HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】歴史から紐解く理想のロケット像『堀江貴文のマッハ対談~僕が夢見た宇宙編~』

堀江貴文イノベーション大学(HIU)」の定例会でロケットを知り尽くす二人の対談が実現した。その二人とは、2010年4月に日本人2人目の女性宇宙飛行士としてスペースシャトルディスカバリーに搭乗した山崎 直子さんと「宇宙をもっと身近に」をキーワードにインターステラテクノロジズ株式会社と協力しながら民間単独で宇宙ロケットの打ち上げに紛争する堀江貴文氏。宇宙ロケットの歴史を振り返りながら、理想とするロケットの形体について話を掘り下げていく。ロケット専門家ならではの興味深い対談をまとめた一冊。

対談の中では、普段決して弱音をはかない堀江氏が「ロケットの開発は本当に難しいですわ」と珍しく弱音ははくそんな一幕も。ロケット開発がいかに難しいかをうかがい知ることができる。バイクしかり自動車しかり乗り物の開発では音や振動が最後に問題となることが多い。すべての構造物は決まった周波数でしか振動しないのだが、乗り物がもつ振動する周波数(固有振動数)と乗り物の内部で発生する力が一致すると過大な振動が発生し、乗り物で使用されている部品が破損することがある。バイクや自動車の場合には、使用される回転数帯域が限定されているので、問題がおきないように乗り物がもつ固有周波数をずらせば良いのだが、ロケットの場合には対策をしなければいけない回転数帯域が広いために対策をするのが容易ではない。

ロケットの専門家同士の話とあって決して簡単な内容ではないが、彼等の対談の一つ一つを慎重に読み解くことでロケットの開発の難しさや楽しさを垣間見ることができる。ロケット開発に興味がある方、ロケットビジネスの今後の展望について知りたい方にぜひ読んでいただきたい作品である。