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【書評】マレフィセントに込められた社会へのメッセージ『マレフィセント2』

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本作は『眠れる森の美女』に登場する悪役『マレフィセント』を主人公としたストーリーである。 前作『マレフィセント』の続編ではあるが、完全なオリジナルストーリーになっている。

美しき最強ヴィランと呼ばれている『マレフィセント』は、真っ黒な衣装に身を包み、一瞬の笑みも見せない。その姿から、邪悪な存在として恐れられていた。

そのため、自分と同じ妖精が暮らすムーア国が、あるものの手により罠にかけられ、滅ぼされそうになったときにまず疑われたのは『マレフィセント』であった。

しかし、本当の『マレフィセント』は、強欲なものから、共に暮らす妖精たちや国を必死に守ろうとする心優しい存在であり、それを上手く表現できない不器用なところを持ち合わせていただけの温かい真心の持ち主であった。

本作では、単なる妖精やファンタジーの世界を表現したかったわけではなく、『マレフィセント』という存在を通して、二つの世界の対立、自分の居場所を巡る葛藤、人の思想や感情によって起きる分断等、現在の社会が反映されたメッセージが込められていたそうだ。

また、メッセージを大衆に伝えたい場合、社会派作品で直球に伝えるよりも、本作のような娯楽作品で伝えるほうが、より多くの人々へ訴えかけることができると言う。

マレフィセント』は特別な存在ではなく、誰の心の中にも存在する。人生で傷つき、人との違いを感じたり、また何を言われようと自由を求め、前進していく。多様な生き方への尊重を表現しているのだ。