HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】HIUの"BEST"が知れる!『SALON DESIGN vol.10』

 

本誌はHIUメンバーだけで構成されたHIU公式ガイドである。新企画「Our BEST」に始まり、『SALON DESIGN』編集長の吉田陸仁さんに直撃インタビューや食のスペシャリスト達による特集など、盛り沢山だ!

今回、『SALON DESIGN』第10号の特別企画として「Our BEST」編集部のメンバーが日頃から"BEST"だと思うイチオシが紹介されている。ハードダーツやテキーラの魅力、Nizi projectから誕生した「NiziU」や「モーニング娘。」などがあげられた。

ふと、私の"BEST"を考えてみた。辛い時にきまって観るアニメがある、さくらももこ作者の『コジコジ』だ。コジコジの台詞に「飛べない時はゆっくり休めばいいじゃん。仕方ないよ、飛べないんだからさ」という言葉がある。この言葉に私は度々、励まされる。コジコジは私の"BEST"だ。

今回は「Our BEST」に着目したが、『SALON DESIGN vol.10』の表紙を飾った、そそう丸の特集も素敵だ。そんな本誌はワンコインで買えてしまう!少しでも興味を持ったら手に取って欲しい一冊である。

horiemon.thebase.in

【書評】HIUの歴史 2018後編『SALON DESIGN No.05』

 

最近SALON DESGNの10号が発売した。編集に関わり始めたので、過去の号を読んでみることにした。No.05は2019年1月発行、およそ2年半前の雑誌である。

まず表紙で飛び込んでくるのは「カメラを止めるな」の上田慎一郎監督だ。ヒットしたのが2018年だから、取材したのはまさに人気絶頂の頃であろう。そんな方に素人が取材に行けるのもHIUならではの特典だ。ちなみに私は知らなかったが、「カメ止め」はENBUゼミナールという監督俳優養成スクールのワークショップで生まれた作品で、当初は6日間のお披露目上映で終わる予定だったらしい。まさしくシンデレラストーリーだ。

この号では2018年10月のゼロ校開校の記事も出ている。生徒のインタビューが掲載されているのだが、やはり0期生だけあって面白い生徒ばかりだ。月並みな感想だが、自分が高校生だった頃の社会経験と比べると雲泥の差で驚くほど成長している。この間もイベントで高校生の子と会ったが、彼らの成長が楽しみでしかない。自分もおっさんだなぁと思う。

読んでほしいのは、まずHIUに入ったばかりの人。HIUがどんなところなのか、これまでどんなことが行われてきたのか知るには良いだろう。また、ゼロ高生が読んでみても面白いかもしれない。自分達の先輩がどんな人なのか、なかなか知る機会もないと思う。ゼロ高に入りたい子は、保護者に読ませて入校の説得材料に使うのもアリだ。

というわけで、HIUの歴史を知りたい人は是非。

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【書評】既得権益にしがみつく輩は誰だ!『日本を亡ぼす岩盤規制』

 

“「岩盤規制」とは、言ってみれば「おバカな校則」みたいなものだ”と筆者である経済評論家の上念 司氏は言う。
確かに世の中には校則だけでなく規制やルール、はたまた常識までも理不尽で非合理な規制ものがなんと多いことか。
これは日本だけに限った話ではなく、北朝鮮ベラルーシなどの独裁国家に、ファクトに基づかないステレオタイプの韓国、民族や性別だけで人権を弾圧する中共タリバンをはじめ、世界中に理不尽なルールや規制がある。
世界には数えきれない規制があるが、日本にも数多くの岩盤規制と既得権益にしがみつく輩はたくさんいる。

日本の国力を削ぐような岩盤規制を思考停止で忠実に守るだけの輩、既得権者の正体を暴かない世間一般ではマスゴミと呼ばれている輩など、しがみついている既得権者の正体を暴く本書。

それらの岩盤規制に立ち向かっているのは、野党でも官僚でも与党でもなく、政府と一部の野党だけかもしれない。

本書で切り込む岩盤規制は、日本を衰退に追い込む省庁や某公共放送、遅れたビジネスモデルを突き進む業界、費用激増と補助金の謎、印象操作を続ける大新聞社など8つ。

全て肯定、一部肯定、全否定、色々な意見や印象を抱くかもしれないが、一度読んでみて、それぞれの岩盤規制について深掘りして考えていただきたい、いや考えたくなる一冊である。  

 

 

【書評】ショックなことがあったら、「だからよかった」と口にしてみよう。『心の知能指数を高める習慣』

 

この本で一貫して言っているのは、EQを高めることで良いことあるぜ。生き方すら楽になるぜ。だから、身に付けた方が良いぜ。
これだ。
ほいで? そのEQって何よ? そう。そう思うのが当然ですわね。
それは、心の知能指数と呼ばれるEmotional Intelligence Quotient なんだそうだ。
EQとは、自分自身と他者を理解しながら、自分の感情をコントロールすることで最適な行動を取ることができる力を指すのだ。
皆さん良くご存知の、頭の知能指数、Intelligence Quotient、略してIQよりも大きな影響力を有すると著者は言うのである。
でも、これだけ聞いただけでは、「それってなんだんねん」ってところだろう。却ってそうこなくっちゃ本書の存在意義も無いってこと。

知能(IQ)とは、明確な答えがある問いに対して、素早く適切な答えを導く能力。
一方で、知性とは、明確な答えがない問いに対して、その答えを探求する能力。
そう著者は定義し、その上で知性を発達させるにはどうするかを問う。
そして、その為に大切な要素こそがEQなのだと解を与える。EQがIQに加わることで、知識は知性へと昇華していくのだと。

で? とまた疑問に思う。知性を得たらどうなるの?
EQは、感情と思考を自己コントロールできる状態を生む。それはつまり、自己と他者との関係性を高めることへと繋がる力となる。
1990年にEQの概念と理論を発表したイエール大学のピーター・サロベイ博士とニューハンプシャー大学のジョン・メイヤー博士は、「ビジネスでの成功には、学歴などに起因する能力(IQ)は20%、80%は対人間関係能力(EQ)による」と明言している。
そして、そのEQは後天的に高めることができるのだから安心して、と著者は言を続ける。

と言う訳で、そのEQを我と我が身に宿す方法について、本書ではSTEP1からSTEP4までに分けて詳述する。
簡単に言えば、いかにしてまず己を知るか。
次には、感情というじゃじゃ馬の様なパワーソースを乗りこなすにはどうすりゃ良いの? だ。
そのまた次には、どうやって相手をおもんぱかってやれる様になるか。
簡単に言えばとか言っても、全然簡単ではない。

まず、自分自身がどういう感情に基づいて、どんな価値判断基準で生きているのか、それを知ることだ。そして、それは生半可なことではない。
私自身、或る特別な環境に身を置いた為に、一種のスクリーニング効果を得て、自分が何を求め、どう生きたいのかを明確に知ることが出来たが、それだって四十歳を超えてからのことだった。
この本の中では、私の様な特別な環境に依らずとも、自分自身に向き合うことについて有用と思われる方途が記述されている。
それを知るだけでも、本書を読む価値は有るのではなかろうか。
いや、マジで。

何故ならば、あなたの感情は、あなたの価値観から生み出されているのだから。


心の知能指数を高める習慣
作者:三浦 将
発売日:2021年8月21日
メディア:単行本

 

 

好奇心は生まれつきなのか?『子どもは40000回質問する』

 

今年読んだ本のなかでフロー体験入門と本書は今のところベストセラーといえる。
上記に加えて『RANGE』という本も紹介したいが、それは次回にする。

世の中には面白いことが沢山ある“らしい”。
あなたは星座、宇宙、昆虫、植物、海洋、恐竜に興味はあるだろうか。
これらは学問として今日も日進月歩で探求されている分野である。
私の個人談になるが、桜見て綺麗だなと思う心も、道端のタンポポを見て優しくなることも今まで無かった。

しかし、セミの命ってどれくらいなんだろう?あの植物はなんていうんだろう?宇宙ってどうなっているんだろう?と真剣に研究した人たちがいるから学問に成っている。
疑問を持つ人がいなかったらセミは未確認生命体だったのだ。

この疑問を持てた人は“生まれつき”好奇心が強い人なのだろうか。
本書のテーマはそんな“好奇心”について十二分に書かれた良書である。

ホモサピエンスは命の危険があったとしても好奇心を頼りにアフリカ大陸を出発した。
アメトークでは「電化製品芸人」、「昭和プロレス芸人」、「大谷翔平芸人」など多くの企画にマニアがいる。私たちは理解できないが、芸人さんたちの異常なまでに熱く語っているところを見ると何だか楽しそうで羨ましくなる。

人生や生活は興味を持つことで、とてつもなく面白くなっていくのかもしれない。
無趣味で悩んでいる人がいればオススメする。
本書は人生を楽しくマニアックにする方法が科学的に書かれている。

 

 

【書評】あなたは映画をどうやって見てる?『物語の法則』

 

人流抑制の一助のために自宅で映画を見ることが増えたが全然集中できない。
興味があるジャンルでも途中で集中力が切れてスマホYouTubeを見てしまう。
文明の利器は映画を見ることを難しくしてしまったのかもしれない。

本書は人を惹きつける「強い物語」と「魅力的なキャラクター」を創るためのハリウッド式の創作術の本である。映画「美女と野獣」、「ライオン・キング」、「アイアンマン」、「8マイル」のクリエイターが関与して作られた理論書かつ技術書である。

1時間から2時間もの間、観客の五感を離さずに夢中にさせる映画にはどんな仕組みがあるのだろうか。一つ一つのシーンには一体どんな意味や役割があるのだろうか。

本書の51pは「顧客との契約」というテーマである。そこには「ストーリーとは物語の作者と顧客との契約である。顧客は物語の作者に対し、金銭やそれ以上に価値のある時間を与えることに同意する、つまり顧客は時間を与えることを意味する。」とある。脚本家は顧客に対して、何があっても90分集中して作品に注目してほしいと頼みこんでいるのだ。

そうすると私たちがすることはスマホの電源を切り映画を見ること以外は一切何もしないことを差し出すことで、初めて映画からメッセージを受け取る準備ができる。映画はあなたを楽しませるための秘策を多く取り入れている。良い映画とは、受け取るための準備が整っているときにやってくるのかもしれない。

制作者目線を理解することは映画鑑賞の幅を増やしていくだろう。

 

 

【書評】再生する会社とできない会社はどこが違うのか。『今さら聞けない中小企業経営のイロハを学ぶ やさしい経営改善の教科書』

 

著者は、これまで約20年間、事業再生に取り組んできたコンサルタント。これまで色々な再生事案に取り組む中で理解できたのは「利益を出すこと自体は難しくはない。しかし、真剣に取り組まないと実現できない」という、経営の本質であると言う。
赤字体質から脱却するためには、業界トップを目指せ!というのではなく、まず平均点の会社にしよう。それができないのは、言い訳をして、必要な取り組みをやっていないからに過ぎない、となかなか辛口のお言葉である。
しかし、掲げる数値目標は、売上高を2%上げる、原価を3%下げる、一般管理費を5%削減する、といった具合で決して高くはない。
「ハードルが高過ぎる!」と、むしろやる気を削ぐ様な目標よりも、それくらいならできそうでしょ? と、言い訳が利かない目標をクリアさせようという寸法だ。

万年赤字の会社は、企業として本来行なうべきことができていないために、赤字から脱けだせない、という状況にあると言う。
変革のための方法論としては、まず組織づくり。
組織図を作ることで組織構造と各自の責任を明確にする。
この解説の中で、ほう、そうか、と思わされたのは、責任者に求められる適性についての記述。
・やる気がある。
・素直である。
・コミュニケーション能力がある。
・数字が理解できる。
という四つ。
なるほど、メモメモ。

組織図の後は、要因分析。
収支計画を作り、資金繰り表を作り、予実管理を行なう。
予算と実績との乖離の理由を分析しないと、問題が見えなくなり、いつの間にか売上高が落ちてしまう結果が待っている。未達、超過、予算通りにはそれぞれ原因がある。売れているからそれでいいのではない。
そして、会議とは必ず意思決定をする場と認識することで、確実な行動を得るのだ。

上記以外にも、著者からの提言はなおも続くのだが、しかし、なんだね。当たり前にも思える様な事柄が、意外にもこんなにもちゃんとできていない、やっていないものかと多少驚いた。
事業についての分析を行なうということが、そんなに困難なこととは正直思ってもいなかった。
その会社が赤字会社にもかかわらず、だ。そりゃあ再生企業となって当然だろう。潰れてしまえば言い訳することも叶わない。

本書は、赤字体質の会社向けに書かれているが、むしろ好調故に分析を怠っている企業への警鐘ともなり得るのではないだろうか。
自身は言い訳をして逃げてはいないだろうか。そう自戒を求める経営者の方もどうぞご一読を。

今さら聞けない中小企業経営のイロハを学ぶ やさしい経営改善の教科書
作者:田中 孝樹
発売日:2021年9月21日
メディア:単行本

 

 

【書評】性愛にまつわる23人の体験談 『純猥談 一度寝ただけの女になりたくなかった』

 

誰もが純粋な恋愛ができるわけではない。時に人は過ちを犯してしまうもの。一般人である作者達が、各々の猥談をまるで純文学のように上品に書き上げ、読者の心にチクリと傷を残す1冊となっている。

飲み会の席でもこんな話はできない。それぞれ心の中に閉じ込めてきた猥談を、ここで打ち明ける。

この本に出てくる純猥談は、もはや他人事とは思えない。駄目だって分かってるのに、傷つくのは自分なのに、好きという気持ちが抑えられない主人公たちに、ドギマギしながらも共感し、切なくて心が痛めつけられる。

こんな失敗は二度としない。そう言いつつもまた失敗を重ねてしまう。そうやって男女は成長していくのだろうか。いつの日か、これは失敗ではなく、良い経験だったと笑える日が来るのかな。

夜に読んでいたら、過去の失敗を思い出して眠れなくなり、少しだけお酒の力を頼ってしまった。

 

 

【書評】同じ悩みの人を救いたい!『JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~』

 

主人公は小さな薬局を経営しているおっさん(53歳)。生まれてから53歳までずっとEDに悩まされている。しかし53歳になりなぜだか結婚できた美人との間に子供ができた。あれ?EDなのに。

人を疑うことがない主人公はとりあえず受け入れる。酒をたくさん飲んだし無意識の間にしていたんだろうということ。そんな時偶然手に入ったED薬(後のジャンボマックス)。ジャンボマックスを飲み主人公は初めて勃起を経験。しかしこの世に残るジャンボマックスは残り11錠。どうしても欲しい。

ここからが面白いのがこの物語、主人公は薬剤師だ。大学へ持ち込みカラムをかけ、分離、NMR成分を分析し自らほぼ同様のものを合成することに成功した。

しかし、最強、そして違法のED薬どんどんどんどん人生は悪い方向へ悪い方向へ行ってしまう。しかし、いいやつなおっさんは、世の中の同じ悩みを持つ人を救うべく純粋にせっせと製造をし続ける。いやー、つづきが楽しみー!

 

 

【新着記事】マネジメントは科学『駆け出しマネジャーの成長論』

 

世の中には様々なリーダーシップやマネジメントの書物があふれている。
読むと気持ち良くなれる自己啓発系、おれの成功体験というn数1系など、これらは抽象度が高く再現性が低いのが特徴である。

独自性のみが蔓延るマネジャー論に再現性の高いものは無いのか?と探している読者がいるのであれば本書をおすすめする。参考文献も記載されており信用できるデータに基づいているのが本書の特徴である。レッドオーシャンである精神論は取り扱っていないので安心してほしい。

本書はプレイヤーからマネジャーに昇進してぶつかるであろう壁を取り扱っている。
マネジャーの役割は何でしょうか?と問いを立てたときに「スタッフの管理」としか回答が用意できないのであればぜひ、本書をおすすめする。

マネジャーとは「他者を通じて物事を成し遂げる」ことが役割であり、自分で仕事をすることを棄却して、自分以外の人に仕事をさせることである。他者とは部下だけではなく、同僚や上司も含まれる。マネジメントする対象はあなたが思っている以上に広範囲なのだ。

初めて管理職を体験するのであればまず本書を手に取ってほしい。必ず現場に活かせる発見がある。