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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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無人島のような世の中で。『マンガで身につく多動力』

本作品は現在までに累計30万部を突破した著書『多動力』を、漫画に再編集したものだ。ある日サラリーマン達が会社ごと無人島にワープしてしまうところから物語は始まる。

私たちの周りは、普段から多くの“常識”が溢れている。本書でも冒頭に取り上げられているが、メールを送った後の電話連絡や過剰な出力紙での資料化などがそれにあたる。そのひとつひとつを見直すと“これは本当に意味があるのだろうか”と、疑問に思うことは多い。本作品ではその“常識”を無人島という特殊な環境下に晒すことで、その意味の無さに気づかせてくれる。

ここでの登場人物達は無人島という特殊な環境の中で生き抜くために必要なことと、いつ元の場所に帰っても滞りなく業務を進められるようにという会社の指示の間で戸惑う。それでも初めは少人数であったが、次第に自身達が置かれている状況を直視し、最後には社長を除く全ての社員がサバイバル生活に順応していく。

本作品から学べることは2つだ。ひとつは“常識なんて所詮そんなもの”ということだ。環境が変わればいくらでも変わるだろうし、変わってしまっても案外不都合なこともないのだ。そしてもうひとつは、本作品は会社が無人島にワープしてしまうという無茶な設定だが、実は現在私たちが置かれている状況も似たようなものだということだ。

現代社会は1年先でさえ予測不能だ、誰とどのようなことをすることが最適なのかさえわからない。それはさながら無人島と変わらず、私たちには生き抜くためのサバイバル能力が必要だ。その能力のひとつが“多動力”ではないだろうか。不確かな世の中で何を選択するべきか、本作品は教えてくれるはずだ。

 

マンガで身につく 多動力 (NewsPicks Comic)

マンガで身につく 多動力 (NewsPicks Comic)