HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】場をつくること。『うまくいくリーダーだけが知っていること』

 

10代で起業し、チームビルディング・コラボレートを通じて、様々な事業の立ち上げや不動産投資、株式投資、部下の事業の立ち上げのサポートに携わってきたのが著者である。
本書は、チームビルディング・コラボレートについて解説するものだが、読んで欲しい層は以下の通り。
・リーダーになりたい人
・信頼できるチームをつくりたい人
・会社の人間関係で悩んでいる人
・業績を伸ばすことが出来ないことに苦慮している人
・将来に希望が持てない人

うまくいくリーダーが知っていることとは? リーダーとして努めるべきこととは何か?
著者は、優秀なリーダーを育てる為に大事なことは、場をつくることだと言う。
それは、組織に於いてリーダが育つ為の仕組みと文化をつくることだ。
個人で関わってリーダーを育てようとしても、少人数にしか出来ないが、多くのリーダーを輩出しようとするのであれば、自分一人で育てるのではなく、場で育てるのである。
仕組みをつくって、それを流していく。その流れを文化にしていく。
文化をつくっていく上で重要なことは、大事なことを飽きずに、繰り返し伝えていくことだ。
指示や指導を受ける側も、繰り返しを拒むことは自らの成長を阻む行為と気付くべきだ。
「出来るまでやる」
「繰り返すことで成功する」
ごく当たり前のことを分からない人は、成長するどころか脱落していく。
上司が繰り返しを求めるということは、自分が出来る様になるまで付き合ってくれている、出来ると思われていると考えることだ。
繰り返してやることを受け入れるかどうかで、その人の人生は大きく変わる。そして、そのことを、場の力で気付ける様にしていくのも、リーダーとしての大きな仕事なのである。

変化の激しい世の中に於いてでも、なお変わらないものがコミュニティだと著者は考える。
如何にして良質なコミュニティをつくり上げていくのか。
著者が、チームビルディング・コラボレートに携わってきた経験を元にしているどけに、そのチームづくり理論には、実感がこもっている様に思えた。

うまくいくリーダーだけが知っていること
作者: 嶋村 吉洋
発売日:2022年12月20日
メディア:単行本

うまくいくリーダーだけが知っていること

【書評】現状から抜け出したい人へ『「エンジニア×スタートアップ」こそ、最高のキャリアである』

 

本書は、著者の体験を基に、エンジニアとスタートアップの魅力やカルチャーなどを熱く語ったビジネス書だ。

根底にあるのは「自分がやりたいことをやる」ということ。
普通の型にはまった会社員ではつまらないと、自分が楽しく熱中できる仕事を追い求め、次々に仕事を変えていく。
仕事を変えるたびに、もっと楽しそうな世界が見えてくる。
そして行き着いた先が、エンジニアであり、スタートアップ企業だった。
そこで培った知識、経験と魅力を存分に語っている。
本書序盤は小説のように読みやすく、著者の追体験ができるだろう。

エンジニアとスタートアップ企業について、丁寧に解説されている。
エンジニアは技術だけでなく、ビジネスモデルを読み解く力のほうがより重要となる。
また、分業化された大手企業と、個の力の影響が大きいスタートアップの違いについても面白い。
ビジネスの教養として知っておきたい内容だ。

エンジニアxスタートアップ企業は、高収入で自由な働き方が実現できる、まさに夢のような環境だと語っている。
当然仕事で結果を出し続けることが前提となるため楽な環境ではないが、著者のような情熱とアグレッシブさを持つ人にとって、これほど良い環境はないだろう。

本書はエンジニアとスタートアップについて書かれたものだ。
だがそれらとは無縁でも、現状の仕事から抜け出したいと悩んでいるなら、本書が力強く背中を押してくれるに違いない。

 

 

【書評】Googleが掲げる10の事実とは。『1日1テーマ読むだけで身につくホームページ集客大全100』

 

日本のインターネット利用率は、総務省の2021年版情報通信白書によれば83.4%で約一億人越え。さらに平成30年通信利用動向調査報告書(企業編)によると、企業のインターネット接続率は99.5%だそうだ。
そんなインターネット全盛の時代に於いて、ノウハウ本の種類や著者によっては意見は様々で、「今はウェブサイトよりブログだ」と主張しているものもあったりするが、個人事業主ならともかく、企業体であれば自社サイトはやはり有って然るべきではないかと思う。SNSやらYouTubeやらでPRしても、企業の本サイトやECサイトといった誘導先が無くては話にならない。

さて、ウェブサイト制作会社は数あれど、その全てが売れるサイトの作り方に長けている訳ではない。
著者曰く、建設会社に店舗は作れても、モノが売れる店舗の作り方は分からないのと一緒だと言うのだ。
お店のことはお店の人、商品については販売する人らが、顧客がどんな問題や希望を抱えてやって来て、店舗や商品に触れてどう感じるかを考えて試行錯誤しなければならない。
それをウェブサイト上でどう展開すれば良いのか。
幼少期から実店舗で働いていたからこそ身に付い「お客様目線」と、大学以降で学んだ事業戦略・マーケティングの知識を活かして著者が解説していく。
何から始めて、どうやって運用して、どの数値を見るべきか。
IT、ウェブに全く疎い人でも分かる様にと、かなり初歩的な用語などの解説から始まり、見開きで本文とイラストで1テーマずつ進むので、読み易い100のコラム。

私もD2C事業社としてECサイトも開設している。本書を読もうと思ったモチベーションは、一種の答え合わせである。現有しているウェブサイトはこのままで良いのか? ウェブマーケティングのやり方は適正であるのか?
で、幾つかの検討事項が見付かった。
そういった面でもプラスであった。

また、Googleが掲げる10の事実というのも知らなかったので、これまた良い収穫であったと言える。
それって何かと? 気になったら是非本書を手に取ってください。

1日1テーマ読むだけで身につくホームページ集客大全100
作者: 芝田 弘美
発売日:2022年12月2日
メディア:単行本

 

 

【書評】世界一美味しいパン屋のパンはまずかった!『パンどろぼう』

本書は2020年の登場より、数々の賞を受賞し、シリーズ累計170万部を突破した大人気『パンどろぼう』シリーズの第一弾。その人気は『パンどろぼう』のパンや、本書に登場する他のパンを作るためのレシピ本や、数々のグッズも販売されているほど。

評者は、それほどの人気の作品とは知らずに、なんで食パンから尖った鼻が飛び出ているのだろう?そんな何だかユーモラスなフォルムに惹かれて読んでみたのだが、ストーリーもなかなか面白い。

パンどろぼうは、ふっくら焼きたてのパン一つだけを狙い、感謝を込めていただく。そんな自ら作った掟の元に世界一のパンを探し求めている。世界中のパンを食べてきたパンどろぼう。そして新たに見つけたのは、なんと「せかいいちおいしい」という名のパン屋さん。期待を込めて狙ったパンを担ぎ、見つからずに逃げられたパンどろぼう。

しかし、そのパンはとてつもなくまずかった。そこで怒ったパンどろぼうは、すぐさま店に戻り、店の主人に怒りをあらわにしたのだが、主人は、なぜ食パンがしゃべっているのかわからなかった。それもそのはず、食パンの格好をしたパンどろぼう。その正体は!…

 

 

【書評】この荒波を乗り越えられたら自分はまた成長して違う景色を見られる。そう考えられる人が起業に向いているのではないか。『起業メンタル大全』

 

21世紀に入り、インターネットが世界を繋ぎ、働き方の多様性が一気に高まった。
今は、食べる為に働くのが殆どの人にとって当たり前の世の中ではなくなった。サラリーマンとして嫌々ながら給与を稼ぐよりも、自分の為、やりたいことをする為に起業をしてみることを選択しても良いのではないか。
かつてとは異なり、起業支援の仕組みも拡充されているし、ネット上の様々なツールやサービスが、あらゆるビジネスをマネタイズする可能性の扉を開いた。そんな時代になったのだ。

著者もひとり起業家だ。
2011年4月に17年間務めた翻訳会社を辞して、ブロガーとして独立をした。
それからの11年余りを振り返ってみると、考え方や価値観が180度変わったと感じるそうだ。そして、会社員に戻りたいと感じたことは一度として無いとも言う。
マーケットという大海原に向かって大冒険の旅に出発しよう。そう訴える著者であるが、一方で「今の仕事がつまらないから独立・起業しようという考えの人は起業しても上手くはいかない」と、警鐘も鳴らす。
では、どんなメンタルで挑むのが良いのか。起業の為に為すべきことは何か? その心構えとは?
本書では、まず起業することのメリットとデメリットについて述べ、次いで起業に向く者、向かない者とはどんな人々なのかなどについて言及していく。
本書が対象としているのは、現在は会社員や公務員などであるが、起業しようかどうしようかとモヤモヤ考えている人々の様だ。
私自身は既に起業して七年目。本書を読んでみようと思ったのは、謂わば答え合わせの様なものだったが、具体的に何点か、「あ、これ、やってなかったな。早速やってみよう」というモノが有って助かった。
後半には、著者自身の経験からのあれこれが惜しみ無く記されているが、なんというか、著者のルーチンやライフスタイルに関する記述が散見され、それをそのまま受け入れるか否かは人によって意見が別れるだろう。
ただ、著者がブログを中心としたビジネスを展開してきただけに、特に文筆業の方には役に立つのであろうと思った。

人生100年時代。選択するのは就業? 起業?

起業メンタル大全
作者: 立花 岳志
発売日:2022年12月30日
メディア:単行本

 

 

【書評】AIの数字に唸り、5%社員の優秀さにのけぞる『AI分析で分かった トップ5%社員の習慣』

 本書の最大の特徴は、ずはり「AI が彼らを分析していること」だ。彼ら、とは「著者の関わった600社以上の働き方改革支援を通じて調査した、各社の人事評価トップ5%社員」のことだ。ビジネスパーソン18000人の習慣をAIが分析すると何が起こるか。それは、圧倒的な「数字」の羅列になることだ。例えば万歩計をつけたら一般社員よりも上位5%社員の方が14%も歩数が多い。定点カメラで観測すると、自席に座ってる時間は2割未満という人が5%社員の半数以上いた。(この時間は打ち合わせや他部署、外部に行くなど情報を取りに行っている)というように定量評価のオンパレードだ。その傾向の一端をみてみよう。

  ■過程よりも結果や目標を重視する。途中で達成を感じない。95%の一般社員は、失敗してもそのプロセスで自分を褒めている。しかし5%社員はその逆で結果を求める。

■時間を大切にする。5%社員は時計を見る回数が一般社員より多い。しかし適度な休息も取っている。 
メールの前置きがなく、その分メールを書くことも速い。「今、いいですか」と「それはできません」が口癖で、相手の時間をむやみに拘束しない。メールの返信も速い。

■人一倍向上心が高い。好奇心が強く新しい物好き。

 いかがだろうか。こうみると、組織の中のトップ5%の社員の習慣は、必ずしも組織に属していないフリーランスや、組織の長たる経営者にも仕事の仕方の流儀として参考になることは多いのではと感じる。いやむしろ経営者ならとっくにやっていることが多いかもしれない。なぜなら、時間がなく自分で好奇心をもって率先して動き、人脈やチームを作って物事の結果を求めなければいけないのは経営者やフリーランスには当然の務めであり、大雑把に要約すれば5%社員はそれらを組織内でも自然にやっているというわけだ。

 そんな意味でも社会人なら誰しもこの所に照らし合わせ自分の行動を振り返ってみるのによい「鏡」になる本であろう。そして読むそばから、1分1秒の時間が勿体無く感じ、彼らの時間効率のよい仕事の習慣を真似たくなってくる。そしてAI分析による数字、定量評価にいかに我々は心奪われるか、も味わえる刺激的な本である。

■著者  越川慎司
■発行所 ディスカバー・トゥエンティワン
■発行日 2020年9月25日

 

 

【書評】最善を望め。しかし最悪に備えよ。『ストーリーでつかむ! プロジェクトマネジメントの原則』原則

 

「最新のプロジェクトマネジメント手法を知りたい」
「担当しているプロジェクトマネジメントを成功させたい」
本書は、そんなプロジェクトマネジメントの初心者、中級者を対象として書いたと述べている著者は、これまでに100のプロジェクトを成功に導いてきた現役ITコンサルタントだ。
その著者が採用したのは小説という形式。そのストーリーは、或る過疎化が進んでいる島に住む、或る高校二年生の少年が、廃校の危機を、ひいては島の存続をも救おうと願い、何かを以て日本一を達成することで、島の外部からの注目を集め、その成果として人々の転入をも成そうと考えたところから始まる。
その目的の為に選んだのは主人公が通う高校の演劇部。全国大会で最優秀賞を獲るのが目標だ。
後先も考えず校長室に訪れて想いを直訴、活動の公認を得た主人公ではあったが、思えば昔から無謀とも思える様なことを言い出しては、成し遂げてはこれなかった。そんな主人公であったが、ITコンサルタントの職を辞し、たまたま島に出戻ってきた歳の離れた姉の忠告により、プロジェクトマネジメントの考え方を得て、これを実践していくことにした。
成功するプロジェクトにする為の準備や管理の方法はどの様なものがあるのか。
チームメンバーやステークホルダーなどの、プロジェクトに関わる人々に対してどう折衝を進めていくか。
等々、母校と島を救う一大プロジェクトを成功させる為に、高校生がプロジェクトマネジメントを学び、それに則って行動していくという内容になっており、プロジェクトマネジメントの世界標準であるPMBOKガイドとやらにも準拠している。
プロジェクトマネジメントに於ける原理原則の十二項目とは?
それとは別に、WOOP、プロジェクト憲章、要求一覧、要件定義書、成果物一覧などのツールが次々と語られ、また、主人公はそれらを自らのプロジェクトに当てはめていく。

段階的にプロジェクトを進めていく中で、落ち込み、悩む主人公ではあるが、その度に少しずつ学びを重ねて成長をしていく。
そして、最初は懐疑的であり否定的でもあったチームメンバーたちも、徐々にプロジェクトに前向きになっていくのであった。
主人公は、演劇部のメンバーと共に、見事に日本一の座を獲得出来るのか。

尚、後半は解説編となっており、全体の4分の1程の紙面を以て、小説の中では語られていなかったプロジェクトマネジメントの考え方について補うという、二段構えの構成となっている。
今回の小説で取り上げたプロジェクトは演劇であったが、建設業、製造業、ソフトウェア開発などを含む幅広い分野への適用についても理解がし易くなっているのである深まる様に配慮している。
読者も我が身に置き換えることがだろう。

ストーリーでつかむ! プロジェクトマネジメントの原則
作者: 谷岡悟一
発売日:2022年9月1日
メディア:単行本

 

 

【書評】最善を望め。しかし最悪に備えよ。『ストーリーでつかむ! プロジェクトマネジメントの原則』原則

 

「最新のプロジェクトマネジメント手法を知りたい」
「担当しているプロジェクトマネジメントを成功させたい」
本書は、そんなプロジェクトマネジメントの初心者、中級者を対象として書いたと述べている著者は、これまでに100のプロジェクトを成功に導いてきた現役ITコンサルタントだ。
その著者が採用したのは小説という形式。そのストーリーは、或る過疎化が進んでいる島に住む、或る高校二年生の少年が、廃校の危機を、ひいては島の存続をも救おうと願い、何かを以て日本一を達成することで、島の外部からの注目を集め、その成果として人々の転入をも成そうと考えたところから始まる。
その目的の為に選んだのは主人公が通う高校の演劇部。全国大会で最優秀賞を獲るのが目標だ。
後先も考えず校長室に訪れて想いを直訴、活動の公認を得た主人公ではあったが、思えば昔から無謀とも思える様なことを言い出しては、成し遂げてはこれなかった。そんな主人公であったが、ITコンサルタントの職を辞し、たまたま島に出戻ってきた歳の離れた姉の忠告により、プロジェクトマネジメントの考え方を得て、これを実践していくことにした。
成功するプロジェクトにする為の準備や管理の方法はどの様なものがあるのか。
チームメンバーやステークホルダーなどの、プロジェクトに関わる人々に対してどう折衝を進めていくか。
等々、母校と島を救う一大プロジェクトを成功させる為に、高校生がプロジェクトマネジメントを学び、それに則って行動していくという内容になっており、プロジェクトマネジメントの世界標準であるPMBOKガイドとやらにも準拠している。
プロジェクトマネジメントに於ける原理原則の十二項目とは?
それとは別に、WOOP、プロジェクト憲章、要求一覧、要件定義書、成果物一覧などのツールが次々と語られ、また、主人公はそれらを自らのプロジェクトに当てはめていく。

段階的にプロジェクトを進めていく中で、落ち込み、悩む主人公ではあるが、その度に少しずつ学びを重ねて成長をしていく。
そして、最初は懐疑的であり否定的でもあったチームメンバーたちも、徐々にプロジェクトに前向きになっていくのであった。
主人公は、演劇部のメンバーと共に、見事に日本一の座を獲得出来るのか。

尚、後半は解説編となっており、全体の4分の1程の紙面を以て、小説の中では語られていなかったプロジェクトマネジメントの考え方について補うという、二段構えの構成となっている。
今回の小説で取り上げたプロジェクトは演劇であったが、建設業、製造業、ソフトウェア開発などを含む幅広い分野への適用についても理解がし易くなっているのである深まる様に配慮している。
読者も我が身に置き換えることがだろう。

ストーリーでつかむ! プロジェクトマネジメントの原則
作者: 谷岡悟一
発売日:2022年9月1日
メディア:単行本

 

 

【書評】最善を望め。しかし最悪に備えよ。『ストーリーでつかむ! プロジェクトマネジメントの原則』原則

 

「最新のプロジェクトマネジメント手法を知りたい」
「担当しているプロジェクトマネジメントを成功させたい」
本書は、そんなプロジェクトマネジメントの初心者、中級者を対象として書いたと述べている著者は、これまでに100のプロジェクトを成功に導いてきた現役ITコンサルタントだ。
その著者が採用したのは小説という形式。そのストーリーは、或る過疎化が進んでいる島に住む、或る高校二年生の少年が、廃校の危機を、ひいては島の存続をも救おうと願い、何かを以て日本一を達成することで、島の外部からの注目を集め、その成果として人々の転入をも成そうと考えたところから始まる。
その目的の為に選んだのは主人公が通う高校の演劇部。全国大会で最優秀賞を獲るのが目標だ。
後先も考えず校長室に訪れて想いを直訴、活動の公認を得た主人公ではあったが、思えば昔から無謀とも思える様なことを言い出しては、成し遂げてはこれなかった。そんな主人公であったが、ITコンサルタントの職を辞し、たまたま島に出戻ってきた歳の離れた姉の忠告により、プロジェクトマネジメントの考え方を得て、これを実践していくことにした。
成功するプロジェクトにする為の準備や管理の方法はどの様なものがあるのか。
チームメンバーやステークホルダーなどの、プロジェクトに関わる人々に対してどう折衝を進めていくか。
等々、母校と島を救う一大プロジェクトを成功させる為に、高校生がプロジェクトマネジメントを学び、それに則って行動していくという内容になっており、プロジェクトマネジメントの世界標準であるPMBOKガイドとやらにも準拠している。
プロジェクトマネジメントに於ける原理原則の十二項目とは?
それとは別に、WOOP、プロジェクト憲章、要求一覧、要件定義書、成果物一覧などのツールが次々と語られ、また、主人公はそれらを自らのプロジェクトに当てはめていく。

段階的にプロジェクトを進めていく中で、落ち込み、悩む主人公ではあるが、その度に少しずつ学びを重ねて成長をしていく。
そして、最初は懐疑的であり否定的でもあったチームメンバーたちも、徐々にプロジェクトに前向きになっていくのであった。
主人公は、演劇部のメンバーと共に、見事に日本一の座を獲得出来るのか。

尚、後半は解説編となっており、全体の4分の1程の紙面を以て、小説の中では語られていなかったプロジェクトマネジメントの考え方について補うという、二段構えの構成となっている。
今回の小説で取り上げたプロジェクトは演劇であったが、建設業、製造業、ソフトウェア開発などを含む幅広い分野への適用についても理解がし易くなっているのである深まる様に配慮している。
読者も我が身に置き換えることがだろう。

ストーリーでつかむ! プロジェクトマネジメントの原則
作者: 谷岡悟一
発売日:2022年9月1日
メディア:単行本

 

 

【書評】最善を望め。しかし最悪に備えよ。『ストーリーでつかむ! プロジェクトマネジメントの原則』原則

 

「最新のプロジェクトマネジメント手法を知りたい」
「担当しているプロジェクトマネジメントを成功させたい」
本書は、そんなプロジェクトマネジメントの初心者、中級者を対象として書いたと述べている著者は、これまでに100のプロジェクトを成功に導いてきた現役ITコンサルタントだ。
その著者が採用したのは小説という形式。そのストーリーは、或る過疎化が進んでいる島に住む、或る高校二年生の少年が、廃校の危機を、ひいては島の存続をも救おうと願い、何かを以て日本一を達成することで、島の外部からの注目を集め、その成果として人々の転入をも成そうと考えたところから始まる。
その目的の為に選んだのは主人公が通う高校の演劇部。全国大会で最優秀賞を獲るのが目標だ。
後先も考えず校長室に訪れて想いを直訴、活動の公認を得た主人公ではあったが、思えば昔から無謀とも思える様なことを言い出しては、成し遂げてはこれなかった。そんな主人公であったが、ITコンサルタントの職を辞し、たまたま島に出戻ってきた歳の離れた姉の忠告により、プロジェクトマネジメントの考え方を得て、これを実践していくことにした。
成功するプロジェクトにする為の準備や管理の方法はどの様なものがあるのか。
チームメンバーやステークホルダーなどの、プロジェクトに関わる人々に対してどう折衝を進めていくか。
等々、母校と島を救う一大プロジェクトを成功させる為に、高校生がプロジェクトマネジメントを学び、それに則って行動していくという内容になっており、プロジェクトマネジメントの世界標準であるPMBOKガイドとやらにも準拠している。
プロジェクトマネジメントに於ける原理原則の十二項目とは?
それとは別に、WOOP、プロジェクト憲章、要求一覧、要件定義書、成果物一覧などのツールが次々と語られ、また、主人公はそれらを自らのプロジェクトに当てはめていく。

段階的にプロジェクトを進めていく中で、落ち込み、悩む主人公ではあるが、その度に少しずつ学びを重ねて成長をしていく。
そして、最初は懐疑的であり否定的でもあったチームメンバーたちも、徐々にプロジェクトに前向きになっていくのであった。
主人公は、演劇部のメンバーと共に、見事に日本一の座を獲得出来るのか。

尚、後半は解説編となっており、全体の4分の1程の紙面を以て、小説の中では語られていなかったプロジェクトマネジメントの考え方について補うという、二段構えの構成となっている。
今回の小説で取り上げたプロジェクトは演劇であったが、建設業、製造業、ソフトウェア開発などを含む幅広い分野への適用についても理解がし易くなっているのである深まる様に配慮している。
読者も我が身に置き換えることがだろう。

ストーリーでつかむ! プロジェクトマネジメントの原則
作者: 谷岡悟一
発売日:2022年9月1日
メディア:単行本