランに載った理由」
著者:宇都裕昭
ポプラ社
飲食人大学を運営する宇都さんによる著書です。
同学校ではたった3ヶ月の研修をもって、一人前の寿司職人になれるプログラムが用意されています。
卒業生らで運営される「鮨 千陽」がミシュランに掲載されたことは、飯炊き3年 握り8年という業界の暗黙の了解に待ったがかかった出来事でした。
結果には理由があります。
短期間で一人前に仕上げる以上、無駄は省き寿司職人として核となる技術に特化させ育成します。
例えば状態の良し悪しを判断する目利きの授業では、天然と養殖の両方を同時に仕入れます。
両方を同時に仕入れることは、飲食店でもあまり例を見ないそうです。
実践教育を重んじているため、“教える”のではなく“身につけさせる”といった講師の姿勢も特徴的です。
また、掲載された本当の理由はミシュランのみ知るところとしつつも、ミシュラン掲載の判断基準も徹底的に研究されています。
漠然とゴールをイメージするのではなく過去の掲載店に足を運び、店舗規模や食材、サービスを徹底的に検証し仮説を立て、課題設定をした上で速やかに実行しています。
人材育成の視点とマーケティングの視点 両方に触れている本書は、飲食業界従事者以外にもお勧めしたいです。
身のまわりにある“あたりまえ”を鵜呑みにせず、自分で考え行動するための指南書として一冊いかがでしょうか。
https://www.amazon.co.jp/寿司修行3カ月でミシュランに載った理由-宇都-裕昭/dp/4591152812