HIU公式書評Blog

HIU公式書評ブログ

堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

MENU

勇者を倒せないのは秘書がいなかったから『魔王の秘書』

この物語はある国の王の秘書が魔物に攫われ、魔王の秘書になるところから始まる。本書は“ファンタジー×会社経営”だ。そしてその舞台として設定されているのが魔王城になる。社長に位置するのは当然魔王であり、その魔王のサポート役を秘書が担う。

魔王軍とは単なる魔物の集合体ではない、大組織である。そこには役職や役割があり、個人の価値観や主張、上司や部下との関係性も内包している。ゲームでは一度に戦う魔物の数はせいぜい5匹程度であるが故に、この魔王軍のスケールや比例して難易度を増すガバナンス強化の問題には気がつきにくい。

長い間見直されてこなかった組織、そこにメスを入れるのが本書のタイトルにもなっている秘書だ。各魔物の生態に合わせた福利厚生の充実。営業部や総務部、人事部など適材適所の再配置。野良の魔物に向けた求人と採用面接。大きい組織だからこそ、生産性を上げることでの組織力の伸び代は大きい。

この漫画は組織に属する全ての人に読んで欲しい。目の前のことに一生懸命打ち込むよりも、客観的に見つめ直すことで解決することも多い。例えばそれが漫画というアプローチでも良いのではないだろうか。