HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】論理的に考えた上で 『現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート』

 

 「ミネラルウォーターボルビックの年間消費量はどれくらいですか?」

 えっ!?分かるわけねーよ!と、思ったあなた!安心して下さい。こちらの本を読むと正解はしなくても、そこまで行く道筋の考え方が学べる。本書を読めばロジカルシンキング、または仮説思考といったのが鍛える事ができる。

 フェルミ推定という言葉はご存知ですか?フェルミ推定とは日本全国の牛の数など、直感では見当のつかない数量を今の知識だけで、合理的な仮定とロジックを駆使して短時間で概算する方法。欧米の学校では理科系の教材に使用されたり、日本でも一般のビジネスパーソン向けの教育ツールとして利用されるようになってきている。

 本書ではフェルミ推定問題を1000以上解いた東大生が6つのパターンと5つのステップにより、解き方をレクチャーしてくれる。冒頭20ページちょっとでわかりやすく解説してあり、その後例題として15問用意されている。その15問は一問ずつ丁寧に解き方が書かれていて、読んでいくうちに少しずつ理解できる流れになっている。実際にやってみると初めは何となく理解はしたが、上手く出来ない、繰り返しやっていくと少しずつだが解けるようになってくる。まさに題名にも書いてあるように鍛える事になっていく。

 フェルミ推定をやっている時に思った事がある。論理的に考える重要性はわかった、そしてこの論理的に考えた上で「何をやるかが大事なのか」とも思った。昨今ディープラーニングなどによりAIの発展が目まぐるしい。こういう論理的な思考はAIには勝てない。じゃあ人間が勝てるものは何だろう?発想力や物事に価値を見出す事、創作をするアーティスト的な考え方だと、個人的には思う。しかし、こういう創作作業もベースにはロジカルシンキングが必要だと思うので、ぜひ一読をお勧めする。

 

 

【書評】茶の湯を通して 『千利休〜日本人のこころの言葉〜』

 

 千利休は自ら言葉を綴る事をほとんどしなかった。利休の茶の湯そのものが思想であり、生き方であり、メッセージだったからかもしれない。まさに日本人の心の有り様を示していたと思う。オリンピック開催前に話題になり、利休も大事にしていた「おもてなし」。しかし、おもてなしを本当の意味で理解しているだろうか?

 利休のおもてなしは「水を運び、薪をとり、湯をわかし、茶をたてて、仏にそなえ、人にもほどこし、吾も飲む。」特に奇を衒う事はなく、至ってシンプルだ。ここでポイントなのが、最後の吾も飲むというところだ。おもてなしというと相手に施す「利他」のイメージが強いが、実は自らもご利益を頂く「自利」がなければ、おもてなしにはならないとの事。互いに豊かになる事が本当のおもてなし、そこまで理解してる日本人は何人いるだろうか。

 最後、千利休は自害して茶の湯で伝えたい事が最終的には何だったか、今となっては知る由もない。しかし、個人的には茶の湯を通して己の感受性を豊かにする、そんな風に感じる。感受性が豊かになれば物事に対して様々な捉え方が出来、深く知る事が出来る。そして、どんな環境であれ、人生を豊かにすることが出来る。いつの時代もそういう生き方が出来れば幸せだ。

 

 

【書評】読みたい本に出会えるマッチングアプリ? 『THE BOOKS〜365人の本屋さんがどうしても届けたい「この一冊」』

 

「これだけは、どうしても届けたい」

 書店へ取次店を介さずに直接商品を卸す、いわゆる直取引で営業されてるミシマ社。こちらの代表三島氏が日頃お世話になっている本屋さんに、上記のようなお願いをした。1年間毎日違う本を読めるように365人の本屋に。

 365人分のしかも、本のプロが選び抜いた珠玉の書籍が紹介されている。自分1人では到底手にする事はなかった本に出会えるのだ。また、それぞれ365人の独自の目線で紹介文が書いてあるので本書を読むだけでも、見識が広がるであろう。しかし、読んでいるとどうしてもその本が読みたくなる。そうさせる熱い気持ちがこもった紹介文。

 本書を読んでいて、絵本が意外と多い事に気が付いた。特に子供向けに紹介してるわけでない。それだけ、大人が読んでも心に響くということであろう。逆に言うと子供に響く、文章と絵というのは難しいのかもしれない。作者は大人であろうから、子供の感覚をしっかりと掴んで表現しなくては絵本にならないであろうから。うーん、絵本の奥深さを感じた。

 

 

【書評】より良い未来の為に 『ゲノム解析は「私」の世界をどう変えるのか〜生命科学のテクノロジーによって生まれうる未来〜』

 

 ゲノム解析のテクノロジーが発展すれば、今後みんなが自分の体の情報をリアルタイムで知る事ができ、健康増進に繋がる。そして、不幸な死を迎える人が少なくなり、いい未来に繋がると思う。さらに面白いと思ったのは、体質や疾患発症のリスクが知れるのは当然だが、モテ期を解明することも出来るかも知れないとのこと。(これでモテ期無かったらショックですけど。)

 しかし、これだけ素晴らしいテクノロジーがあるのにも関わらず、まだ私達の生活に多くの事が関与してないのは社会の合意がなかなか得られないからだ。しかもゲノム解析生命科学という分野で倫理的な問題もあるので、さらに時間がかかる。スマホを見ればわかるが、テクノロジーは加速度的に発展しているが、社会の合意は遅く、さらなるギャップが生まれてしまう。そして、このギャップを埋める事が今後のいい未来を築く鍵になると著者である高橋氏は訴えている。

 最終章ではこのギャップを埋める考え方についてまとめてある。紹介されている考え方の一つでテクノロジーの流れは誰でも理解できるというのがある。日々情報を集めて流れる方向を見て、その先を見据えて考える事が大事である。となると、義務教育の現場でどんどん最新テクノロジーに触れる機会を作らないと将来的にギャップはなかなか埋まらないかなと思う。

 この本が発行されたのは2017年で私は2021年に読んでいる。まさにギャップということで言えば今回の新型コロナウイルスワクチンだと思った。世界的にワクチンの有効性を発信してギャップを埋めた事で押さえ込みに繋がったと個人的には思う。なので、人々がより幸せに暮らすために、少しでも最新のテクノロジーを迎合する社会になればいいと思う。なぜならテクノロジーは本来、人を幸せにするものだから。

【書評】今こそこの資格で働き方を考える『「キャリアコンサルタント」で自立する方法 国も推奨!今、最も注目の国家資格』

資格取得に関連する本の多くは、国家取得が最短で取得できるなどの取得をする手段の為の参考書が目立つ。著書は、取得する手段だけではなく「キャリアコンサルタント」の魅力について著者の実体験も交えて解説している。特に、資格者を2020年2月末時点より2倍の資格者を目標に掲げており国家をあげて推進していること。近年の終身雇用制度が崩壊し、人生100年時代、少子高齢化やIT化など様々な要因により、働き手自ら働き方を考えなければならなくなったため、コンサルティング及びカウンセリングが求められている事がわかりやすく、取得する前から仕事のイメージができる。

次に、資格を取得すれば稼げますよと謳っておらず、むしろ資格取得をして何をしたいか、日々の自己研鑽の重要性を説いている。その中でも、現役キャリアコンサルティングの4人の事例では、実際の資格の活用や活躍の現場の様子を紹介しており資格取得後の自分自身のキャリア形成にも参考になる一冊になるのではないかと思う。

著者は、自身の転職を機に「キャリアコンサルタント」という資格と出会いいかにして「キャリアコンサルタント」として成功したか。「キャリアコンサルタント」という仕事が企業で働く人のキャリアプランを実現するための支援者であるとも話している。

私自身、何度か転職の経験がある。その都度迷い考えていた。振り返ってみると、相談できるといっても家族程度。働ければなんでもいいわけでもなく、給料がいくらでもいいわけでもない。だが、自分には何ができて何がしたいかもわからないまま転職をしてきた様な気がする。この様な経験は、私だけでは決してないと思う。だからこそ、キャリアについての相談ができる「キャリアコンサルタント」が広く認知されればより多くの人が納得のいく仕事に出会えるのかもしれない。

現在、労働環境が大きく変わっている。会社員も、これまでのように会社からの指示や命令に従って働くのではなく、個人が自律的、主体的に働き、会社の生産性を向上させて、いかに社会貢献していくかがが重要だ。「キャリアコンサルタント」に興味がある人、又はこれまでの自分の働き方に疑問を感じている人全ての人に一度読んでもらいたい一冊。

 

bookrev.horiemon.com

 

【書評】自分とは?個性とは?『「自分」の壁』

 自分というものを掘り下げてみると実はあまり深くなく、どちらかと言えば周りの事がよく見えてくる、読んだ後、私はそう感じた。一見矛盾しているように感じるが、この本を読むと「なるほどなぁ」と腑に落ちてくる。自分が生かされているんだなぁと、しみじみ思う。

 本の構成としては始めは自分の事についてフォーカスしているが、エネルギー問題や政治の話、情報社会など周りのことに広がってくる。そして、最後はまた自分の事について戻ってくる。最後の章では原点に戻ったけど、新しい視点を持って話を進めているように感じた。

 特に印象に残っているのが伝統芸能の師弟の話だ。入門した弟子は、まず徹底的に師匠の真似をさせられる。それを10年、20年と続けていくと師匠と全く同じように出来ないことに気がついてくる。どこかがどうしても違ってくる。その違いこそが師匠の個性であり、また弟子の個性でもある。徹底的に真似をする事で個性は生まれてくる。しかし前提条件として師匠がきちんと基礎を学んでいる事である。でたらめな人であったら、どうしようもない。

 この師弟の話を読んだ時に志村けんさんの言葉を思い出した。「非常識なことをするためには、まず常識を知らなきゃいけないんだよ。」

 

 

【書評】存在とは?『超悟り入門〜いつまで悟りにこだわっているのですか?〜』

 

「この世の存在はすべて情報次第でいくらでも変わってしまう」

 この書籍の中で特に心に残った言葉だ。例えば、今日別れたカップルがいます。前日までは彼女だった女性が今日別れた瞬間、元彼女という存在になる。他の例として中国の故事でこんな話がある。秦の高官だった趙高は皇帝に「珍しい馬がいました」と言って鹿を連れてきた。皇帝が疑問を投げかけるが、趙高は馬だと言い張る。挙げ句の果てに趙高は周りにいた趙高を恐れる諸侯に鹿を馬だと同意を求めるように圧力をかけた。馬鹿の語源と言われる逸話である。趙高の権勢が長く続いたら、鹿は本当に馬になっていたかもしれない。

 このように相対的な関係性により、存在というものはいくらでもかわる。あやふやなものでまるで幻のようである。著者である苫米地氏のいう悟りは「この世は幻である」と理解すること、と諭している。そして、悟りはスタートであり、悟った後にどう生きるか、が大事であると。この先は釈迦の悟りの話や人間関係に疲れた方に少しでも参考になるような考え方なんかも書いてある。

 私自身書いてある事すべてに共感はしないが、心に響いた言葉はいくつかある。題名からして読む人を選びそうだが、生きる上で大切な考え方であると感じた。自分自身を見つめ直す機会として、読むのも面白いかもしれない。

 

 

【書評】女と男は陰と陽『「最初の男」になりたがる男、「最後の女」になりたがる女〜夜の世界で学ぶ男と女の新・心理大全〜』


 
 「男の浮気は副業、女の浮気は転職活動?」。帯のキャッチコピーでつい購入してしまった。著者である関口 美奈子さんは元銀座No. 1ホステスで今は結婚相談所を経営している。元銀座No. 1ということなので、元々コミュニーケーションの達人かと思いきやアルバイトで「いらっしゃいませ」が言えずクビになるという超・陰キャだった。そんな自分を変えるためにお水の世界に飛び込んだ。最初はなかなか上手くいかないが、凄い勉強熱心で心理学など様々な本を読み実践して、気が付けば銀座No. 1に。そのノウハウが詰まってるが、とても読みやすい内容だ。早い方と1時間もあれば読破できるので、サクッと読むのに丁度いい。

 具体的な内容としては様々な状況に対して男女の考え方の違いが書かれている。例えば、LINEについて。男にとっては業務連絡、女にとっては会話。そしてこの考え方の違いを少しでも埋めるように対策も書かれている。

 現在、片思いの男女で振り向かせるにはどうしたらいいかわからない方、また異性間のコミュニケーションが苦手な方、本書を読めば少しでも参考になるかもしれない。

 最後に私自身読んでみた感想としては女と男は陰陽関係に似ている。相手がいなければ自分もいない。時には相手を抑え、時には相手と協調して関係性を維持する。そしていつも変化はしているが、バランスを取っている。上手くやってる夫婦はこんな感じだろうか。

 

 

【書評】不思議な皮膚感覚の世界『触れることの科学〜なぜ感じるのか どう感じるのか〜』

 

私はマッサージ師なので仕事柄、人の身体を触る機会が多い。しかし触れる事に関して感覚的には考えてきたが、科学的にはあまり考えてこなかったと痛感させられた一冊。著者であるデイヴィッド・J・リンデン氏が神経科学者であり専門的な部分も多いが、医療関係者でなくても理解しやすい内容である。セラピストならお客さんに話せるトリビアなんかも載っている。今回はそのトリビアの一例を取り上げたい。

「鳥が平気でトウガラシを食べるわけ」
哺乳類はトウガラシを食べた時、カプサイシンと熱の両方に反応するが(辛い物を食べたときにホットと比喩するのはこのため)、鳥類はカプサイシンを感じる事がない。だからバードウォッチャーは鳥の餌にトウガラシを振りかける事でリスやアライグマなどの哺乳類に盗み食いされないようにしている。

なぜこのようになったのか?それは進化の過程でその方がお互い都合がよいからだ。哺乳類は種を食べる時、臼歯ですりつぶしてしまいがちだが、鳥には臼歯がなく種子の大半はそのまま消化器官を通り抜ける。結果的に何が起こるか?鳥が糞をする事で種子を播くのである。という事はトウガラシにとって今までとは違う場所に発芽する可能性がある。よってお互いが生き延びやすくする為にこのように進化したようだ。

他にも、指は小さいほど鋭敏、気持ち良いと感じるメカニズム、心の痛みは本当に痛むなど「感じる」ことに関して興味深い内容が詰まった一冊である。少しでもご興味があれば一読をお勧めする。

 

 

【書評】スーパーで買う20%引きは資産を築く錬金術『からだにいいこと〜まるで副業!リスクゼロで貯まる買い物戦略〜』

 

本誌は、睡眠、代謝、食事、料理、筋肉、腸、ホルモンなど心や体の健康に関するコンテンツが盛り沢山。そんな中でも一際目につくのがお金の学び。一見、健康とは関係ないように思われるかもしれないが、精神的なストレスを解放することは健康には欠かせない大事なこと。本書評では「まるで副業!リスクゼロで貯まる買い物戦略」について注目する。

誰にでも簡単にできるポイントの貯め方、バーコード支払いやクレジットカードを利用しゲーム感覚で特典を得る方法等、副業並みにお金を増やす買い物戦略の4カ条を伝える個人投資家の生方正氏。実は投資を始めるまではスーパーで見切り品を買うのが、何だか貧乏くさいようでイヤだったそうだ。

しかし、投資を始めたことによりそれは資産を築く錬金術だと感じたそうだ。なぜなら、株式投資で20%の利益を出すには日々データを分析する労力が必要だが、努力せずにお店で商品が20%引きで買えるということは、それだけで資産を残す最善の方法だという。

評者も頻繁にスーパーに行く機会があるが、自分が買いたいと思っていたものが偶然にも割り引きになっていたら素直にラッキーと思ってしまう。もちろん、割り引きにあわせてまで自分の購入の選択を変えることまではないが、まさかそれが錬金術だとは、お金についてはまだまだ学ぶことが多そうだ。

お金についてさらに詳しく学びたい人には

『〜「金持ち脳」になって自由な人生を手に入れる〜攻めの節約』
https://bookrev.horiemon.com/entry/2021/11/25/220000