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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】上白石萌歌さんが尊敬する歴史上の人物、高橋是清って誰やねん? 『天佑なり 上下巻』

劇場版アニメ「未来のミライ」(細田守監督)の初日舞台あいさつに登場した今をときめく女優の上白石萌歌さんが
「時を超えて、過去や未来で会ってみたい人は誰ですか?」と聞かれ
「私は歴史上の人物に会ってみたいですね。ご存じか分からないですけど、高橋是清さんっていう内閣総理大臣だった方で、私、九州出身なのに西郷(隆盛)さんじゃないのって突っ込まれるんですけど、すごい方なんですよ!もともと英語の教師で、そこから外交とか総理大臣をやったあともいろんなことをやって、明治維新にすごく大きな影響を与えた人物で、受験期にすごいなあって思っていたので、是清さんに会ってエールをもらいたいですね。頑張れって(笑)」
と答えて、にわかに注目を集めている?(俺だけ ?)高橋是清とは何者なのかがわかるこの一冊、いや上下巻なんで二冊か。
江戸末期、仙台生まれの是清は少年時代、ひょんな縁から横浜に送られて、ニューヨークから来ていた医者で宣教師のヘボンから英語を習う事になる。ヘボンといってもピンとは来ない人が多いかと思うがヘボン式ローマ字を考案したその人だ。
メキメキと英語をおぼえた13歳の少年是清はアメリカに仙台藩から留学させてもらえる事となり、船で渡米。何故か騙され奴隷契約書にサインをしてしまった少年是清はその契約を破棄せんと孤軍奮闘。
渡米中に維新が起こり、江戸幕府は崩壊。金をだしてくれた仙台藩は新政府の敵となり、帰る拠り所の無くなってしまった少年是清は密帰国(そんな言葉あるのか?)
そんな、無茶苦茶な少年時代を送った是清だか、当時の日本は英語を使える人材を欲していた。色々な政府や銀行、教育界で登用されては、酒を飲みながら仕事し、時間が空けば遊郭通い、そして上司に楯突いたりとやり放題。
だけど時代は是清を欲していた。数々の成功を打ち立てた是清は日銀に入り日露戦争では戦費調達に駆けずり回る。その方法は本書を読んで欲しいが、ウルトラCの戦費調達に成功していなければ、当時の小国日本では日露戦争の継戦が出来ず、破れていた事だろう。是清は国を救った。そして再度、国を救う。
世界恐慌では、大国が不況対策としてブロック経済を組む中、是清は思い切った金融政策を打ち、日本を世界で一番最初に不況から脱出させる。
その後、総理大臣まで務めた是清は引退し余生を送っていたが、昭和恐慌が起こり、また是清しかいないと、不況脱出の為に駆り出される。
そして、、、、なんとも酷い方法で亡くなる。
歴史にもしは無いと良く言うが、彼がもし生きていれば、恐慌から再度日本を救っただろう。
実際は当時の政府は緊縮財政策を取り、更なる不景気に突入した日本人は心が荒れ極端な考えに飛びつき熱狂して、太平洋戦争の泥沼へとはまって行った。
いや〜、それにしても、わかってるなー萌歌ちゃん、おじさんとさぁ、朝まで是清について語り合おうよ!
日本人ならこの人知らないとダメだよね、ね、ね!