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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】ターゲットは70億人『堀江貴文VS.鮨職人~鮨屋に修業は必要か?~』

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著者は、グルメに関する著書を複数出版しているが、本書は他とは少し違った切り口で書かれている。著者自らが、お店を繁盛させている7人の鮨職人と直接会って話し、なぜ鮨職人という道を選んだのか。また現在の状況と今後について、対談形式で掲載されている。

本書は「鮨職人」にテーマが絞られているため、どのような内容なのかと思っていたが、実際には、想像を遥かに超えた面白さがあった。また著者は、直接話しを聞くことにより、ますますお鮨が美味しくなったと言う。直接お店に行く機会があれば、本書で話していた内容を実感することができるだろう。

また、評者にとって魅力的に思えたエピソードの一つが、本書に登場する鮨職人の一人がニューヨークでジャン・ジョルジュ氏と共にお店をオープンさせたところだ。

なぜなら評者は、ジャン・ジョルジュ氏の味をとても好み、ニューヨーク、パリ、東京のお店を訪れ、特にニューヨークにあるカジュアルから星付きまでの複数店舗はいずれのお店も非常に美味しく、滞在中は繰り返しその味を楽しむほど夢中になっていたからだ。

本書では、鮨職人にしか知りえない業界事情や食材の違い、仕入れ、仕込み、エリア特有のルールなど、貴重な情報が満載だ。例えば、鮨屋で厚焼き玉子をだすのは江戸時代からのルール。だし巻き玉子では、なぜダメなのか。ウニを一週間寝かせることにより、よりウニが美味しくなる理由。魚によって捕れてからの美味しい時期が異なるなど、一般的には知られていない情報ばかりだ。

さらに鮨職人という職業は経験のない人でも、厳しい世界だということは、容易に想像がつく。しかし現在では、昔ながらの修業という名のしごきや夜明け前から市場に通うことさえも、神話になっていると言う。職人の世界も時代にあった新しいスタイルへと変化しているそうだ。

たくさんの外国人が本物の「鮨」を求めて日本を訪れている現在。日本にいながらにしてターゲットは70億人。やり方次第で大きなチャンスへと繋がっていくのだ。

 

堀江貴文VS.鮨職人 鮨屋に修業は必要か?

堀江貴文VS.鮨職人 鮨屋に修業は必要か?