HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】競争に参加しない『ゴミ人間~日本中から笑われた夢がある~』

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互いの行動を監視し合い容赦なく叩く。正解で溢れた息苦しい現在の世界。この状況を描いたのが著者の作品『えんとつ町のプペル』だ。そこで語られる世界は、著者自身がかつて味わった環境であり現代社会の縮図だという。

著者は、テレビの世界で活躍しながらもそこに疑問を持ち、絵本作家へと転向する。それ自体、何も不思議なことではないが、世の中の人は黙っていなかった。その行動に反発し、著者は世の中の人々から殴られ続けることとなった。しかし、なぜ人々はそのような行動にいたったのかと疑問を持ち、理由を探るために人々に寄り添ってみると、意外にもその原因は自分にあったという。

えんとつ町のプペル』は2020年12月25日から公開されている映画だが、まずは絵本というかたちで登場した。著者はただ単に人々が求める売れるための商品をつくることには興味がなく、純粋に自分の作品を作ることにこだわり続けているそうだ。

『ゴミ人間』初めて本書を手にした際に、このタイトルにとても衝撃を受けた。本書では、なぜ著者が活躍していた世界を離れ、突如、絵本作家となったのか。また『えんとつ町のプペル』に込められた著者の思いが書かれている。映画を観る前に本書を読めば、より感動のストーリーを楽しむことができるのだ。

 

 

【書評】忘れるなよ。俺は気どっているんだ。『ハード・オン』

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作は矢作俊彦。画は平野仁が担当。クセはあるが魅力的な画風のマンガ家だ。
矢作氏が大好きな、日活無国籍アクション映画のムードたっぷりで、キザで感傷的なこの話の主人公はヤクザ。渡哲也がモデルであるのは間違いない。
舞台は横浜で始まるが、罠にはめられ逃亡し、始まって早々に舞台は海外へ移動する。
横浜を後にした主人公 志垣晧平は言う。
「女と国を失くして、あれだけせいせいしたんだ。手前まで失くなったらよほど爽快だろう」

やり直しを図るタイに於いて、或る組織に非道く個人的なモチーフから仲間に誘われ、ニューハーフで凄腕の謎の美少年Jと相棒を組み、CIA、KGB、中国の某組織らと渡り合いながら、麻薬を抱えてマレイ半島に向かう列車の旅につく。
それは4ビートな感傷的な理由からなのか、単なる気まぐれか。
そして、その旅を志垣晧平は強引な”自己流”で終わらせてしまう。

成り行きでシンガポールに舞台を変え、そこでようやく落ち着きを見せるが、「やはり野に置けヤクザ者」。酒場の主人 アイリーンを加えたJとのトリオには、トラブルは自ずと勝手にやってくるのだ。
そして、シンガポール編からレギュラーに加わった、敵だか味方だかハッキリとしない日本からの出向ヤクザ 平田は宍戸錠を彷彿とさせ、こいつも面白い男だ。

随所に気どったセリフが登場することもそうだが、舞台設定も極めて珍しい本作。これが実写だったらさぞかしキツイだろう。マンガだったからこそ成り立っていると思える独特の作品だ。
時期的には、以前の書評にも書いた『気分はもう戦争』と同じような頃の作品だったと思う。
かなり古い作品だが、見かけたら必読をオススメする。

「ゲーム・セット」
「ノー・サイドって言ってくれ」

 

【書評】この社会を構成するすべての人が、一種の幻想を共有している。『会計が動かす世界の歴史 なぜ「文字」より先に「簿記」が生まれたのか』

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面白い物語には必ず、魅力的な登場人物がいる。これは歴史の本にも言えることだ。しかし人間の寿命というのは驚くほど短く、歴史を貫いて登場させられる主人公がいないという問題がある。だから、本書の主人公は人類以外のものである。歴史上、長きにわたり人類に寄り添ってきたものであり、誰からも愛される魅力的な存在。「お金」である。

本書では、お金を通して有名な歴史人物たちの新たな一面を垣間見ることができる。また、先人たちの歩みを「損得」という視点で紐解くことで、マネーの本質を探ることができる。

例えば、レオナルド・ダ・ヴィンチは遠近法、明暗法、解剖学など、科学的な知識を総動員して大作「最後の晩餐」を仕上げた。遠近法には数学的な知識が欠かせない。そんな歴史的絵画の背後には、複式簿記の専門家がいた。世界最古の複式簿記の教科書「スムマ」を著したルカ・パチョーリである。

複式簿記とは、簿記において、すべての簿記的取引を、その二面性に着眼して記録していき、貸借平均の原理に基づいて組織的に記録、計算、整理する記帳法のことを言う。そんな簿記と会計は表裏一体の関係にあり、今も昔も商売において欠かせないものである。評者も最近少しだけ簿記の勉強をしていて、これを考えた人は天才だなあと常々思っていたので、この章は読んでいて非常におもしろかった。

そんな商売の世界を変えた天才、ルカ・パチョーリと、芸術の世界を変えた天才、レオナルド・ダ・ヴィンチが関係していたとは驚きである。彼らがいったいどんな会話を楽しんだのか。想像するだけでわくわくしてこないだろうか。

そして本書の最終章では、いよいよお金の本質が見えてくる。

1970年5月4日から約半年間、アイルランドではストライキのために銀行の業務が停止した。
経済が大混乱に陥るかと思いきや、人々は小切手で取引を決済して経済活動を続けた。銀行が再開されないかぎり、その小切手を現金化することはできないにもかかわらず、である。つまり、個人の信用のみで小切手経済が機能したということだ。

ここには、アイルランドでは街の至るところにパブがあり、地域コミュニティの基幹になっているというアイルランドの文化的背景が大きく関係していた。お互いの顔をよく知っているからこそ相手の信用力も分かり、小切手を安心して振り出せた。

たとえ裏付けになる貴金属がなくても、あるいは中央銀行がなくても、信用さえあれば貨幣経済は機能しうる。1970年のアイルランドの事例はその証左といえる。

そしてここに、お金の本質が見えてくるのである。
お金の本質は美しい貝殻でも金銀でも、国家の威光でもなく、「譲渡可能な信用」と言える。人が誰かに貸しを作るのは、相手にそれを返してもらえると信用しているからである。

お金のない世界では、他人への借りは、労役や食糧の形で本人に直接返さなければならない。しかしお金のある世界では違う。誰かに貸しを作ったら、報酬としてお金を受け取れる。そのお金を使って、別の誰かへの借りを返すことができる。他人への借りを、別の誰かへの貸しで返すことができるという約束。それがお金なのだ。

本書は、表紙のイメージとは裏腹に、雑学が多めでとても読みやすい内容となっている。だから会計の知識が不足しがちな評者でも読みやすかった。あらゆる視点から眺めることで、歴史というのはより一層理解が深まる。お金の視点からの歴史を、気軽に覗いてみたい方におすすめである。

 

 

【書評】とうとう神の雫が見つかった。『マリアージュ~神の雫 最終章~』

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2004年から始まった『神の雫』が44巻、2015年からの本作『マリアージュ~神の雫 最終章~』が26巻。16年かけ一本のワインを探す物語はとうとう最終巻となった。

神の雫』とは主人公の父親である世界的ワイン評論家の遺言状に書かれたワインを探す物語である。前作『神の雫』では12本のワインを探し、本作『マリアージュ』ではその上に君臨する『神の雫』を探す物語だ。

16年間で本作は数々の賞をとりドラマ化もされ、紹介されたワインは高騰するなど非常に影響を世界に与える漫画となった。そしてストーリーは最後の一本を探しに主人公はボルドーへ、ライバルはブルゴーニュへ。

そしてとうとう最終巻ではその『神の雫』が見つかる。本作はワインを勉強したい人、ワインが好きな人、またタイトルの通り『マリアージュ』つまりワインと食べ物の組み合わせ、そしてフランスやイタリアの文化など、いろいろなことを学べる作品だ。ビジネスマンに人気な漫画というのも頷ける。

 

 

 

 

【書評】いまの自分を大切にする『医者がやっている自律神経を整える働き方』

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働いている人の99%は、自律神経の働きが落ちていると著者はいう。それは、調子の良し悪しがなぜ起こるのかを長年研究してきてわかったそうだ。それにより、著者自身も若いときよりも60代の今の方が毎日ワクワクしているように、誰でも年齢に関係なく本書に書かれたメソッドにより自分を変えられるのだ。

世の中の状況により、イライラしたり、人を中傷する人が増加した。それは、例えば楽しみにしていたことがキャンセルになったり、自由に旅行に行けなくなった等、不自由になってしまった日常での日々積み重なるストレスによるものなのだ。そのようなちょっとした我慢の連続により、自律神経が乱れるのだという。

また、テレワークや時差出勤等により職場でのストレスが減ったが、生活習慣が崩れ心身共にダルさを感じ、調子が悪くなった人が増えているそうだ。そこで大事なのが、朝決まった時間に起きてコップ一杯の水を飲む。そして散歩をする。

評者もここ最近、仕事が終わった後は歩いて帰ろうかなと思いつき、ちょうど実行し始めたところだ。著者も散歩をすすめているため、少し継続させてみようと思う。なぜなら、様々なことにより、今まで以上に平日は仕事で忙しくなってしまったので、著者のいう99%の人にならないようにしなくてはいけないからだ。

本書に掲載の方法をどれか一つでも試し、自らが自律神経を整えれば、いまの自分を大事にできるようになるそうだ。 

 

医者がやっている自律神経を整える働き方

医者がやっている自律神経を整える働き方

  • 作者:小林弘幸
  • 発売日: 2020/11/25
  • メディア: 単行本
 

 

【書評】リーダーの習慣『結果を出すリーダーはみな非情である 30代から鍛える意思決定力』

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非情になれず情にあふれた経営者は結果的に多くの従業員や取引先を悲劇的な状況に引きずり込む。逃げずに合理的な思考で問題と向き合う習慣の大切さを説いた一冊。

会社を立て直すためにどうしても辛い判断をしなくてはならない時がある。物の問題ではなく、人の生活がかかってくることもあるだろう。その時の多大なストレスから逃げて情に流された経営者を著者はたくさん見てきた。ダメな経営者は圧倒的に情に流される。経営判断はあくまでも合理的思考が伴っていなければならない。その合理的思考の経営判断を達成するために情緒的になることも時には必要だが、情緒的になることが目的になってはいけない。

常に与党の立場で考える。これは政権というわけではなく会社の中に関することでの意味合いだ。あなたがどんなポジションにいようと、批判や批評だけして行動にうつさない野党的な考えはすべきでない。常に自分事として自分が経営者ならどう判断するかなどシミュレーションしながら行動していく。その積み重ねが経営判断を行う時のストレスの耐性となる。

著者の冨山和彦氏は産業再生機構のCOOを経て、経営共創基盤(IGPI)を設立。これまで数多くの企業変革や業界再編に携わり、現在に至る。経営に関する著書も数多い。

しっかりと合理的思考を行い、本人が正しい改革案だと思っていても皆が賛同してくれることはほとんどない。そこで逃げて情に流されるのか、それとも「とにかく逃げない!」と決めて立ち向かうのか。小さな決め事だとしてもその習慣の違いが自分を作っていく。

「逃げずに向き合おう!」

 

 

【書評】なりたい自分になるには?『思考は現実化する』

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HIUの方からお勧めされた本でもあり、本当に自分のやりたい事を実現させる為の過程が細かく記載されています。

①自分が実現したい願望をはっきりさせる
 そもそも、ここをはっきりさせなければ前に進む事すら出来ないです。

②実現したい願望の代わりに何を差し出すのか?
 何かを諦めるのではなく、別の何かを新しく始めるというポジティブ思考を持つ事が大事です。

③実現したい願望の最終期限を決める
 いつでも良いやという曖昧な期限では、危機感すら湧いてこないので具体的な期限を設けると元を取る勢いも発生し行動せざるを得なくなります。

④願望実現の為の計画を立てつつ、準備不足でも行動に移す。
 完璧を目指してはいつまで経っても行動するのに躊躇してしまいがちなのが人間の性。
 小さな目標を都度設定し、それを乗り越える事が大事です。

⑤実現したい願望や代償や期限や計画などを紙に詳しく書く
 別に紙でなくてもSNSなどでも良いのでアウトプットでもOKだと思います。

⑥紙に書いたこの宣言を1日に2回大きな声で読む事
 これも同様にTwitterでもFacebookでも良いので、頻繁に書き込む事で一種の覚悟を決める事になります。

僕自身、やりたい事や好きな事はかなりあるのですが、肝心のやり切る能力が不足しがちです。
敢えて何かを諦めるのではなく、新しい小さな事を始めるつもりでやり切る事が必要だなと痛感しました。

 

 

【書評】人生の攻略本『ビジネススキル大全―――2時間で学ぶ「成果を生み出す」全技術』

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働く業界や会社が変わっても通用するスキル。いわゆるポータブルスキルについてまとめられている。著者は1万冊以上のビジネス書に目を通し、3万人以上のビジネスパーソンにアドバイスしてきた経験を基に、ビジネスや人生で役立つスキルをまとめている。関連書籍の紹介などもあり40のスキルが盛り込まれている。その中でも本を読むことに絞った内容を紹介したい。

影響を受けた本は、後日読み直してみるべき。なぜなら以前読んだ時とは異なる発見ができることが多いから。読書は読み手の経験や力量を問う。評者自身も書評を書いているが、書評を書いた後も、たまに読んでいる本がある。書評としてアウトプットする時にある程度のところまで頭に入れてまとめているはずなのに、不思議と読む度に新発見があるのだ。本書もその1つの例である。評者は本書を発売年の2016年に購入していたが、ある程度読んだところで「自分の手元に残しておくほどでもないな」という判断をしていた。しかし、改めて読んでみたいなと思い、昨年再び購入した。読み進めると内容は概ね覚えているのだが内容への感じ方が2016年とは違っていた。

著者には毎日書評を書き続けるわけがある。著者が継続的なアイデアを生み出す必要性に迫られた時に、情報のインプット作業を習慣化する必要があると考えた。しかし、ただ読書をするだけでは習慣化しづらいので読み手を意識して書評としてアウトプットするようになった。その習慣が現在の著者のメールマガジンや、多くのビジネスパーソンとの出会いを生んでいる。評者も書評として文章をアウトプット用にまとめることでより理解が深まることを感じている。評者は月に数冊程度の書評のアウトプットにとどまるが、できたら著者のように毎日書評を書けるとよいのだろう。毎日書評を書く習慣があれば本から情報を得るスピードも上がり、書評をまとめるスピードも上がり、その後の自分のビジネスや人生へ良い影響をもたらす。

この書評は本を読むことについてのポータブルスキルに絞って書いた。それ以外にも本書にはたくさんのポータブルスキルが書いてあり、思考や人生設計など様々である。自分に合いそうなもの、必要そうなものを読んで学んで活かしてもらいたい。そして影響を受けた本に関しては読んだだけで終わらせず、何らかのアウトプットを自分に課した方が結果的に良い人生につながっていくと思う!

 

ビジネススキル大全―――2時間で学ぶ「成果を生み出す」全技術

ビジネススキル大全―――2時間で学ぶ「成果を生み出す」全技術

  • 作者:藤井 孝一
  • 発売日: 2016/07/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

【書評】ホリエモン万博の裏側を知りたければ、これを読め!『SALON DESIGN No.08』

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竹中 平蔵、佐々木 俊尚、西村 博之、箕輪 厚介、茂木 健一郎(敬称略)。錚々たる顔ぶれが揃ったインタビュー記事を500円で読めていいものなのだろうか?

昨年Finalを迎えた、ホリエモン万博。その前後で行われた独占・スペシャルインタビューが盛り沢山!どの記事も先進的な知見に溢れている。

本誌はオンラインサロンという、クローズドコミュニティの中身をのぞき見る数少ない手段と言える。巻末にはHIUだけでなく、「PROGRESS」「西野亮廣エンタメ研究所」「箕輪編集室」との徹底比較もある。

スペシャルインタビューにも登場する、田中 里奈さん。Dazzle 六本木にて撮影された表紙がとてもかわいい。

ホリエモン万博のContentsも13個紹介されている。個人的には自身も出演したNo.10「クリスマスキャロル」が感慨深い。ずっと大切にしたい1冊である。

【書評】あなたも悩んで当然。勇気の一冊!『偉人もみんな悩んでた』

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偉人とは優れた業績を成し遂げた人、歴史に遺るような並外れて優れた人間のこと。
そんな意味があります。

日本で有名なのは野口英世西郷隆盛徳川家康など学校の教科書に載る人たちでしょうか。世界史ではノーベル、マリーアントワネット、アインシュタインなどです。
本書は彼らの悩みとその解決方法が記されています。

優れた業績を成し遂げるという言葉の裏には多くの人々の役に立つことや困難な問題を解決することなど、様々な“貢献”が隠れています。しかし、偉人の歴史を紐解くと私たちと似たような悩みを抱えていました。世界中に貢献してきた人の悩みはさぞかし“立派”なのだろうと思っていましたが、そんなこともないようです。実はあなたと似ているのです。

そして偉人たちも最初から大志を抱いていたわけではありません。苦難や悩みがあり、それらを自分ができる狭い範囲のなかで解決してきたのです。その解決方法も“立派”なものではありません。あなたにも想像できることです。

本書は偉人たちの幻想を取り払い、自分自身とほとんど変わらない人間であることを教えてくれます。唯一の違いはあきらめないこと、その一点です。

文章も読み易く、絵も親しみやすく可愛いものになっています。小学生にも読めるため子供に贈るのもおすすめです。
偉人も悩みながら進んできたのです。あなたも悩んで当然ですから安心してくださいね。