HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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すべてはプリファレンスとリーチである 『確率思考の戦略論』 著者 森岡毅 今西聖貴 (角川書店 2016/6/2)

本書はユニバーサルスタジオジャパンハリーポッターの新エリアに投資すると決めた当時のマーケティング責任者である森岡毅氏が書いた本である。

 

本書の結論は至ってシンプルだ。

マーケティングはプリファレンスとリーチをコントロールすれば思い通りにできる。

こう言われても普通は全くわからないと思うが、プリファレンスとは個人の好みのことである。経済学の世界ではあることに対して一定のプリファレンスを超えると人は行動を起こすと考えられている。


USJを例に出すと、USJの存在は知っているが、別に行こうとは思ってはいなかった。だが、大好きなハリーポッターの世界が現実にできると知るとUSJに対するプリファレンスが一定を超えUSJに遊びに行くという行動をとる。

また、リーチとはそのことを知っている人の数もしくは時折思い出してくれる人の数のことである。
USJのことを知らない、もしくは新しくハリーポッターのエリアができたということを知らせなければプリファレンスが変わることもなくUSJに来場してくれる人も増えない。


ホリエモンこと堀江貴文氏がフジテレビを買収したかったのはこのリーチを手に入れるためであったというのは有名な話だ。

著者はこの2つを一体どうやったら増やすことができるかを本気で考え、実践し、ディズニーを超えるテーマパークを作りあげたのだ。
このストーリーが丁寧に本書には書かれている。

 

さて、この話はすべてのマーケティングに役に立つ。USJのように巨大ビジネスから個人ブログまで。
プリファレンスとリーチをいかに増やすかを考え、実践すれば必ずマーケティングは上手くいく。

さらに、本書は基本的な内容はわかりやすい言葉で書かかれ、これに加え理論部分は数式を用いてロジカルに説明されている点でも大変優れている。

数理マーケティング国内唯一の教科書と言って全く差し支えない内容となっている。

なので、すべてのマーケッターに是非読んでもらいたい。