日本は「疲労大国」と言われ、多くのサラリーマンが疲労と戦いながら仕事をしている。
KAROSHIはそのまま英語として意味が通じ、オックスフォード英語辞典にも掲載されるほどだ。
我々はなぜこんなにも疲れているのか?
本書では疲労の本当の原因やメカニズムを解明し、科学的に効果のある疲労解消法を紹介している。
疲労とは体の疲れであると一般的に認識されている。
しかし、激しい運動をしても実は筋肉には大きな影響はなく、むしろ最も影響を受けているのは自律神経なのである。
運動→体(筋肉が疲れる)→疲れを感じる、というメカニズムではなく、運動→自立神経の処理が増加→脳の細胞で活性酸素が発生し細胞が酸化→自律神経が乱れるというメカニズムによって人は疲労を感じるということが研究によって明らかになってきた。
つまり、疲労とは「脳疲労」であり、その原因は酸化ストレスなのである。
本書では、仕事後にジムに行く、土日の早朝にゴルフをする、温泉に入る等、よくリフレッシュになるとされている行動が実は逆に疲労を蓄積させていること、全ての疲労の原因は脳にあることを科学的に示し、本当に疲労解消に効果のある方法を、睡眠・食事・生活環境という軸から提示している。
例えば、著者はいびきなどによる睡眠障害が慢性的な疲労の原因であるとし、睡眠時無呼吸症候群でない人でも使用可能な治療器を開発している。また食事面では、最近糖質ダイエットではやりのサラダチキンに含まれるイミダペプチドという成分が抗酸化作用が疲労回復に効果がるとし示している。
この他にも本書では、具体的な疲労解消テクニックを多数紹介してくれている。多動力が試されるこれからの時代だからこそ、好きなことを好きなだけやるためにも、疲労をうまくコントロールすることが必要になってくるだろう。
[音声で聞く]
http://m.himalaya.fm/jp/episode/205469/6469933/2