HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】これで話せる!『あてはめて使うだけ 英語の超万能フレーズ78 』

  インバウンドが再び始まった今。この本を片手に海外から来た方と話してはどうだろうか?難しい単語なんか知らなくてよい、すでに知ってる単語を組み合わせてノリで話していこう!

 英語教育のせいとか、聞き取りはできるけど話せないとか、どうでもいいのだ。英語を話したければ話せばいい。あなたに興味があります!だからあなたと話したいのです!でいい。ただ、そこは奥ゆかしい日本人。可能な限り自分恥じることなく相手にも楽しんでもらいたいと思うもの。そんな時この本を手に入れて欲しい。
  この本には知らない単語など出てこない。出てくるのは知ってる単語の知らない使い方だ。
  ルールに寛容な言語を母国語としている日本人にとっては、主語、動詞、前置詞、冠詞を考えて文章を作ると言われると頭が爆発しそうになるだろう。もしくは、苦手意識持つかもしれない。ただよく考えて欲しい。ルールがあるということは、そのルールに沿って単語を当てはめていけばいいだけなのだ。そこに必要なのは何を当てはめるか。この本はその当てはめ方を教えてくれる。
  Do you like English? Yes, I love English!

 

 

【書評】これで話せる!『あてはめて使うだけ 英語の超万能フレーズ78 』

  インバウンドが再び始まった今。この本を片手に海外から来た方と話してはどうだろうか?難しい単語なんか知らなくてよい、すでに知ってる単語を組み合わせてノリで話していこう!

 英語教育のせいとか、聞き取りはできるけど話せないとか、どうでもいいのだ。英語を話したければ話せばいい。あなたに興味があります!だからあなたと話したいのです!でいい。ただ、そこは奥ゆかしい日本人。可能な限り自分恥じることなく相手にも楽しんでもらいたいと思うもの。そんな時この本を手に入れて欲しい。
  この本には知らない単語など出てこない。出てくるのは知ってる単語の知らない使い方だ。
  ルールに寛容な言語を母国語としている日本人にとっては、主語、動詞、前置詞、冠詞を考えて文章を作ると言われると頭が爆発しそうになるだろう。もしくは、苦手意識持つかもしれない。ただよく考えて欲しい。ルールがあるということは、そのルールに沿って単語を当てはめていけばいいだけなのだ。そこに必要なのは何を当てはめるか。この本はその当てはめ方を教えてくれる。
  Do you like English? Yes, I love English!

 

 

【書評】僕が「知識の幅が広い」と言われる理由『RANGE〈レンジ〉 知識の「幅」が最強の武器になる』

 さて、天才と言われれば、皆さんは誰を想像するだろうか?あるいは、どのような人を想像するだろうか?ちょっと考えていただきたい。恐らく、皆さんが想像するのは、小さいころから才能に恵まれ、一つのことを極め抜き、トップに登り詰めた人ではないだろうか?大体エジソンも似たような名言を残しているではないか。「天才とは1%のひらめきと99%の努力」という言葉は、世界中に浸透している。実は、この本には、如何に皆さんが「間違った木」を見ているかがよくわかる。つまり、この名言は、サンプル数が1で、エジソン自身の主観で作られた名言なのだ。エジソンファンには、ここでお詫び申し上げる。ちなみに、エジソンを馬鹿にしているわけではない。それだけはことわっておこう。しかし、僕が本当に言いたいのは、それなりの成果を上げたいなら、何も一万時間も練習しなくていい、ということだ。言い換えると、むしろ、一つのことを1万時間も同じ練習をしたら、リスクのほうが大きいということがこの本には書かれている。僕は、この本から、かなり役立つ勉強法や、考え方を学んだ。今回はそれを紹介しよう。僕の周りの人は、「知識の幅が広い」「本の名前が瞬時に出てくるのはすごい」と言ってくれる。その種明かしも少ししよう。

 まず、専門家は応用が利かなくなるのだという。これは、変化の激しい現代ではかなり致命的になる。何故なら、本書によると、「専門家は、何か変化が起きると、自分が得意な領域でしか考えなくなるため、視野が必然的に狭くなる」のだという。確かに、一理ある。この本の具体例では、フェデラーとタイガーウッズが紹介されている。タイガーウッズは、幼少期からゴルフに触れている。しかし、対するフェデラーはスポーツは何でもやってきたという。テニスに絞ったのは高校生ぐらいの頃で、そこから、テニスの王者にも君臨するほどの強さになった。フェデラーは、インタビューで「子供の頃に触れた多くのスポーツが今の自分に役立っている」と語る。なぜかというと、多くのスポーツをやったことで、対応力や柔軟性が身についたからだ。これは頷けるAという領域だけの人と、A、B、C、という領域の人を比べた場合、後者の人のほうが柔軟性は高くなる。次々と新しく変化していく現代では、柔軟性が大切だろう。そこで、僕はマインドマップを使って読書や勉強をしている。一つの概念から色々枝を広げていくことで、立体的に知識を理解しよう、という作戦である。これにより、理解度が大幅に上がっただけでなく、関連知識も出てくるようになった。これが、「知識の幅が広い」と言われる所以の一つだ。

 そして、最も役立った個所がある。「ゆっくり学ぶ」という章だ。これはどういうことだろうか?これは言い換えると「勉強は、効率を求めなくていい」ということなのだ。「ゆっくり考え方を身につけて、長期的に結果をだそう」と言いたいのだ。本書は、アメリカのある学校の数学の授業を取り上げている。著者は、「アメリカの学力が相対的に低いのは、教え方に問題があるからだ」という主張をしている。しかも、論文を使って。何が問題かというと、多くの場合、日本も含まれると思うが、「授業で、関連付けの質問がなされていない」ということらしい。確かに、学校や塾では、生徒を正解させることを塾の多くの先生は念頭に置いている。つまり、生徒を導いてしまっているのだ。これがよくないのだという。正解していると気分がよくなる。が、彼の紹介しているデータだと、、「授業の評価が低い先生のクラスほど、生徒の一年後の成績は伸びている」という。何て皮肉な話だ。では、教師は何をしていたのだろう。彼らは、授業中、学生の頭を文字通り悩ませていた。つまり、自分で考えさせたのだ。当然、知識がない学生は、一時的に成績が伸び悩む。すると、アンケートで酷評する。つまり、目の前の成績で親も成績も判断してしまう、という性質を表している。これでは、長期的には学生の役には立たないだろう。なので、授業では、僕も考えさせることを重点に置いている。そうすることで、理解度が深まるからだ。

 かなり長くなってしまった。それだけ、今回の書評では伝えたいことが多かったのだ。本書は、時代の変化が激しい現代では、バイブルともいえるだろう。僕も、かなり役立てている部分がある。柔軟性が広ければ、思い込みに支配されることもない。関連書籍としては、マシュー・サイド氏の『多様性の科学』が挙げられる。併せて読むと、より、理解が深まるだろう。

 最後に、知識は幅だ。問題が解決できないのは、大体の場合、知識の幅が狭いからである。そのことを教えてくれる本だ。ぜひとも、ご一読してはいかがだろう?

参考文献
デイビット・エプスタイン(2020~2021)『RANGE〈レンジ〉 知識の「幅」が最強の武器になる』東方雅美(訳) 日経BP

 

 

【書評】西野氏の経験からこれからの人生とお金を学ぶ『夢と金』

「夢と金」、この関係性はいろいろと意見があると思いますが、西野氏の意見は「お金が尽きると夢が尽きる」ということである。そのお金に対する知識やこれからの考え方をご自身の経験を踏まえて分かりやすく書かれている本です。

まず裕福層の生態系を学ぶ、つまり彼らは何にお金を払うか?を理解することから書かれています。ここから学ぶことは機能を売ってはいけないという点です。特に日本人の考え方に多いのですが、95点を98点にするような機能を求めすぎた製品やサービスを意識しすぎている。そうなるとオーバースペックとなり、お金にならないので、これからは「意味」を売るべきだと主張されています。

では次に機能がお金にならないことを理解した上で、意味を売るには?に進んでいきます。ここでのポイントは「ファンを作ること」である。これにより意味と差別化をもたらすことが可能になる。そのような「ファン創造」の実例としてあえて不便さを残してコミュニケーションを生み出したことを実感したスペインの酒屋、美味しいと言われた餃子に「当たり前でしょ、スーパーで買ったんだから!」という地元居酒屋の例が書かれています。さらに今後NFTや進化したAIによってどのようなことがお金に結びつくか?どういうことが起きるか?をご自身の経験と試行錯誤の取り組みを踏まえながら書かれていますので、NFTを知らない方はこの部分だけでも勉強になると思います。

そして1日でも早く学び、1日でも早く勝て!、結局モチベーションとやりたいことは小さな結果の積み重ねからしか生まれないが、何かを始めるにしても結局お金がないと何もできずに選択肢が狭まってしまう事、20代で生まれた差は一生埋まらない。などの強いメッセージで締めくくられています。クラウドファンディングやNFTにいち早く取り組まれた西野氏の経験とメッセージが惜しげもなく書かれているので、この本を読んで頂けると必ず学びはあると思います。

著者名;西野亮廣
発売日:2023年4月
出版社:幻冬舎

 

 

【書評】意識とは何か?を考える『解明される意識』

意識とは?という問いに対して、著者のデネット氏が西洋哲学の長い伝統を背景に、心理学・神経科学・動物行動学・成員医学・コンピュータサイエンス・認知哲学などを総動員して、予備知識がなくても読みやすく伝えている本である。しかしながら600ページに及ぶボリュームなので、読み始める前にデネット氏の主張を動画や解説記事などを踏まえてから読むことをお勧めします。また本のタイトルが『解明される意識』であり、『解明され”た”意識』では無いことを前提に読んで頂きたいです。

1983年に行われたベンジャミン・リベットの実験で、我々がある動作をしようとする意思決定の0.35秒前には脳から電気信号がでているという結果が出て、人間に自由意志はあるのか?という議論が行われた。その結果を批判しながらデネット氏の主張としては意識を以下のように捉えています。

意識の流れが1点に集まって中心の参謀本部のような単一的な意識の流ればどこにも存在しない。脳内の様々な場所で交錯・生まれたり消えたりする百鬼夜行状態から現れてくるものである。その構造を「多元的草案モデル」という表現を用いているところも面白い。

この構造は複雑な計算をするコンピュータを繋ぎ合わせた状態に近くなっている為、コンピューターに意識は生まれるのか?という大きな問いに対して、今後のコンピュータの発展によって意識は作れるようになるかもしれないと感じさせてくれる本であった。

著者名;ダニエル・C・デネット /  山口泰司(訳)
出版社:青土社
発売日:1998年1月20日

 

 

【書評】こうして、僕は運動で人生を改善しました。『スタンフォード式人生を変える運動の科学』

 これをお読みのあなたは、運動についてどう考えてきたのだろうか?僕は、運動が大好きだ。週2回はテニスをプレイし、朝は散歩し、その後ノルウェー式HIIT(ノルウェーで研究されたインターバルトレーニングの1つで、4分全力運動3分軽い運動を繰り返す)、そして、昼頃に2時間ほど散歩している。更に、読書や勉強をしているときは、エクサー社のオリンピック強化選手用のステッパーを踏んでいる。無論、書評を書いている今この時点でも、そのステッパーを踏んでいる。一日中動きっぱなしだ。しかし、中には、このような人もいるだろう。「運動なんてめんどくさいし、したとしても続かないじゃん。きついし。体力不足だし。」と思っている人である。しかし、そんな人こそ、ぜひ読んでほしい本がある。それが、この本書である。運動をするとどんないいことがあるのか、科学的に解説している本だ。しかも、そこまで難解な言葉がなく、具体例も載っているので、非常に読みやすい本だ。

 では、その中でも、僕に取って役に立ったことは何だろうか?それは、「運動すると、幸福度が高まる」である。つまり、幸せを感じやすいのだ。これは、一種のハイにも近い概念だ。著者であるケリー・マクゴニガル氏は、「運動し続けると、エンドルフィンやアドレナリンのほかに、内因性カンナビノイドも血液中に放出される。つまり、ハイになって、いつまでもできるような、それこそ誰かを抱きしめたくなるような気持ちになる」と解説している。実際その通りで、僕もノルウェー式HIITでこのような状態になる。実際、この本では、そのような状態になった人のことも取り上げられている。なので、実に説得力のある本だ。

 他にも、運動することで社会的なつながりが生まれることも指摘している。これは、先ほど挙げた運動によるハイになる現象とも関わっている。運動すると、気分がよくなることは、この本だけに限らず、いろんな書籍で紹介されているが、本書によると、気分がよくなることで、誰かとつながりを持ちたくなるのだそう。実際、僕もそのようなときがある。顕著なのが、散歩しているときで、美女と運動しながら話すことを、空想している(笑)。他にも、エリック・バーカー氏の『残酷すぎる人間法則』でも人間関係が人生を変えるという研究を紹介しているし、メンタリストDaiGoさんもそのように論文を解説している。つまり、運動して誰かとつながりを持つことで、人間関係から得られるメリットまで得られるのだ。実際に、僕も去年からテニスを始めたことで、年上の人とのつながりが増えた。もちろん、僕はもともと非社交的な人間ではあるが、運動で多少外向的になった。

 この本は、運動嫌いの人にはぜひ読んでもらいたい本だ。著者のケリー・マクゴニガル氏は、他にも『スタンフォード式ストレスを力に変える教科書』という本を出している。彼女の本は、考え方を根本から変えさせる。例えば、前出の本で言えば、ストレスは人間にとって悪いものではなく、人間を成長させるものであることが科学的に紹介されている。実際に、このように思うだけでも、効果があるらしい。

 本書も、運動に対する考え方を変える本だ。健康効果はもちろん、人間関係を作る。そのような意味でも、運動は人生を変えてくれるのだ。このような学びを提供してくれた本であった。

参考文献
ケリー・マクゴニガル(2020)『スタンフォード式 人生を変える運動の科学』神崎朗子(訳) 大和書房

 

 

【書評】射たれたら死ぬんだって覚悟なら、いつでもできている。『チャンドラー短編全集4 雨の殺人者』

この短編全集シリーズには各々巻末に訳者あとがきが掲載されているが、本書では特別にあとがきの他に、訳者による「フィリップ・マーロウ誕生の前夜」が寄せられているのだが、これがいかにもこの全集の最終巻に相応しい。

レイモンド・チャンドラーの長編作は、幾つかの中編作を元にしていることが殆どなのであるが、その組み合わせ方を読み解くのもなかなか一興である。
本書に取り上げられている「雨の殺人者」は、チャンドラー初の長編作である「大いなる眠り」で主となる事件のあらましがコンパクトに描かれているし、続く「カーテン」は、おお、後の傑作長編作「長いお別れ」はこれが元になっているのかと読み進めてみれば、それはほんの出だしだけで、直ぐに登場人物達の造形迄を含めて、これまた「大いなる眠り」に活かされて、膨らまされている内容であったことに驚いた。中編作を組み合わせるだけでなく、一作の中編作が二つの長編作へと枝分かれしているというのだから、誠に面白い転用例ではないか。

「ヌーン街で拾ったもの」は、チャンドラーの小説ではしばしば登場するハリウッド映画界を巡る話だが、主人公が潜入捜査専門の刑事というのはちょっと珍しい。俳優、ギャング、荒くれ者、そして或ることに利用されようとしている若い女。最初はごくお手柔らかに運ばれた計略の筋書が、たまたま主人公が居合わせたことからいっぺんに荒っぽくなる。クールでドライな一作である。

「青銅の扉」は、ロンドンを舞台にしているところが珍しいダーク・ファンタジー
初老の小心者、そんな印象の主人公は、散歩の途中で一昔前の流しの馬車に遭遇する。そんな不思議な体験の後には、骨董屋で更に不可思議な青銅の扉に出逢うのである。彼は一瞬の誘惑の念を胸にその扉を買い求めた。

最後に控えし「女で試せ」は、長編作第二作目「さらば愛しき女よ」の原型だ。あの愛すべき巨漢ムース・マロイは本作ではスティーヴ・スカラと名付けられている。

そして、「フィリップ・マーロウ誕生の前夜」だ。これには、チャンドラーの出生から、両親の離婚によりイギリスへ渡ったこと、イギリス人の或る種の陳腐さに飽いて二十三歳で再びアメリカに戻ってきたこと、第一次大戦でカナダで志願し戦争に赴いたこと、ロスアンジェルスで石油会社で実業に於ける成功をしたことや、石油業界に見切りを付け、齢四十五にして小説家に転身する第一歩を踏み出す迄が書かれている。
それからチャンドラーは、二十二の中短編と七つの長編作を残すことになるのである。

収録作品
「雨の殺人者」
「カーテン」
「ヌーン街で拾ったもの」
「青銅の扉」
「女で試せ」

チャンドラー短編全集4 雨の殺人者
作者:レイモンド・チャンドラー,(翻訳)稲葉 明雄
発売日:1970年9月25日
メディア:文庫本

 

 

【書評】ご紹介!このように僕は睡眠の悩みを解決しました。『賢者の睡眠 超速で脳の疲れを取る』

 

 これをお読みの方で、「寝ること」の悩みを抱えたことがない人は果たしてどのくらいいるだろうか?恐らく、いないだろう。睡眠は、僕たちにとって、健康という視点から、欠かせないものだからだ。と、言いたいのだが、実際は健康以外にも、重要だと言える点が数多くあるのだ。実は、僕は結構睡眠に関して悩んできた人間だ。僕は、生まれつき眠りが浅い体質で、寝つきがよくてもすぐに起きてしまうのだ。どのくらい起きやすいかというと、アパートで隣の部屋の人の目覚ましが鳴ったとすると、その音で僕が起きるのだ。そのくらい、僕は睡眠の悩みを抱えてきた。だが、僕はこの本で睡眠の悩みを大方解消できたのだ。今回の書評では、どのように僕が睡眠を改善してきたのか、二つ、ご紹介しよう。

 まず、大前提として、睡眠を改善する際に重要となってくるのが、「自分を知ること」だ。というと、どこか胡散臭い自己啓発のようになってしまうのだが、これは、言い換えると「自分のクロノタイプを知る」ということである。クロノタイプとは、「概日リズム」といい、早い話が体内時計である。特に日本では、早寝早起きがもてはやされがちだ。ことわざで「早寝早起きは三文の徳」という言葉があるくらいだ。しかし、これは、3分の1は間違っている。なぜかというと、この体内時計は、遺伝子で決まっているからだ。つまり、体の設計図に、夜型になる記述があるのだ。言い換えると、生まれつき、体の、生物のルールとして夜型になる人がいるのだ。僕もかなりの夜型だが、そんな人が、早寝早起きなんてしたらどうなるだろうか?あっという間に、一日のパフォーマンスは下がってしまう。そして、睡眠の質も下がってしまう。自分の生物としてのルールを無視しているからだ。そこで、クロノタイプを知ることで、まずは自分の体のリズムを確認しよう、というのが第1ステップだ。

 二つ目に、僕は「食事・運動」を整えた。特に、食事は重要だ。質のいい睡眠をとるには、質のいい食事が欠かせない。何故なら、僕たち人間は、寝てるときに体の成長や修復をするからだ。つまり、寝ているときに体のメンテナンスをするのである。そんな大切な時間に、ラーメンなどの油モノや唐揚げなどの揚げ物、サラダ油で高温調理した肉なんて食べたら、どうなるだろう。体に炎症物質が取り込まれ、体に炎症を起こしてしまう。また、運動も大切だ。実は、この本によると、適度に運動をしていれば、睡眠の質が上がるというデータがあるのだ。特にうってつけなのが、朝起きた後に散歩をすることだ。太陽の光を浴びながら歩くことで、記憶力や思考力が1日中保たれ、仕事や勉強のパフォーマンスが上がる。また、太陽光で体内時計をリセットできるし、更に太陽光を浴びると、幸せホルモンといわれるセロトニンが出る。このセロトニン、実は睡眠ホルモンといわれるメラトニンの原料になるのだ。つまり、朝の散歩でポジティブな感情が生まれ、仕事のパフォーマンスが上がる。そして、夜にはセロトニンをもとにメラトニンが作られるので、眠れるようになる。まさに、人類には欠かせない習慣が散歩なのだ。

 ここまで見てきて、気づいた方もいると思うが、睡眠を改善するのに特別なことなんていらないのだ。僕も、何一つ特別なことをしていない。食事と運動を整え、自分の体内時計の傾向を調べただけである。なので、少し行動を改善すれば、かなり睡眠を改善できるのだ。実際に、著者であるメンタリストDaiGoさんも「健康を維持するのにそこまでお金をかけなくていい。食事、睡眠、運動の順で改善すれば、人生は好転する」と言っている。なので、この本は、睡眠だけならず、仕事や勉強がはかどらない人にも、うってつけの本なのだ。

 最後に、僕は睡眠の改善は人生の改善だと思っている。睡眠不足は、何と人間関係にも深く影響する。睡眠不足は、人をより自己中心的にさせる。すると、相手の話を聞かなくなり、魅力も30%低減する。また、周りの人間が敵に感じられたり、ネガティブ感情の感度も上がる。逆を言えば、睡眠はを改善すれば、これらの問題は解消されるのだ。さぁ、もうこれは一刻も早く睡眠をよりよくしたくなっただろう。ぜひ、本書を手に取り、あなたも悪民から脱出してはいかがだろうか?

参考文献
メンタリストDaiGo(2021)『賢者の睡眠 超速で脳の疲れを取る』リベラル社

 

 

【書評】発想の転換! 『たいていのことは20時間で習得できる』

一万時間の法則。石の上にも三年。
何かを習得し、プロとしてやっていくにはそれなりの時間がかかるのは自明である。
しかし本書の提案するのは、それを逆説的にとらえ、普通は『目指すレベル』がオリンピック級では無いことが大半で、そうであれば、たった20時間を集中するだけで習得できる、といった画期的な主旨だ。

勿論コツがいる。本書では10のルールが掲げられている。その半分をあげると、

1 スキルとそれに関連したトピックについて調べる 
2 わからなくてもやってみる 
3 心的モデルと心的フックを知る 
4 望んでいることの「逆」を想像する
 5 実際にやっている人の話を聞いて予想を立てる 

残りの半分は読んでほしい。闇雲にただやる、のでは無いことがわかるであろう。
そして、一回にひとつのことを毎日1.5時間以上取ったほうがいい、というのもかなり大きな原則だ。

本書に基づき、私もある初めての分野のことについて、時間を計測し、集中して1.5時間以上ずつ続けた。既に4日(約7時間)でもなかなか良い。3日前よりぐんぐん進んでいる感じがする。毎日というのも、意識的に時間を作るのが大変になるが、目標20時間という限りあるゴールは多すぎず少なすぎないのがいい。

別例でも私が目の当たりにしたのは職業訓練である。缶詰になって初めてのスキルに3日☓7時間=21時間を集中して行った結果、最後にはきちんとアウトプットを出せていた。

20時間でできることは限られている。しかし何でも初歩の滑り出しは右肩上がりの直線だ。いかに効率的な20時間の滑り出しをするか、そのコツを知っていると随分その先が変わる。始めて間もなく達成感が得られ、印象が良く好きになれば、その後の努力も苦にならないだろう。

何かを始めるときに、おすすめである。

ジョシュ・カウフマン著
日経BP社 出版
2014年9月20日 発行

 

 

【書評】こうして僕は「繊細」という意味を知りました『敏感すぎる私の活かし方―高感度から才能を引き出す発想術』

 「君は繊細過ぎるんだよ」「気にしすぎ」「もっとメンタルを強くしなきゃ」...幾度となく僕が言われてきた言葉だ。4年前の僕は、本書に出てくる性格特性を全く知らなかった。自分のメンタルが弱いと思い(実際はそうだったが)、筋トレや瞑想を続けてきた。メンタルの弱い自分を何としても直して、動じない心を手に入れたかったからだ。しかも、疲れというのも、神経がすり減り消耗するような疲れだ。これも、筋トレや瞑想が解決すると思っていた。ところが、いくらトレーニングしても、一向に改善しなかったのだ。相変わらず緊張しやすいし、頭でかなり考え込むし、きびきびとした行動はできないし。自己嫌悪にまで陥っていた。そんな中、メンタリストDaiGoさんがDラボでこの本を紹介していた。そう。本書は「HSP」について書いたる本だ。「高度に敏感である人」の意で、しかも、心理学者が論文に基づいて書いている。なので、信憑性も高い。僕は、多くのことに敏感で、ポジティブにもネガティブにも大きく振れる。この本の知識で、今の生活が刺さられていると言いても過言ではない。今回は、僕がこの本で使っているテクニックを紹介しよう。

 僕自身気を付けているのが、働く時間だ。これは僕にとって重大な問題で、日本では8~9時間拘束が当たり前となっている。しかし、僕は4時間も職場にいるだけでかなり消耗するのだ。この本では、働くことに関して、「短時間で働くのがあなたの課題だ」と言い切っている。ここが僕にとっては爽快で、「自分に会わないことには従う必要はない」ということを、教えてくれたのだ。何故、ここまで言い切っているのかというと、「長く働くことあ、他の人がやってくれる」からだという。確かに、言い方は悪いが、長時間働く人なんて、この世の中には多い。僕の代わりに、やってくれる人がいるのであれば、任せるのが合理的である。なので、この言葉を本で読んだとき、心底楽になった。

 また、もう一つ、この本で重要なのは、「多くの人が敏感性と内気を混同している」という点に言及している点だ。確かに、「敏感性とメンタルの弱さ」を混同してる場面を僕も見てきた。この本によると、敏感性というのは、脳の神経が反応しやすいということを心理学的には表している。対して、内気というのは、「社会からの拒絶に対する恐怖から生まれるもの」である。なので、この「敏感性」というのは、違う概念なのだ。また、「メンタルが弱い」というのも違う。確かに、敏感でメンタルが弱いという両方の特性を持つこともある。しかし、メンタルが弱いというのは、「神経症的傾向が高い」と表現し、「心配しやすい」「すぐ落ち込む」「恐怖を感じやすい」などの特性を表す。なので、敏感性とは近いが違うのだ。そのことを、本書は教えてくれるので、僕自身の評価は高い。実に分かりやすい本である。

 この本は、アメリカの心理学者であるエレイン・N・アーロンという人が書いた本である。彼女自身、かなり敏感だと公言しており、HSPの特性を持つ人に向けて、カウンセリングを実施したり、講演を実施したりしてきた。本書には、HSPの尺度を測る診断テストおあり、大体の自分の敏感性を確認できる。もちろん、そこまで敏感じゃない人も読むことで、敏感性が高い人の特徴や接し方が分かるので、多くの人にお勧めできる。
 僕は、この本が大いに参考になった。ぜひ、手に取って、ご一読いただきたい。

参考文献
エレイン・N・アーロン(2020)『敏感すぎる私の活かし方―高感度から才能を引き出す発想術』片桐恵理子(訳) パンローリング