HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】チーム運営・複数チーム運営『チーム・ジャーニー』

以前紹介した『カイゼン・ジャーニー』の続編。本作ではチーム運営の仕方、複数チーム運営の仕方を学ぶことができる。

本作は前作ストーリー形式で進む。まずは一つのチームを運営し、否、一つのグループでプロジェクト達成を目指すところからだ。

グループとチームの違いはなんだろうか?。グループはリーダーとメンバーの関係しかない状態を示す。チームは、メンバー同士も関係があるような状態だ。

同じチームのメンバー同士が何をしているかを把握している状態がチームだ。これができるだけで、お互いでサポートしあうことができ、プロジェクトとはよく進むようになる。常に部下に1対1で指示を出してる人はいないだろうか?。それだと同じ業務をしているただのグループだ。

また、チーム運営の次は複数チームの運営の仕方も出てくる。これは非常に勉強になった。例えば会議の設定の仕方だ。それぞれのチームと会議をすることはまず誰もが行うだろう。それ以外に設定すべきは、チームを横断した、同じような仕事を行ってるメンバーでの会議だ。別のチームでも知見を出し合えるような業務があるだろう。

チームごとの会議、リーダー同士の会議、技術者同士の会議を行うことで、別のチームが同じ仕事をしてしまうような事態も防げる。複数チーム運営には、このような情報共有の場を作っていくことが大事そうだ。

もちろんここに買いたこと以外にも大量のチーム運営ノウハウが本作ではストーリーと共に紹介されている。チーム運営に悩む人はぜひ読もう!

 

 

【書評】本当に優れたリーダーは、内気で恥ずかしがり屋。そんなリーダーは魅力的なヒーローだ『世界を変えた31人の人生の講義〜ナイキ創業者 フィル・ナイト氏〜』

 

著者が、長年興味を持っていたことはリーダーシップについて。どのようにしてリーダーになり、リーダーであり続けるのか。そんな好奇心から世界的に著名なリーダーにインタビューする番組を担当した。本書では、彼らの考え方を伝えるためにその内容がまとめられている。

リーダーたちが考える自分がリーダーになれた特性とは、伝統にとらわれない独自の価値観を持ちながら追求し、粘り強く取り組み、日々学び続け、どんなリーダーであっても必ず犯す失敗も謙虚な姿勢で前向きに捉え、次の成功に向けて取り組むことなどだという。

本書評では、掲載されている31人のリーダーのうち、ナイキ創業者 フィル・ナイト氏について取りあげる。ナイキ創業時は、強いリーダーシップはもちろんのこと、シューズデザインの知識も資金もなく、特別なスキルなど何もなかったそうだ。しかし、唯一あったものは人を見る目。尊敬できる大切な人と出会い、チームとして共に過ごしてきたことが、何よりも大切なことだったという。

また、フィル・ナイト氏自身、ランナーであった経験からシューズの大切さを身をもって経験し、常にシューズのことが頭から離れず、創業後も世界中の人々にどのようにしたら製品を購入してもらえるかを考え続けていたそうだ。

心の底からナイキのシューズを愛し、タキシードなどのフォーマルウェアを着用する際にもナイキの黒のシューズを履き、フィル・ナイト氏にとっては一つの製品ではなく、ナイキ全体が芸術作品のようなもの。そこまで愛しているからこそ、創業当時は想像もできなかったような世界的ブランドへと繋がっていったのだろう。

 

 

【書評】或るアニメーターが想い描いた豊穣の混沌。『モザイカ』

 

あ、『太陽の牙ダグラム』や『装甲騎兵ボトムズ』などのアニメ作品の高橋良輔監督が書いた小説だ。しかも、表紙や挿し絵のイラストレーションを監督とのコンビ作も数多い塩山紀生が描いているのかぁ。相変わらずの蜜月振りのお二人だことよ。
と、それだけのことを動機とし、当時たまたま見かけた書店で本書を手にした様な記憶がある。
要するに、私はこの二人のコンビ作品が、その昔格別に大好きだったから買ってみたのだった。極々単純な話。
とは言え、その時分はアニメ作品などへの興味は薄かったし、日常的に観ている訳でもなかったので、本書に関しても予備知識ゼロで読み始めたのだが、その為にやや面食らう結果を招いた。

まず、ロボット物ではない。
高橋良輔監督と言えば、まあ、ホントはそんなこともないっちゃないんだけど、割りかしロボット物のアニメ監督のイメージがついて回るのだが、本作は、或る星を舞台にした異世界物のファンタジックでアドベンチャー剣劇だ。そして、その世界の名が、タイトルの『モザイカ』なのである。
作風もなんかとっても勇ましくて、強引にドンドコ進んでいくし、どうも監督っぽくないなあ。
と思っていたら、著者によるあとがきを読んで腑に落ちた。
実は原作者は塩山紀夫の方で、数え切れない酒場通いのうちに聞かされた異世界物語の構想が元となっているのだそうだ。
それが機会を得て、月刊雑誌に塩山氏の絵に著者が詩文を付す、という企画『オデッセイ』が起ち、一年間の連載を続けた。
やがて、その連載を原案として、月村了衛がシナリオを起こし、『英雄凱伝モザイカ』という名のOVAが製作された。勿論、原作者は塩山氏、監督は高橋氏である。
さらに、そのOVAをノベライズしたものが本書。
と、幾分ややこしい成り立ちではあるが、アニメーターが好きな様に想起した夢物語が形になったのだ。なかなかそうそうあることではないし、塩山氏の想念、好んで止まない物語世界とはこういうものなのか、と見せつけられたのは、個人的にはかなり興味深いものであった。

惜しむらくは、著者も言う様に、本作は物語のほんの片鱗を見せるに止まっていると言え、まだまだ続くであろう塩山異世界「モザイカ」の、広大無限の世界をもっと見てみたかったということだ。

モザイカ
作者:高橋良輔(著), 塩山紀生(イラスト)
発売日:1992年8月25日
メディア:文庫本

 

 

【書評】HIUの始まりを知りたければこれを読め!『SALON DESIGN vol.12』

 

『SALON DESIGN』とは、HIUメンバーが制作する季刊誌のこと。今号の目玉は何と言っても、HIU運営:柚木 大介氏 × 編集者:杉原 光徳氏の対談記事で間違いない。HIUメンバー、HIUに興味がある方は必読である。

HIU立ち上げから8年。長年の経験からオンラインサロンという、何ともよくわからないものを言語化するのがお二方ともとにかく上手い。例えば、オンラインサロンを2つに区分する。
・自走型 = 会員自らコンテンツを産出
・コンテンツ提供型 = 運営がコンテンツを提供

HIUは前者に属する。一方で、後者に属する他のサロンやその問題点についても言及している。

杉原 光徳氏は、メルマガ「堀江貴文のブログでは言えない話」の編集担当。評者は、当該メルマガ「編集Sが考える、先週の仕事から考える仕事術」のコーナーを毎号楽しみにしている。上記のような言語化が毎回腹落ちするのである。

他にも本誌では、
・HIU7年以上在籍:平井 秀明さん
・家系ラーメン本家「堀江家」:一力 丈さん
・Zero International Preschool代表:羽織 愛さん
・福岡北九州フェニックス前代表取締役:河西 智之さん
などHIUで活躍しているメンバーのインタビューが多数掲載されている。

horiemon.thebase.in

【書評】爆発的な営業成果を実現する?『トップセールスのSNS営業術』

 

著者は、「営業しない営業マン」を自称し、大手カード会社でトップセールスを誇る営業マン。
その武器はSNS
かつては、ノルマに縛られ、懸命にロープレを行ない、残業当たり前で、お客様を追いかけ、お願いしまくっていた著者が、今では「営業しない営業マン」に。そして、残業をゼロにしたお陰で時間も出来たので、営業術のコンサルティングの副業も始め、さらには本書まで上梓してしまった訳だ。

著者がビジネスに活用するにはコレ、と主に説明するのはFacebook
友達申請時の注意、ちゃんと投稿を更新する、「いいね」よりコメント若しくは個別メッセージ、反応され易い投稿はと、SNS営業の準備として、まずはFacebookの基本的な使い方を解説する。
そして、SNS営業の実践である。
まず、アプローチ編つまり見込み客の作り方だ。いかにしてSNS上で情報収集を行ない、人脈形成を果たすのか。それには自分が好きなこと、得意なことを活用する。コミュニティを作り、「師匠」、「先生」になれれば、対等若しくは上位の関係作りが出来るので、卑下した態度を取る必要はなくなる。
そして、共感を得る投稿を行なって仲良くなることにフォーカスしていくのだ。
次に、関係構築編。信頼関係をより強固なものにするにはどうするのか。
それから、クロージング編と続くのだが、SNS営業に於けるクロージングは、買ってくださいと「お願い」するのではなく、目標を共有し、その達成の為に「協力」を得ることであると言う。
と言われてもピンとこないかもしれないので、詳しくお知りになりたい方は、是非本書を手にしていただきたいが、やはりここでも強調されるのはコミュニティの活用と信頼関係の強化。加えて「行動要請」であるとだけ言っておこう。

もうお分かりとは思うが、本書は営業ツールの育て方という趣旨の他に、SNSを使ったコミュニティの利用法についての書とも言える。
営業マン以外の方にもニーズはあるかもしれない。

トップセールスSNS営業術
作者:羽田宗一郎
発売日:2022年2月4日
メディア:単行本

 

 

【書評】そこまで厳しい世界に生きてないけど、仕事がデキる人になりたい『仕事の教科書: きびしい世界を生き抜く自分のつくりかた』

 

 博報堂、ボスコンなどを渡り歩いてきた著者が、仕事におけるデキる人と言われるためのノウハウをまとめた一冊。①仕事をスピードアップする方法、②伝わる文章術、③交渉術、④セルフケアについて簡潔かつ具体的に書かれている。全てとは言わないまでも、誰でもすぐに使えそうなスキルが多く紹介されている。

 私がまず読んだのは、④のセルフケアに関する章だ。著者の輝かしい経歴から、私のようなパンピーには参考にできる部分がないのではないかと思い、取っ付きやすそうな部分から読み始めた。ダウンマネジメントについて取り組んでいたり、食事の時間を揃えるといった手軽にできそうなやり方だったり、意外と親近感を感じることができた。特に印象的だったのは、寝具や家電の値段を1桁上げるという方法だ。中々思い切った投資になるが、生活の質を上げ更には仕事に集中できる環境を作るというメリットがある。例にあるように50万円のベッドはぜひ試してみたい。いつになるか分からないが。

 本書からは離れるが、私が普段心がけている仕事術をいくつか紹介したい。著者のそれとは比べるべくもないが、少しでも誰かの役に立てればと思い恥をかくことにする。①即レスと、②自分から話しかけることと、③守りの部分についてだ。

①即レスはよく言われていることだと思う。即レスな分、内容は不十分だったりする。しかし返事が遅いと相手を待たせることにもなるし、自分自身も返事をしなければとずっと気になってしまう。それに、時間を置いたところで大した内容にはならない。ならばさくっと返信して、相手の質問に答えるようにした方がピントもずれなくて良いのではないだろうか。仕事において非常に重要な、判断力の向上や優先順位の付け方もよくなると思う。

②仕事をしていると、大抵は業務上の会話が発生する。私はそれだけではなく、プライベートな話やちょっとした冗談などを、自分から話しかけるようにしている。多少はぎこちなくても、相手に警戒心を解いてもらうためには効果的だと思う。そして、後でいいやではなく、すれ違った一瞬でも話しかけるようにしている。その人とじっくり会話をする時間は、二度と来ないかもしれないからだ。

③最低限のルールを守る、変なことをしない、ということを心がけている。何を言っているんだと思うかもしれないが、意外とこういうことができてなくて信用を得られない人もいる。何を隠そう、私も20代の頃は本当にくだらないミスを山のように繰り返してきた。遅刻をしない、言われたことはすぐにやる、簡単な内容に思えても1人で抱え込まず周りに相談しながら進める、などだ。できて当たり前レベルのことだが、コツコツと積み重ねるだけでも差が付くと思う。

 仕事が充実すると、自己肯定感も高まるし、徐々に収入も増えて暮らしも楽になったりする。あなたに役立つスキルが、最低でも一つはあるはずだ。仕事をもう少し充実させたい方はぜひ読んで頂きたい。

 

 

【書評】メタバースから学ぶ現代の組織作り『世界2.0〜メタバースの歩き方と創り方〜』

「そうかメタ(高次元の)とはこういう意味か!」コレが自分がこの本を読み進めていく過程において感じた感想でした。

そしてそのあとに続く感想は「これは全てのコミュニティにおける組織作りに応用出来る!」でした。

自分が初めて佐藤 航陽氏の著書に興味を持ったのは『お金2.0』でした。そこから佐藤氏の頭の良さと先見性を感じ、また自分の中にも未来に対する“ワクワク”という感情を感じる事が出来ました。

そしてこの『世界2.0』という本が発売になると聞いた時に、どうしても読みたくて発売と同時に購入させて頂きました。

この本は一見「新しい世界の創り方」と謳っていますが、実はこんな人にオススメです。

・会社の経営者
・政治家
・仕事のプロジェクトリーダー
・中間管理職
・これから起業を考えている人
・村長
・学校の先生
・部活動の部長
・あらゆるコミュニティにおけるリーダー的な立場にいる人、および将来なろうとしてる人
にぜひ読んでもらいたいです。

この本の前半部分では「仮想空間」のこれまでについて解説されていますが、中盤から後半にかけては、新しい仮想空間。すなわち新しい「地球」についての展望を話されています。

これは1999年に公開された映画『マトリックス』の世界へと繋がる、まさに驚くべき内容でした。

自分が20年以上前に観た映画の内容が、今こうしてメタバースという概念をもとに考えると、自分の中でめちゃくちゃ納得感を感じられました。

そして20年以上も前から、こんな世界を考えている人がいた事に驚きました。

そこから今まさに新しい世界「仮想現実世界」が新たに広がっていくのです。

その根拠となる物が、自然界における生態系の成り立ちです。

自分達が住む地球上の生態系は、神様のような、誰か1人の意思によって動いているわけでは有りません。

地球に生息する、ありとあらゆる生物、自然環境が、それぞれ独自の活動を行なっており、それが例えば食物連鎖のように、上手に絡み合って共存しています。

そして仮に、この地球上で活動している、莫大なありとあらゆる事象データを、AIが読み込み、蓄積を重ねて巨大なビッグデータとして学習を行う事が出来るのなら、この地球と全く同じ世界を「仮想空間」の中に作り上げる事が出来ます。

これこそまさにメタバースの本質であり神の民主化と言えるのだと思います。

ここがこの本の醍醐味であり、未来に対して、とてもワクワクする感情を抱かせてくれる所でもあります。

ですが、自分がこの本を通して学んだ事は「ここから現代でも応用出来る事があるのではないか?」という事でした。

すなわち、生態系というのは、1人の神の意志によって活動が行われている訳では無いという事。

これは自分が経営者として、小さいながらも組織を作る立場にある人間からすれば、まさに目から鱗でした。

今までは、上に立つ1人の人間が、強い影響力を持って、トップダウンで下に指示を与え続けなければならないと思っていました。

ですが、本当に強い組織というのは【その組織の中で活動している1人1人が、自分の役割を認識して、自らの意思で活動を行っている】という事です。
これは自然界における生態系の特徴
〈自律的〉で〈有機的〉で〈分散的〉
を著しています。(本編 158ページ)

つまり組織のリーダーの役割というのは、あくまでも「その組織の理念を根気よく伝え続ける事」であると感じました。

大変勉強になる一冊です。

ぜひあなたも!

 

 

【書評】メタバースから学ぶ現代の組織作り『世界2.0〜メタバースの歩き方と創り方〜』

「そうかメタ(高次元の)とはこういう意味か!」コレが自分がこの本を読み進めていく過程において感じた感想でした。

そしてそのあとに続く感想は「これは全てのコミュニティにおける組織作りに応用出来る!」でした。

自分が初めて佐藤 航陽氏の著書に興味を持ったのは『お金2.0』でした。そこから佐藤氏の頭の良さと先見性を感じ、また自分の中にも未来に対する“ワクワク”という感情を感じる事が出来ました。

そしてこの『世界2.0』という本が発売になると聞いた時に、どうしても読みたくて発売と同時に購入させて頂きました。

この本は一見「新しい世界の創り方」と謳っていますが、実はこんな人にオススメです。

・会社の経営者
・政治家
・仕事のプロジェクトリーダー
・中間管理職
・これから起業を考えている人
・村長
・学校の先生
・部活動の部長
・あらゆるコミュニティにおけるリーダー的な立場にいる人、および将来なろうとしてる人
にぜひ読んでもらいたいです。

この本の前半部分では「仮想空間」のこれまでについて解説されていますが、中盤から後半にかけては、新しい仮想空間。すなわち新しい「地球」についての展望を話されています。

これは1999年に公開された映画『マトリックス』の世界へと繋がる、まさに驚くべき内容でした。

自分が20年以上前に観た映画の内容が、今こうしてメタバースという概念をもとに考えると、自分の中でめちゃくちゃ納得感を感じられました。

そして20年以上も前から、こんな世界を考えている人がいた事に驚きました。

そこから今まさに新しい世界「仮想現実世界」が新たに広がっていくのです。

その根拠となる物が、自然界における生態系の成り立ちです。

自分達が住む地球上の生態系は、神様のような、誰か1人の意思によって動いているわけでは有りません。

地球に生息する、ありとあらゆる生物、自然環境が、それぞれ独自の活動を行なっており、それが例えば食物連鎖のように、上手に絡み合って共存しています。

そして仮に、この地球上で活動している、莫大なありとあらゆる事象データを、AIが読み込み、蓄積を重ねて巨大なビッグデータとして学習を行う事が出来るのなら、この地球と全く同じ世界を「仮想空間」の中に作り上げる事が出来ます。

これこそまさにメタバースの本質であり神の民主化と言えるのだと思います。

ここがこの本の醍醐味であり、未来に対して、とてもワクワクする感情を抱かせてくれる所でもあります。

ですが、自分がこの本を通して学んだ事は「ここから現代でも応用出来る事があるのではないか?」という事でした。

すなわち、生態系というのは、1人の神の意志によって活動が行われている訳では無いという事。

これは自分が経営者として、小さいながらも組織を作る立場にある人間からすれば、まさに目から鱗でした。

今までは、上に立つ1人の人間が、強い影響力を持って、トップダウンで下に指示を与え続けなければならないと思っていました。

ですが、本当に強い組織というのは【その組織の中で活動している1人1人が、自分の役割を認識して、自らの意思で活動を行っている】という事です。
これは自然界における生態系の特徴
〈自律的〉で〈有機的〉で〈分散的〉
を著しています。(本編 158ページ)

つまり組織のリーダーの役割というのは、あくまでも「その組織の理念を根気よく伝え続ける事」であると感じました。

大変勉強になる一冊です。

ぜひあなたも!

 

 

【書評】今日からこれで防災だ!『緊急事態宣言対応 最善最強の防災ガイドブック』


 なぜ、私が本書を読むきっかけとなったのは、何か防災について
知ってみたいなーと感じたからですと感じたか
本書はどういう本かというと、忘れた頃にやってくる巨大大噴火や感染症
パンデミック、どこで生じてもおかしくない大地震のような世界有数の
自然災害大国に暮らす私たち日本人が防災多作をライフスタイルにすることを
教えることで、一人でも多くの方の命が守られる事を念頭に置いた本です。
本書を読んでこれ面白いなーと思ったことは三つあります。
 一つ目は日本全体に致命的な打撃を与えることを再確認したことです。
具体的に3つ選んで紹介します。
電力の被災で言うと「被災直後で、最大約2710万件が停電し、
東海3県の約九割、近畿3府県の約9割、三洋3県の約3~7割、四国の約9割
九州2県で停電すると想定される」と叙述され、
物資で言うと「食料の不足量は、発災後3日間の合計が最大で約3200万食
と想定される。飲食水の不足量は、発災後3日間の合計が最大で約4800リットル
と推定される。毛布の不足数は最大で520万枚と推定される」とまた書かれ、
最後に医療機能で言うと「重傷者、医療機関で結果的に亡くなる者及び
被災した医療機関からの転院患者を入院需要、軽症者を外来需要とした場合、
被災都道府県で対応が難しくなる患者数は最大で入院が約15万人、外来が約14万人
と推定される」と記してあります。
このことから実際に何も対策をせずに災害に被ってしまうともっと苦しい避難生活に
なってしまうことを再確認しました。
 二つ目は避難生活が思っていたよりも過酷であるということです。
具体的に3つ挙げてみます。一つは避難生活環境は「隣の人との敷居もなく、プライバシー
はゼロといえます。睡眠をとるのも難しく、病気にもなりやすくなります。」とあるように
休むことが難しいことです。二つは避難所で犯罪行為が「避難所でのお金、水、食料品の盗難
は日常茶飯事です。ストレスが溜まるのか、利用者同士の暴行事件が起こることがあります。
非常時なので運営は住民がおこなっていますが、不満があるとケンカ騒ぎになることもあります。」
のように、避難所は無法地帯であることに驚きました。三つは在宅避難の方がストレスなく
過ごせることです。私はニュースでよく被災者の自宅が災害によって被災することで、自宅には
住めないということを見ていたので意外でした。本書によると在宅避難であれば、過酷な環境での
共同生活を強いられることがないので、ストレスは少なくなります。ライフライン、食料品、トイレなどの
備えがあればむしろ快適な避難生活が送れるでしょう。」で、意外だと感じました。この三つのことから、可能
であれば在宅避難を考えるのを肝に銘じておこうかと思いました。
 三つ目は当然のことですが、非常用持ち出し袋や寝室に置いておくポーチに入れておくべきものリストを買うには
結構入念に準備しておく必要があったことです。私の中で忘れそうなものを3つ紹介します。
一つは寝室に置いておくポーチに入れるもので小型の懐中電灯が意識しないと忘れそうだと思いました。
小型の懐中電灯は普段使わないからです。二つは応急手当セットです。これもまた、普段私たちが怪我をしたら
救急車を呼ぶので応急セットなんて無縁だからです。三つは望遠フードです。またまたこれも私が防煙フード
と言う言葉を聞いた時え、「何それ?」とすぐに感じました。だからこそ意識して入念に準備しておく必要があるな
と感じました。 
 この本の出版社さんは「コスミック出版」さんです。この出版社さんはパズル、釣り、スポーツ、芸能関連の趣味雑誌や
時代小説、官能小説、ボーイズラブティーンズラブといった娯楽小説を出版している出版者です。
この本は私のような防災知らないけど、災害怖いと思っている人におすすめです。
最後に、この本を通して災害に対して恐怖感が持てたでしょうか?という疑問を私たちに残して締めくくります。

 

 

【書評】読むのが寝る前の楽しみでした。『スイート・ホーム』

 

とあるお菓子屋さんを中心にした短編集。そのお店の名前は「スイート・ホーム」。原田マハさんが描く、甘くて温かい物語です。

舞台は兵庫県宝塚市宝塚歌劇団が有名ですね。大阪と近くて交通の便もいい住宅地ですが、六甲山の自然がほど良く街に溶けこみ、のんびりした雰囲気で包まれています。僕も近くに住んでた頃は、天気の良い日によく散歩したものです。

そんな宝塚に魅せられて暮らし始めた登場人物たちは、なぜかスイートホームに吸い寄せられていきます。有名デパートのお店のような華やかさではないけれど、素朴な味が住民を虜にしているのでしょう。嬉しいことがあったとき、行けば誰かに会って喜びを共有できるし、辛いことがあったときも美味しいお菓子がなぐさめてくれる。そんな登場人物たちの、スイートホームにまつわるエピソードが読者の心を和ませてくれます。

誰しも自分のお気に入りのお店って、あるんじゃないでしょうか。料理が好きなだけではなく、店内の音楽とか匂いが好みだったり。ひとりで楽しむのもいいし、そこで出会った人と仲良くなるなんてのも素敵ですよね。そういったお店で過ごす時間を、これからもずっと大切にしていきたいと思えた作品でした。

原田マハさんの言葉づかいは柔らかく、忙しい日々で緊張した心を解いてくれます。どうぞ肩肘張らずに読んでみてください。熱いコーヒーと甘いお菓子と一緒に。