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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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ハルキアレルギー持ちの人にもおススメ! 村上春樹『女のいない男たち』

こんにちは! n式です。


自分、長野県在住なんですが、最近本当に寒いです。車とか普通に凍ってます。部屋の暖房もひとつじゃ足りないっす。
冬は続くよ、どこまでも~。
皆さま、どうぞお身体には十分気をつけてお過ごしくださいね!

 

さて、今回ご紹介する本は、村上春樹の『女のいない男たち』です。
昨年10月に文庫落ちしたので、買って(積んで)最近読みました。
いやー、面白かった!

 

村上春樹っていうと新刊が出るたびに話題になりますが、実は苦手意識を持っていらっしゃる方も多いのでは?
かくいうわたしも、村上春樹の長編小説が苦手で、『ねじまき鳥クロニクル』も『アフターダーク』も(退屈すぎて)読み通せず、途中で挫折いたしました…。
『色彩を持たない多崎つくる(以下略)』は、かろうじて読めたかなー。
そんな感じです。『1Q84』とか、手も出さなかったし。

 

だかしかし。
村上春樹は長編小説のみにあらず、でございますよ、皆さま。
あまり話題にならないけれど、彼の書く短編小説やエッセイは、抜群に面白いのです。いや、ほんと。

 

『女のいない男たち』は、文字どおり、女のいない男たちが出てくる短編小説集であり、6つの短いお話が収録されています。
「ドライブ・マイ・カー」「イエスタデイ」「独立器官」「シェエラザード」「木野」、そして表題作である「女のいない男たち」。
どの話もみんな、女のいない男がモチーフになっています。でも読んでみると、意外とバラエティに富んでいる。
こうしてタイトルを眺めるだけでも、どんな話なんだろうって、ちょっとワクワクしませんか?
わたしはします(笑)

 

ベストは「木野」ですかね~。
家庭で妻と一悶着あった主人公・木野は家を出て、会社も辞め、叔母が店仕舞いした喫茶店を引き継ぎ、そこでバーを開きます。猫が居ついたり、常連さんができたり、やれやれ軌道に乗ってきたな~と思いきや、何やら怪しい気配が…? というお話。
ラストのほう、かなり超展開ですけど、そこは村上春樹。安定の筆致で妙な説得力があります。
上手いっす。

 

短編集なので、たとえつまらない話に当たっても、ばばっと流し読みして次に行けばいいので、私ちょっと飽きっぽいわ~、という方にもオススメ。

 

この冬、ちょっとマイナーなムラカミハルキを読んで、ライバルに差をつけてみては!?
そして、ぜひぜひ感想を聞かせてください(^o^)/

 

以上、n式でした! モイモイ!

 

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今回ご紹介した本はこちら★↓

女のいない男たち (文春文庫 む 5-14)

女のいない男たち (文春文庫 む 5-14)

 

 「ドライブ・マイ・カー」「イエスタデイ」「独立器官」「シェエラザード」「木野」他全6篇。最高度に結晶化しためくるめく短篇集。

 

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)

 

 「人が死ぬのって、素敵よね」彼女は僕のすぐ耳もとでしゃべっていたので、その言葉はあたたかい湿った息と一緒に僕の体内にそっともぐりこんできた。「どうして?」と僕は訊いた。娘はまるで封をするように僕の唇の上に指を一本置いた。「質問はしないで」と彼女は言った。「それから目も開けないでね。わかった?」僕は彼女の声と同じくらい小さくうなずいた。(本文より) 

 

アフターダーク (講談社文庫)

アフターダーク (講談社文庫)

 

 

真夜中から空が白むまでのあいだ、どこかでひっそりと深淵が口を開ける。

時計の針が深夜零時を指すほんの少し前、都会にあるファミレスで熱心に本を読んでいる女性がいた。フード付きパーカにブルージーンズという姿の彼女のもとに、ひとりの男性が近づいて声をかける。そして、同じ時刻、ある視線が、もう1人の若い女性をとらえる――。新しい小説世界に向かう、村上春樹の長編。 

 

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫)
 

 多崎つくる鉄道の駅をつくるのが仕事。名古屋での高校時代、四人の男女の親友と完璧な調和を成す関係を結んでいたが、大学時代のある日突然、四人から絶縁を申し渡された。
何の理由も告げられずに――。
死の淵を一時さ迷い、漂うように生きてきたつくるは、新しい年上の恋人・沙羅に促され、あの時なにが起きたのか探り始めるのだった。
全米第一位にも輝いたベストセラー! 

 

1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編 (新潮文庫)

1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編 (新潮文庫)

 

 

 1Q84年――私はこの新しい世界をそのように呼ぶことにしよう、青豆はそう決めた。Qはquestion markのQだ。疑問を背負ったもの。彼女は歩きながら一人で肯いた。好もうが好むまいが、私は今この「1Q84年」に身を置いている。私の知っていた1984年はもうどこにも存在しない。……ヤナーチェックの『シンフォニエッタ』に導かれ、主人公青豆と天吾の不思議な物語がはじまる。