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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】究極の個人情報「ゲノム」 『ゲノム解析は「私」の世界をどう変えるのか』

 

本書では、ゲノムや遺伝子から得られる情報や、生命科学やテクノロジーの進化について知ることができる。

ゲノムとは「人がもつ遺伝子情報」のことだ。一人一人の見た目や、体質などの違いはこのゲノム情報の違いによるものだという。

そもそもゲノムが社会に知られたきっかけは、日本を含めた国々が参加し、1990年から13年間、人のゲノムを明らかにするための世界規模プロジェクト「ヒトゲノム計画」による。

そのため、ゲノムについては20代や現在の学生にとっては、学校等で学んでいるため馴染みがあるが、30代以上の人にとっては、なかなか理解しにくいようだ。

そのような状況により、ゲノムや遺伝子について興味はあっても、いまいちよくわからないという人が多いということが、本書を出版したきっかけだそうだ。

著書は研究者兼起業家として、ジーンクエストを立ち上げ、ゲノム解析サービスを行っている。ゲノムの個人差約30万箇所を調べることにより、約300項目にも及ぶ、病気のリスクや体質について知ることができるのだ。

例えば癌や脳卒中、糖尿病はもちろんのこと脱毛や不眠症、偏頭痛など病気のリスクやアルコール、ニコチン依存、95歳以上まで生きる可能性やパクチーの味の感じ方など検査項目は多岐にわたり、非常に興味深い。

病気のリスクや自分の体質を知ることは、当然健康を意識するきっかけとなり、病気を予防したり、生活習慣を変えて、病気になるリスクを下げることが可能になる。まだまだゲノムに関しては明らかになっていない部分も多いが、その分今後の可能性にも期待できる。

また世界中では、その後もゲノム解析の大規模プロジェクトが、次々と行われている。病気との関連性やかかりやすさ、病気の正体が不明な稀少疾患の原因解明についても調査されているので、日々のテクノロジーの進化により、体に不安を抱えている多くの人々が救われる世の中が近づいている。本書を読むことにより、その進化をより実感することができるだろう。