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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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自分だけの『コスパ飯』

コスパ飯』著者 成毛眞(新潮社、2017/4/15)

うまいのは当たり前。どれだけ投資効率が良いのか。そんなコスパを追求した『コスパ飯』と著者がそこに辿りつくまでの軌跡を紹介したのが本書である。著者は元日本マイクロソフト(株)代表取締役社長で、書評サイトHONZ代表の成毛眞氏だ。

著者の経歴から、さぞかしうまいものを食べてきたのだろうと思われるだろうが、これはそのとおり、著者も「あちこちでうまいものを食べてきた」と言っている。

しかし、意外なことにどこで食べたものが一番うまかったというと、自宅で食べたものだという。なぜなら、飲食店ではためらうようなアレンジを、自宅なら誰にも迷惑をかけずにできるし、さらには自分好みにバージョンアップもできるからだ。

本書で紹介されているものの中でも、著者が愛飲しているバーボンに粟大福が最高に合うことを発見したきっかけから、ほんの少しのアレンジでさらにバーボンに合うことが分かったときの著者の感動具合といったら、そこまでなるか!?というくらい面白い。

その部分を引用してみよう。

「ソフトフランスパンのように控えめに香る薄い皮は軽く塩が利いていて、そのすぐ下に潜んでいる粟のふんわりとした食感は郷愁をそそる。(中略)渾然一体となって、どうだどうだと私に訴えてくる。泣いてたまるかとぐいと水割りを飲む。ああ、もう、ヤバいなんてもんじゃない。」

これを読んで、粟大福とバーボンの組み合わせを試してみようと思ったのは私だけではないはずだ。

また、著者は北海道出身ということもあり、蟹やジンギスカンなどの北海道の食に関する話も多い。その中では、ジンギスカンのタレ(以下「ジンタレ」)だろう。本書では大根ステーキのジンギスカン風味が紹介されている。

私も北海道民なので、冷蔵庫にはジンタレは常備している。さっそく試してみたが、この大根ステーキが思った以上にうまかった。ジンタレにジンギスカン以外の使い道があったのかと北海道民としてとても嬉しくなった。

さらにいろいろな料理に使ってみると、牛肉、豚肉、鶏肉にもあうし、野菜炒めにも相性抜群だ。ジンタレこそ『コスパ飯』になくてはならないものではないかと思えるほどだ。

レストランで「ジンタレありますか?」なんて、恥ずかしくて言えない。しかし、家ならできる。家でリラックスした状態で食べるからさらにうまくなる。そして、安くてうまいものには、高くてうまいものにはない、特別な喜びがあるのだ。一層うまく感じるのだ。

本書を読んだ後、あなたが求めるのは粟大福かもしれないし、ジンタレかもしれない。そしてその先に、自分だけの『コスパ飯』を求めたくなるだろう。そういった一冊である。