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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】ビジネスの原則を愛をこめて『ビジネスマンの父親より息子への30通の手紙』

著者キングスレイ・ウォードはカナダ人の実業家であり、苦労して大学を卒業した後、公認会計士として6年働き、化学事業を興して成功するも、二度にわたる心臓の大手術を受け死に直面する。そして生きているうちにこれだけは息子に伝えておきたいと願い、息子に30通の手紙を書いたのが本書である。

本書の内容は思いつきではなく、著者が一生をかけて体験したビジネスマンとしての処世の原理原則であり、ビジネスマンが遭遇するあらゆる局面が出てきて、その対応の姿勢が説かれている。

「誠実さの代償」、「経験の重みに代えて」、「部下との衝突」、「読書の価値」、「社員を解雇するとき」など、多彩なテーマで手紙は書かれている。

「読書の価値」では“他人の過ちから学べ。自分ですべての過ちを経験する時間はない。“
「教育の設定」では”読むことは人を豊かにし、話し合うことは人を機敏にし、書くことは人を豊かにする。”とある。

「礼儀正しさにまさる攻撃力はない」という章がある。
人が身につける特質の中で、第一に威力を持つのは知識だが、第二は正しいマナーである。ささいな心遣いで人は好意的に反応せずにはいられない。相手が話をしているとき、それを遮ることなく聞くことは「沈黙は金なり」と表現できる。どのような防御も礼を尽くすことには及ばない。

全ての章に実体験に裏打ちされた言葉があり、きっと読者の問題解決に役立つと思われる。

最後に「人生からの挑戦に対して君がどう対応するか。」“人生が突きつけてくる挑戦に対して、態度を選べる自由を知って、それを行使するならば、君が人生の幸福を勝ち取る率は大きくなるだろう”

“現実の自分が、もしかしたらなれたかもしれない自分に,悲しげに挨拶をする”

ビジネスマンの父より息子への30通の手紙    新潮文庫

ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 新潮文庫