【書評】発信者たれ！『ブランド人になれ! 会社の奴隷解放宣言』

本書は現在ZOZOのコミュニケーションデザイン室長である田端信太郎の著書だ。書籍を執筆するにしては、彼の経歴は少々特殊だ。ビジネス書の著者は起業家や事業家、企業のトップやフリーランスなどが多いが、彼は“サラリーマン”だ。リクルートやライブドア、LINEなどこれまでに多くの企業に必要とされ渡り歩いてきた。きっと本書を手に取る多くの方とスタートラインは一緒だ、だからこそ彼が成し遂げたことは“自分にもできるのではないか”と思わせてくれる。

彼の主義が４４のエッセンスによって散りばめられている本書は、読者の仕事に対するスタイルに変化をもたらすだろう。中でも彼の社会へ情報を発信する上での姿勢は、素直に素敵だと思った。今はSNSを通じ個人が社会へ考えを発信することが容易だ、誰でもできる。彼の発言は何度も炎上に繋がっているようだが、彼は動じない。言うべきことはしっかりと発信する、面と向かって言えないことはSNSでも言わないというポリシーも持つ。“発信者”であることから逃げないのだ。

彼はフォロワー数は個人の資産だと言う。名もない個人のブランドを広く強く押し上げるにはフォロワーはお金には変えられない資産なのだ。どんなにその行動が正しく強くあっても、伝わらなければ評価はされない。フォロワーはあなたのブランドが社会に正当に評価されるために重要なのだ。

本書は特別な境遇であることが、自由を得ることではないことを教えてくれる。彼のエッセンスどれか一つでも摂り入れて実行に移すことが、あなたが望む自由を手にするチャンスに繋がるだろう。