昨今話題のNEWS PICKS本の第一弾である本書。
本書には、日本人には教養が足りないと常々おっしゃっているNEWS PICKS佐々木編集長のメッセージと、
ライフネット生命元社長の出口さんと一橋の楠木先生の対談、
猪瀬元都知事をはじめとした教養人による教養を身につけるためのブックリストが掲載されている。
本書において印象的なことが2点ある。
1つ目は、本を読むことのコスパの良さを再確認させられた点である。
出口さんと楠木教授の対談の中で、はっきりと読書は圧倒的にコスパが良いと話をされている。
それもオーダーが違ってコスパが良いと言っている。
それもそうだ。
この本は値段は1000円ちょっとで、読むのに2時間強の時間が必要だが、世の中にある面白そうな本を130冊を一気に知ることができ、かつその本に対してなぜこの本が良いかの教養人の考えを知ることができるのである。
読書をしないなんて考えられない!。
2つ目は、人間はアホであるため、教養が必要だという教養に対する考え方である
(やや私が拡大解釈していると思うが。)。
本書にも、一般的な「教養」の捉え方である、「ビジネスをする基本能力で、スポーツをする上での足腰である」や
「教養とはリベラルアーツのことで、それは自由になるための技術である」等記載されているが、
教養人の紹介するブックリスト及びそれに対するコメントを見るとこれらとは一線を画する教養の捉え方が浮かびあがる。
「人間は元来アホだから教養が必要である」というのだ。
出口さんは直接的に、「(以下、引用)僕は『フランス革命の省察』を書いたエドマンド・バーグの保守主義からは大いに学ぶことがあると思っている。
彼が言ったことは、要するに「人間はアホだ」ということなのだ」と書いているし、
経済の本を紹介している大阪大学教授の大竹教授は、
「人間は合理的な行動を常にしているわけではない。そのことを理解しないとビジネスはできない。」とのことで、
『予想通りに不合理』(ダン・アリエリー著)等を紹介している。
アホとまでは言っていないものの人間は合理的でないとはっきりと言っている。
また、元Microsoftの中島聡氏は、本でないものビル・ゲイツが1995年にマイクロソフト車内に向けて送ったインターネットに関するメールは必読だと書いている。
しかし、実際はマイクロソフトの社員はWindows95の成功に浮かれ、このメールの真意を理解するする社員はごくわずかであり、2000年代に停滞の10年を迎えたと書いてある。
やはり、人間そんなによくはできていないのである。
この本を読んで、自分がアホであることを再認識させられた。
アホである自分を少しでもアホでなくすために、コスパの良い読書をし、本書のブックリストにある本を読みたい。
みなさんもどうだろうか。