HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】ゼロになってからが本当の勝負『刑務所いたけど何か質問ある?』

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本書は、著者自身が経験した獄中生活での出来事をコミカルに綴ったものである。刑務所の話しと聞くと何だか重そうな内容に感じる人もいるかもしれないが、マンガになっているため非常に面白く、刑務所のリアルがよくわかる。

本書との出会いは、2年前に著者が主宰者であるHIU(堀江貴文イノベーション大学校)に入会して初めて参加したイベント(定例会)であった。読んでみると非常に興味深く、一気に読んでしまったほどだ。

しかし、それほど面白かった本なのに、まだ本ブログで紹介していないことを思い出し、2年振りに本書を読み返してみたが、評者自身、世の中について知らないことがたくさんあるのだと感じた。

著者が、刑務所内で一番必要だと思ったのは「仕事」だそうだ。海外に依頼するような仕事は、刑務所の良質な労働力を生かした方がいいし、作業効率を上げるためにはIT化もした方がいいと言う。刑務所内においても著者は、経営者目線で仕事について考えていたと言う。

また、刑務所内の人間関係は様々な受刑者がいるため、理不尽な理由で怒られたり、突然殴られたりしたこともあったそうだ。しかし、反論してしまうと懲罰になってしまうため、ぐっと耐えることにより、忍耐力や受け流す力がついたり、学ぶこともあったそうだ。

著者は、結果として人生の中の長い年月を突然の事件により、費やすことになってしまい、かなりつらい思いをしてきたと思う。しかしそこでは、お金では買えないものを得たと言う。

自分の決めた道で成功できることは凄いことだ。しかし、もっと凄いことは、どんな状況に陥ったとしても、たとえゼロになったとしても、かたちを変えて再び立ち上がり、また新たな道を進んでいける人だ。

それは、また思わぬことが再び起こったとしても、何度でも立ち上がれる力を持っているという証明にもなる。それができる人は、なかなかいないが、著者はまさに、そういう力を持っている人なのだと思う。

 

 

【ランキング】今週読まれた書評【2019/11/17-23】

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1位

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嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

 

 

2位

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2035年の世界

2035年の世界

 

 

3位

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世にも美しき数学者たちの日常

世にも美しき数学者たちの日常

 

 

4位

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5位 

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6位

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7位 

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8位

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9位 

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10位

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【書評】他人の人生を知ることで誰かにちょっとだけ優しくなれる『ゲイ風俗のもちぎさん セクシュアリティは人生だ。』

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本作はゲイ風俗で働いていたもちぎさんの視点を通して、マイノリティとして生きるなかで強く生きる人の尊さを垣間見ることができる作品だ。

本作では著者自身の性的マイノリティの経験だったり、家族との関係性の悪さだったり、働いていた性風俗の人たちとの交流を描いている。
なかなか体験することのできない世界観を漫画の形で体験できる。

著者の考え方や著者を取り巻く人たちの悩みを読んでいるとみんな一筋縄ではいかない人生を生きていて、がんばっているなあ、自分もがんばろうなあという気持ちをもらうことができた。

実生活でマイノリティの人と出会ったからって、不躾に実際どうなのかと聞くことはない。
配慮に欠けると思われるかもしれないし、相手を傷つけてしまうかもしれない。
だから漫画という形で伝えてくれることで考えを知る機会をもらえることはうれしい。

楽しいことばかりではない一筋縄ではいかないこの人の世で、みんなお互いを尊重して生きていけるといいね。

 

ゲイ風俗のもちぎさん セクシュアリティは人生だ。

ゲイ風俗のもちぎさん セクシュアリティは人生だ。

 

 

【書評】あなたの人生には記憶に残る朝ごはんがありますか?『ワンナイト・モーニング』

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ストーリーはタイトル通り。一晩過ごした男女のその後の朝ごはんの話だ。ようはグルメ漫画である。

幼なじみとの夜、同窓会での再会の夜、セフレとの夜、深夜バイトの夜、出会い系で会った子との夜、そんな日の次の朝ごはんだ。もう会うこともない人もいるし、これから仲が深まることもある。

ところでこの作品を読んで思い出した作品が『おふろどうぞ』だ人は毎日お風呂に入るが、人生いろいろなお風呂がある。日常のお風呂ではない、不倫でのお風呂、性転換前のお風呂、仕事をサボってのお風呂。毎日することでも、人生の中では特別な意味になることがある。それを味わえる作品は素晴らしい。

今回の作品はそれが朝ごはんだ。初恋の人と同窓会の後2人で抜け出し、一晩を過ごし、朝ごはんを食べる。でもその朝ごはんは2度とないだろう。人生の転機になる朝ごはんだ。

一方で一晩を過ごし、「あー、一緒に住んでるみたい。幸せ。」と思いながら食べる朝ごはんもある。

あなたには記憶に残る朝ごはんはありますか?

 

ワンナイト・モーニング (全1) (ヤングキングコミックス)

ワンナイト・モーニング (全1) (ヤングキングコミックス)

 

 

【書評】私が化学を好きになったのもこの本のおかげかもしれない『「ロウソクの科学」が教えてくれること』

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ノーベル賞を受賞した吉野彰氏が科学に興味を持った本ということで有名になった本書。化学で飯を食べている評者も読まなくてはと思い今回読むことにした。

内容はファラデーが実験の実演を行なっている様子とともに進んでいく。ロウソクをみて、真ん中だけ溶けているのはなぜか?、なぜ真ん中に糸が必要なのか?、火が燃えるには何が必要なのか?、火はどこが熱いのか?、それらを調べるにはどうしたら良いのか?。

ファラデーは次々観察から問題を提起し、その問題を実験によって解決する様子を見ていく。10年以上化学をやっている評者もそのファラデーの観察力、実験の組み方、実験の見せ方、すべてに驚かされてしまった。

さて、本書は数多く出ている『ロウソクの科学』のなかから『サイエンス・アイ新書』のものを選んでいる他のものよりも写真が多く、また、実験内容も現代もものに変えていたりしているので、実演というものを感じやすいだろう。

そして、何よりびっくりしたのは本書中の実験。小学生の時のある理科の先生が授業とはあまり関係なしに行った実験そのものであったのである。私はその実験から化学が好きになったのだが、もしかするとそれは『ロウソクの科学』だったのかもしれない。

『ロウソクの科学』は本当に子供から大人までに科学の楽しさを伝える名著だ。是非皆に科学の面白さを味わって欲しい。

 

 

 

【書評】本当にうめぇ魚が喰いてぇのかい?『日本一うまい魚のごはん』

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「クタっとなってるのを、皿に叩きつけてビシッとさせるんだよ」

築地のマグロ仲卸業を営む生田氏による自分が好きな魚の食べ方を乗せたレシピだ。
魚に関するウンチクや築地の歴史、魚河岸の人々の生活と交えて解説してくれる。

その、レシピのダイナミックさたるや類をみない。

材料だけは書いてあるが、分量はない。

大ぶりに切る、好みの量をぶっかける、ちょいと火を通す、塩梅に気をつける・・・これしか書いてない。

生田氏は、レシピってなあなんだよ、自分の好みの味はねぇのかい?と問いかけてくる。

旬の魚を知っていても、自分で調理出来る人間はどのくらいいるのだろう?

この本は、私たちに大切なものを思い起こさせてくれる。

魚屋からスーパーを起こした私の祖父は、物質的に豊かな今より心豊かだったのではないだろうか?

そうだ!

あんた、まさか魚いじったことねぇの?

自分でいじってみなよ。

そここら見えてくるもの、感じるものがたくさんあるから。

 

日本一うまい魚のごはん―築地魚河岸の若旦那が教える

日本一うまい魚のごはん―築地魚河岸の若旦那が教える

 

 

【書評】天才には嫉妬すらできない。できることは目の前のことに一生懸命取り組むことだけ。『世にも美しき数学者たちの日常』

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本書は7人の数学者および4人の数学マニアを通して、タイトル通り数学者の日常について垣間見ることができる作品である。熟成しきった数学の世界はヤバイ。天才しか通用しねぇ。

大学の先生から、予備校の先生、小学生の天才数学者まで、本書ではいろんな形で数学に関わっている人の生活を紹介している。

ある先生は毎日電車で数式を書き論文をサクサク書く。ある先生は数年かけて難しい論文を書く。ある先生は笑いで数学を教える。

私も研究者の端くれであるが、数学に特徴的と感じたのはとにかく人に会うのが重要であるとのことだ、もちろん我々の分野(化学)でもそうではある。しかし、数学は最も熟成した分野であるからこそ、専門の範囲が人ごとに異なりすぎる印象だ。ずっと考えていても別の人が見ればすぐに答えが出ることがある。さすが数学と感じた。

最後に最も心に残っている話をしよう。数学の世界というのは他の分野と違い、天才でないと何もできない世界のようだ。そのため競争や嫉妬が起きない。本当の天才は凡人とは比較にならないからだ。例えばイチローに嫉妬できる人あまりいないだろう。

そんな世界で出来ることは何か、みんな「目の前のことに取り組む」だけだ。SNSの普及で嫉妬しやすい世の中になっているが、数学者のように目の前のことに一生懸命に生きていきたいと思った。

 

世にも美しき数学者たちの日常

世にも美しき数学者たちの日常

 

 

【書評】予約のとれない人気店の予約をとる方法『グルメ多動力』

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本書は、著者の大ヒット作で映画化もされた『多動力』シリーズのグルメ版である。また『マンガで身につく多動力』『英語の多動力』『小説多動力』など複数のジャンルごとに出版されるほどの人気作だ。

著者は、星付きレストランからコンビニ食まで、365日外食しているそうだ。さらに、飲食ビジネスの分野では「WAGYUMAFIA」として世界中で活躍しているため、海外ではシェフとしての顔の方が有名なのかもしれない。そしてその活動を通して、飲食業界の厳しさや未来が見えてきたと言う。

お客さんの満足そうな顔を見る。これが飲食店の原点だと感じるそうだ。みんなをどう楽しませるか。どうしたら面白がって、また食べたいと思ってもらえるのか。それには、まずは自分自身が楽しむこと、それがビジネスへと繋がっていくと言う。

そのため、人気店を経営し、休みもとらずに忙しい毎日を送っている人は、労働形態を変え、きちんと休みをとってリフレッシュし、遊びに行ったり、違った環境に身をおいてみることで、またそれが新たな発見やアイディアに繋がっていくのだ。

また、飲食店では技術よりもコミュニケーション能力や素直さ、ノリの良さなどが貴重な才能になると言う。なぜなら、そのような人には、まわりが助けたくなるからだ。そのため、コミュニケーションが苦手な人は、人からアドバイスをもらうことがあったら、まずは迷わずやってみることをすすめている。

もちろんこれらは、飲食店業界で生きていく人だけのことではなく、誰でも、どのような仕事をしていたとしても、重要なことなのだ。またこれらは、本書に詳しく書かれている、予約のとれないお店の予約をとる方法にも通じるところがある。お客さんとお店、予約をとる人と誘ってもらう人、すべては人と人との信頼関係が大切だ。

評者は、予約のとれないお店へ行ったことも、予約を取ろうと試みたこともないため、本書に書かれているような予約をとるための熱量を実感したことがないが、一部の人々のなかでは、人気店の予約を持っていること自体が一つのステータスになるようだ。

実際に人気店へ行く機会があったら、きっと「なるほど」とより本書で伝えられていた内容を理解することができるのだろう。また、飲食業界については、著書『なんでお店が儲からないのかを僕が解決する』にも詳しく書かれているため、併せて読むと、より理解が深まるだろう。

『なんでお店が儲からないのかを僕が解決する』
http://bookrev.horiemon.com/entry/2019/11/11/220000

『多動力』
http://bookrev.horiemon.com/entry/2018/03/25/070000

『英語の多動力』
http://bookrev.horiemon.com/entry/2018/08/11/220038

『マンガで身につく多動力』
http://bookrev.horiemon.com/entry/2018/04/01/070000

 

 

グルメ多動力

グルメ多動力

 

 

【書評】人の持つ行動原理を探しにいこう『トップ2%の天才が使っている「人を操る」最強の心理術』

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タイトルにある、『人を操る』という言葉は、人を動かす、と言い換えることができる。思い通りに服従させるということではなく、こちらの言い分を正しく伝えて納得してもらうための手法について言及されている。

基本原則の一つ、『相手の一貫性を理解する』は、トヨタのなぜなぜ思考を想起した。相手が取った行動に対して、なぜ?なぜ?と掘り下げて、本質を掴む思考は、まさに同じフレームだ。これを問題解決ではなく、人の見立てやマネジメントに使うという視点がなかったため、新鮮に感じた。

誰でも、自身の持つ一貫性においては合理的。その一貫性を見つけ出し、どのようなレスポンスが来るか予測しながら対話する。
これは、営業パーソンに必須のスキルなのではないだろうか。

目標設定の妥当性も興味深い。
【できる量×2】
月に1冊本を読んでいた人なら、2冊にする。5件のアポイントを入れていた人なら10件に。もちろん、ケースによって分母の妥当性はあれど、背伸びすれば届く目標設定目安になりそうだと感じた。

ミラーリング、好意の返報性、ピグマリオン効果など、どこかで聞いたことがあるかもしれない心理学用語。普段何気なくとっている行動や振る舞いに、心理学的な意味を発見することもできそうだ。購買行動に転用すると、行動経済学に通じるものがあるように思う。

IQ150の天才であっても、その知能を活用し、成果につなげる努力が必要だとあった。いろいろな法則が見えてしまうだけに、天才はちょっと大変そうだ。
何でも人より早く理解し、同時に多面的思考ができるとしても、そして、外からは最短ルートでゴールに到達しているように見えたとしても、本当は苦労も多いのかもしれない。
(評者 津田恵子)

 

 

【ランキング】今週読まれた書評【2019/11/10-16】

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1位

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起業を考えたら必ず読む本 (Asuka business & language book)

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2位

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3位

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PLAY WORK プレイ・ワーク 仕事の生産性がグングン高まる「遊びながら働く」方法

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4位

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5位

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10位

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