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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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シャネルスタイルという生き方『ココ・シャネルの言葉』

シャネルといえば、自力でシャネル帝国を築き、さらに女性の社会進出が難しかったその時代に「女性の生き方に革命を起こした人」とも言われている。莫大な富と名声を手にし「シャネル自身の生き方」についても当時から注目を集め、シャネルに関する書籍は多く出版されているが、本書ではシャネルが残してきた多くの「言葉」をとりあげている。

シャネルは生涯を通して「かけがえのない人間でありたい」「人と違っていること」にこだわりを持っていた。それが、まさに成功の秘訣だと語っている。

実際にシャネルは、様々な場面において革命を起こしてきたが、その代表的なものは「シャネル」というスタイルにこだわったことである。

今では、当たり前となっている「黒い服」黒といえば定番色、カラーバリエーションが多くあっても、常に人気があり、コーディネートしやすい色として親しまれている。しかし当時は「黒=喪服の色」だったものを「シックでモードの色」としたのは、まさにシャネルのおかげだ。

さらに、シャネルはビジネスチャンスを常に見極めていた。例え戦争勃発時であってもかわらない。高級リゾート地に新店舗をオープンした直後、第一次世界対戦にみまわれ、戦争をも「非常事態」ではなく「ビジネスチャンス」ととらえ、疎開してきた多くの上流階級女性のために、自分が作り始めていた服「おしゃれで動きやすい服」を量産し、それが成功への第一歩となった。

しかし、このような成功とは裏腹に、シャネルの生いたちは華麗なものではなく、12歳の時に母は病死し、孤児院で育った。「お金持ちになって自由を手に入れる」ことを夢見て、17歳で歌手となり、「ココ」という愛称で親しまれ、25歳で帽子店を開いた。

さらに、シャネルは業界では異例の修行経験なしの我流デザイナーである。修行なしでも、あれだけの地位を築けたという証明でもあるが、自己流とはいえ、デッサンも描けず、縫うこともできないが、自分流のやり方をここでも貫いた。

本書では、シャネルならではの生き方について、美、恋愛、ファッション、仕事、人生など様々な分野ごとに書かれている。現代とは違い、女性というだけで、差別されたその時代に、自分自身を貫いてきた「シャネル」というスタイルには、現代でも共感できる部分は多くある。

人と同じであることに疑問を持つ人には、是非読んでほしい一冊である。

 

ココ・シャネルの言葉 (だいわ文庫)

ココ・シャネルの言葉 (だいわ文庫)