HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】糸井ワールドが、綿密につくられた一冊。『他人だったのに。』

糸井重里の「小さいことば」シリーズの2018年度版。
本、紙という表紙の紙にもこだわりがあり、紙そのものに硬さがあり、印刷のかすれや、繊維の厚みを楽しむことができます。

私が、この本が、ふと目に入ったのは、なんだか最近少し肩に力が入っているな、と気疲れしているときでした。

この本は、糸井さんが徒然なるままに、言葉を並べているキャッチコピー集のような成り立ちをしています。

その中で、糸井さんの世界観が、幅広く詰め込まれています。

二六二
みんな孤独で、みんな元気で、みんなたのしそう。
これが、いちばんいいんじゃないかという気もする

〇三八
じぶんの頭で考える人になるためには、
じぶんの頭で考える回数を増やすことだと思う。
大きい問題を、小さい問題の組み合わせとして見る。
そして、小さい問題の答えを、日々出していく。
正解か不正解かにとらわれないようにして、
一日ずつ、じぶんで考えて、なんとか結論を出す。
結論を、「出してみる」ではなく「出す」。
毎日、今日できることを、
じぶんなりに考えて、じぶんなりに判断する。
その回数が積み重なって、
じぶんで考える人になる。

おのおのの人生というストーリーは、多様なんだということを、考えさせてくれます。
にんげんの考え方の違いを認めている中で、糸井さんは心を強く、道を決めています。
その伝え方が、表と裏、上か下か、横やナナメ、浅くもあり、深くもあるように、表現の幅を感じさせます。

これを、入口に、糸井さんの運営する「ほぼ日刊イトイ新聞」のコラム、対談などへ派生して、もっと彼の言葉を知りたいと思わせる一冊でした。

他人だったのに。

他人だったのに。