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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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相互理解のきっかけに。『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』

今後世界は資本主義から価値主義に移行していくというのは、本書の主張の一つだ。詳しくは第3章を読んでほしい。ここでいう価値とは次の3点に分けられる、有用性、内面的、そして社会的だ。

経済という大枠で捉えようとするよりも、身近な環境でなぞる方が腑に落ちるかもしれない。それは例えばあなたが所属している企業の組織にも当てはめることができる。マネジメントする立場とされる立場、いずれの場合ももう一方の相手と価値観が合わず心がモヤモヤした経験はないだろうか。

30代前半の私はどちからといえば資本主義の精神が色濃い。後輩のモチベーションを上げるために予算達成という成果の価値を、給与や賞与を引き合いに出してきた。もちろんそれら自体を悪しとは思わないが、それらは大きく本書でいうところの有用性としての価値に分類される。

資本主義から価値主義に移行していく現在ではこのほかに、内面的な価値と社会的な価値も対価として求められる。この2つを置き去りにしてなるほど後輩のモチベーションは上がりきらないはずだ。価値主義を軸にした相手は業務上の成果のほか、感情の充実や対社会への貢献度も重んじる。この価値基準のギャップがそのままコミュニケーションギャップの温床になっている可能性がある。相手の考えに納得できない場合は、相手が何に対して価値を感じるのか、そこに目線を変えても良いかもしれない。

先日読了した書籍にも、多様性とは属性ではなく考え方であるという主張があった。多様化を推進するということは、自身の考え方ひいては価値観と異なる仲間が増えることを意味する。アウトプットそのものを判断し拒絶や反発をせず、そのアウトプットはどのような価値観に準じているのか、一度見極めることをお勧めする。人の価値観に普遍性は無いと思うが、同じ組織に所属している以上共通して惹かれるものはあったはずだ。相手を理解したいという姿勢があれば、きっと分かり合えるだろう。

まずは自身から行動しよう。

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)