HIU公式書評Blog

HIU公式書評ブログ

堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

MENU

【書評】転ばぬ先の杖『エンジニア・コミュニケーション』

著者は「全国のエンジニアのうつ病をなくすため」に、コミュニケーション指導や転職相談に乗る会社を運営する現役エンジニア。
大学卒業後に就職したIT企業で、上司の重大なミスを報告すると「お前が始末書を書け!」と𠮟責を受け、詰腹を切らされたことでうつ病を患った。

新規一転、転職するときに役立ったのは、大学時代に通っていた芸人養成所で身に付けた話術であった。
このときに、多くの求人に目を通したことで、一定のスキルを持つエンジニアは高い報酬を得られることに気付づいた。
つまり、前職で低い給料で酷使されていたのである。

本書は、面接官の心象をよくする回答の仕方、上司や部下との関係を円滑にするちょっとした一言。オンラインミーティング時に心がけるマナーなど、社会人として役立つ技術が多数載せられている。特に興味深いのは、本人の失敗談やクライアントの成功事例である。

「人と話さなくてもいい」理由でエンジニアを選ぶ人が多いが、システムの方向性を把握する、不具合を是正するなど、コミュニケーションなしで仕事は完結できない。
そもそも、年収を上げる、希望するプロジェクトへの参画など、一定のコミュニケーションスキルがなければ自分の将来を切り拓くことは難しい。

「コミュニケーションに難がある」と感じる社会人は、一読することをお勧めする。

作  者:斎藤 和明
発売日:2023年6月20日
メディア: 同文館出版株式会社

 

 

【書評】ゆるキャラリモにゃんの教えは、ゆるくはない!『作業が遅いで悩まなくなる 仕事術図解100』

 恥ずかしながらリモにゃんの存在を本書で初めて知った。見た目かわいいが、言うことはナイフのようにするどい。オンライン会議の映り方なんて誰が教えてくれた?社会人1年目も社会人数十数年目にも役に立つヒントがいっぱい!
 
 とにかくわかりやすい。リモにゃんを使った視覚効果にやられているんじゃないかというくらい話がスムーズに入ってくる。一つずつの解説は実は説明が長くない。単語といっても過言ではないほどの短さである。例えば、フィジカルを整えるという場面では、水分をこまめにとる、体温調節をする、目を休める、などだ。こう文章に書いてしまうと「そんなのわかってる」と思ってしまうだろうか?そう、わかっていることなのにできていないことを改めて知ることができるのだ。おそらく社会人1年目はそうなんだと思うだろうし、社会人十数年目は再確認ができる。そもそも仕事術についての本の中にフィジカルを整えることについて書かれていることがなぜ?と思う方もいるのではないか?そう、仕事をこなすためには身体は資本、そんな大事なこともこそっと教えてくれるのだ。
 
 リモにゃんがかわいいから、そんなに難しい本じゃないんじゃないのと思うなかれ。リーダーとは?なんていうするどい問いかけもあるのだ。リーダーに必要なのは、「鳥の目、魚の目、虫の目」。なんのこと?と思ったそこのあなた。ぜひ本書を手に取ってほしい。そして、リモにゃんがかわいいのでX(旧Twitter)ものぞいてみてほしい。学びの多さに驚くはずだ。じっくり学び復習するために本書を手元に1冊、日々の確認にXをおすすめする。

 

 

【書評】 池井戸潤が描く銀行員、花咲舞の奮闘記『花咲舞が黙ってない』

正義感が強く、忖度など考えない花咲舞。舞と組織の上からの圧でいつも板挟みになる、舞の上司の相馬健。2人の名コンビの他にも、紀本など登場人物1人1人が魅力的なキャラクターで面白かった。

また、物語の途中とクライマックスで、産業中央銀行(花咲舞は東京第一銀行)から半沢直樹 が登場し、いつもの半沢劇場を展開するのも痛快だった。

花咲舞の所属する部署だけのお話かと思いきや、東京第一銀行という大組織の闇にまでダイナミックにスケールアップしてゆく展開はさすが池井戸潤先生!

TVドラマでも現在放送中の『花咲舞が黙ってない』。おすすめの1冊です。

花咲舞が黙ってない
作者:池井戸潤
発売日:2017年9月5日
メディア:文庫本

 

 

【書評】『宝島』 - 混沌とした時代を駆け抜ける沖縄コザの少年たち

皆さんこんにちは。終戦直後の沖縄コザ地区、米軍基地から物資を盗み出す「戦果アギヤー」と呼ばれる少年たちがいました。彼らはある日、最大の基地である嘉手納基地に忍び込みます。そこでは米軍の反撃にあい、メンバーは命からがら、リーダーは生死不明で散り散りになります。
帰らぬリーダーの消息を辿るうち、ある噂を耳にします。「予定外の戦果を得た」

戦時中から返還までの激動の沖縄を舞台に少年から男になっていく登場人物たち。「鉄の暴風」と呼ばれた本土決戦を子供時代に経験し、親を失いアメリカの軍政下で生きていきます。ところどころ琉球言葉のルビを振られた単語とともに当時の風景が鮮やかに描かれます。米軍のジープが起こす砂埃や琉球に吹く風を感じながら、少年たちの真っ直ぐな思いと行動に熱くさせられます。リーダーの生死は?「予定外の戦果」とは?サスペンス的展開を楽しみながら、当時の沖縄のアメリカ世(ゆー)から大和世(ゆー)への変化を知ることができました。

2025年には劇場版が公開されます。ヒロイン役には広瀬すずがキャスティングされています。大好きな女優ですが、原作では長身巨乳のキャラクターなのでこれじゃない感が。笑。

 

 

【書評】「美人すぎる才女」たちが言いたい放題!『不倫と正義』

先日離婚を発表した国際政治学者で作家の三浦 瑠麗さんと、脳科学者の中野 信子さんの不倫についての対談本。2022年に新潮社から出ている。平易な話口調でずばずば語るのが小気味良く読み易い、大衆向けの作りだ。今年から、Kindle unlimitedの対象となっている。

中野さんは2018年に『不倫』(文春新書)を著し、不倫する遺伝子を持つ人間と、そうでない人間がいると科学の面から、不倫の自然発生を唱えている。人生100年時代に、子育てのパートナーと添い遂げることが脳科学的に修羅の道であることは自明だ。結婚したカップルの3組に1組は離婚し、残りの2組に1組は離婚予備軍と言われる。不倫のひとつやふたつ、たまのガス抜きにはあってもなんら当然ということだ。それをあまりに世間が不倫をバッシングすることについて、日本全体にとっては良い影響がないと、強靭な理性を持つ2人の才女は不服に思っている。

文系で情熱的な三浦さんと、理系で合理的な中野さんが異なるアプローチから論じる。三浦さんには経済力のある夫と一人娘がおり、中野さんはには子どもはおらず夫は経済力がある方ではないらしい。

文学、歴史、外国の実情など、2人の引き出しの多さと、深い共通知識には恐れ入る。離婚したばかり三浦さんの、結婚や不倫に対する価値観が読めるのも、野次馬根性で面白いかもしれない。

と、面白がっている自分の心に、問いかけてみて欲しい。なぜこんなにも人様の恋愛や結婚に興味をそそられてしまうのだろうか。

 

 

【書評】梅が来たーー!!『今年からは手作り派 やさしい梅しごと』

 梅と言えば何を思い浮かべるだろうか?
 この時期になるとスーパーやお店の店頭にガラスの蓋のついた瓶がやたら売られているのを見たことはあるだろう。そう、あの瓶。梅に使うんです。手作りって大変じゃない?と食わず嫌いせずに、ぜひ梅の世界へいらっしゃい!

 漬け込み酒マイスター、野菜ソムリエプロ、薬膳インストラクターである筆者が送る梅を使った手作り料理の数々。梅干しをはじめ、梅シロップ11種、梅酒11種、梅アレンジとレシピ36種が掲載されている。実は梅の手作りレシピは行程がそんなに複雑ではない。日本特有の入れ込んでしばらくほっとくが多いのだ。梅酒は最たるもので、先にあげたガラス瓶に梅と氷砂糖とホワイトリカー入れて放置である。もちろん多少乱暴な言い方であるが。アルコールが苦手な方はホワイトリカーをフルーツビネガーに変えれば自分好みのシロップができあがる。

 要は材料と仕込む順番が頭に入っていたらそんなに難しいものではない。梅仕事ではなく「梅しごと」なのだ。生活に彩りを与える一行程だと思って欲しいそんなメッセージが伝わってくる本である。
 
 梅というのは不思議なもので主にも副にもなりうる。なのに存在感はんぱない。ちょっと入っていても、「あ、梅!」と気づかされる。この文章を読んであなたの口の中に唾液が出まくってたら論者として冥利につきる。

 

 

【書評】女優がそこに立ち現れてくる『私が撮りたかった女優展2021』

長野県美ヶ原高原にある山小屋ホテルに置いてあるのを拝読しました。池田エライザさんのロケ撮影に、この高原が使われたとのこと。毎年開かれる写真展覧会の展示作品を掲載した写真集です。気鋭の写真家が、ずっと撮りたかった女優を指名して撮るという企画。2023年まで発刊されており、今年2024年も松本穂香さん、玉城ティナさんなど総勢5名の女優さんが出演します。

旅行先で、何かのコンテンツのロケ地である事を知ると、二度美味しいというか、旅行体験にぐっと深みが加わります。特に池田エライザの圧倒的に美しく神秘的な姿が、その高原に立ち現れるようで鳥肌さえ立ちました。女優というのは造形美よりも表情の美、つまり心の所作が問われる仕事なのだな、とハッと気付かさせられました。

2021年版のフォトグラファーと女優は、以下の通り。
上白石萌音 × sunao
池田エライザ × 増田彩来
山田杏奈 × 酒井貴弘
芋生悠 × 持田薫
鳴海唯 × 女鹿成二

私は芋生悠という女優は初めて知ったのですが、かなり衝撃を受けました。カメラの前であまりに無邪気に無防備に振る舞い、溌剌とした中にも匂い立つような色気がある。女でもかなりドキドキします。被写体としてのすらりとした白い肢体の美しさはもちろんだが、衣装やロケ素材など、フォトグラファーのセンスも抜群だ。
先述の池田エライザについては、本当に全ての写真が神々しい光を放っていて、もし実物の彼女に会ったら、どの瞬間を切り取ってもこれだけ美しいのだから、魂が抜かれそうなほどさぞ目が吸い寄せられてしまうことだろうと、少し恐ろしくすらなった。ロケ素材には、雪の積もる高原の原っぱに、白いアンティークのベッドが設置されている。なんという絶妙な塩梅の組み合わせだろう。
彼女の表情と、標高2000mの美ヶ原高原に辿り着くまでの道路から見える、日本アルプスの尾根が描き出す「ヴィーナスライン」を、思わず重ねて見てしまいます。なんとも胸に残る写真集です。

 

 

【書評】すぐ読めるけど深いことが書いてある『仕事の教科書』

Xでバズってたので買ってみたのがこの仕事の教科書だ。届いてがっかり。1時間もあれば読めそうで絵がたっぷり。しかし読んでみると、深いことが書いてある。勉強になった一冊だ。

例えば、仕事にはスピードが重要だ。クオリティよりスピードとかは大体の本に書いてある。本書ではタイミングと定義されている。そして次に出てくるのは経営と実行の分離の話だ。難しい本でなく、本書のような絵がたっぷりすぐ読めるタイプの本で経営と実行の分離の話が出てくるとは、、、。

と、いうようにとにかく見た目とは異なり深〜い話がずっと出てくるのが本書だ。これまでビジネス書を多く読んできた人にもおすすめだし、人におすすめするのにも良い本だ。

 

 

 

【書評】「これならあなたも始められる!」『スタンフォード式疲れない体』

スタンフォードのトレーナー直伝!驚異の超回復メソッド「IAP」とは。

日本ではあまり知られていないスタンフォードの別の顔、世界最強アスリート集団のアスレチックトレーナーを16年務める著者が、科学的な理論とデータに基づき、効果があると実証された方法を適切な方法で用いることを提唱。

まずは、疲れの発生のメカニズムについて正しく理解することからはじまる。そして疲れの原因は、身体的な疲労だけではなく、普段の生活のあらゆる活動(呼吸、睡眠、姿勢、動作、運動、食事など)の積み重ねからくるものである。世界トップアスリートたちが極限の世界でどのように疲れに対処しているのか。長年の研究と実践から得られた疲れにくくする「疲労予防」と疲れてもすぐに回復する「疲労回復」のメソッドの2つを軸とした同大学のスポーツ医局が実践している「最新のリカバリー法」を紹介しています。

また本書では、身体の構造や疲れのメカニズム、自宅でもできる簡単なエクササイズなどがイラスト付きで分かりやすく解説されていて、非常に実用的です。
その中でも基本となるのは、IAP呼吸法と呼ばれる息を吸う時も吐くときもお腹の中の圧力を高めてお腹周りを堅くする腹圧呼吸法です。
また、他の本でも紹介されていますが、週2回以上、1回30分以上の水泳や軽いジョギングなどの有酸素運動とその前後に行う動的リカバリー法をやるだけで体の歪みがリセットされるとのことです。

さらに眼精疲労リカバリー方法やスーパー回復浴という冷水と温水に交互に浸かる交互浴の家庭での実践方法、食事の取り方や内容、日常の姿勢、動作に至るまで具体的な方法が紹介されています。
誰でもすぐにでも始められるような内容なので、自分もさっそく実践してみたいと思います。

普段から疲れやすいと感じている方もそうでない方も、ぜひ本書を読んですぐできることから試して疲れない体を手に入れてみませんか。

発行所:サンマーク出版
著者:山田 知生

 

 

【書評】江戸時代に甦る現代の仕事人 - 『大江戸ブラックエンジェルズ』

皆さんこんにちは。今日は漫画を紹介します。かつて少年ジャンプで1981年から1985年まで連載された平松伸二の人気漫画「ブラックエンジェルズ」はご存知でしょうか。普段は冴えない大学生、雪籐が闇に紛れて悪人(ド外道)を始末する、痛快な作品です。
その雪籐と仲間たちが大江戸を舞台に蘇ります。
雪士という売れない浮世絵師が江戸の城下町で、悪代官などを闇に紛れて成敗します。歌舞伎や火消しといった江戸時代の文化背景を舞台としながら、脇を固める松田やハシムなどのキャラもブラックエンジェルズそのままで懐かしくニヤリとさせられました。今後、「アイツらが出てくるのかな?」と期待させられるセルフオマージュ作品です。
平松伸二作品のファンの方、また「仁 -JIN- 」のような江戸時代を舞台とした作品が好きな方にはおすすめです。