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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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宇多田ヒカルや椎名林檎を聞いて育った世代の人へ『いつか別れる。でもそれは今日ではない』著者 F(KADOKAWA 2017/4/21)

今は、ブログやツイッターによって、本を出すことのハードルは昔よりも低い時代だ。書店には、玉石混交毎日200冊以上の新刊が届けられる。
本書は、フォロワー数が15万人以上のツイッターアカウントから始まった本である。著者は平成生まれ(本文に書いてある)。おそらく男性(アマゾンレビューには、これは絶対に女性が書いたと思うと書かれたものもあった)。奥付の著者略歴を見ても、多くは語られていない。
このような本は「ツイッターで読めば十分だった」「本として読む意味がなかった」という感想になりがちな印象があった。その予想を大きく裏切られた。

この本は、今読むということに価値がある本である。
今の時代がどういう時代かを、肌に感じることができるからだ。
テーマは恋愛や結婚、人間関係、人生観など幅広く、著者が「好き勝手」話している感じが心地よい。そしてこの著者が今の若い世代に支持されているということを考えると、今の若い世代の雰囲気を感じるのにとても役立つ本だと思う。

ただ断っておきたいのは、エッセイとして読むにしても、詩のようなちょっと変わった文章も多く、まったくピンとこない人がいるだろうということ。これを読んでどう感じるかは、読む人しだいだと思うので、全員にはおすすめしない。「中身のないわけのわからないことを若輩者がいっている」と思う人がいても驚かない。

でも私は、何度も心を揺さぶられた。同じようなものを聴いて、見て育ってきた人がどんなものを書くのか、同世代として同時代に読めるということに幸せを感じた。「丸の内サディスティック」で初めて知った丸の内という場所のイメージと、就活で何度も言った丸の内のイメージが全く別物だったこと。そんなことを思い出したりした。

本書を読んでいるときに、なぜか私の頭には枕草子が思い浮かんだ。「春はあけぼの~」などと書かれた古典も、実は同じようなテンションで書かれたのではないか。数百年後に、21世紀の若者の気持ちを理解するために、国語の教科書に載ったら、いとをかし、と思う。