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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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『魚屋の基本 角上魚類はなぜ「魚離れ」の時代に成功することができたのか?』著者 石坂智惠美(ダイヤモンド社)

皆さんは「角上魚類」という店を知っているだろうか。新潟の寺泊から始まり、今では全国に直営店を22店舗を展開する鮮魚専門店だ。「魚離れ」が叫ばれて久しい昨今だが、この店は設立40周年を迎える2016年まで、右肩上がりの成長を続けている。

本書はこの店の経営者である柳下浩三のこれまでの経営判断が、エピソードと共に記されている。たかが魚屋と侮ってはいけない。本書にはビジネスに携わる人間として学ぶべきことが多分に盛り込まれている。

特に学ぶべきは、角上魚類が1984年に出店した県外1号店の群馬県 高崎店をオープンさせた時のエピソードである。
「海なし県に日本海の新鮮な魚を持ち込めば間違いなくヒットする」、柳下のこの思惑は見事に外れた。なぜならば海なし県がゆえに、鮮魚を調理する、食卓に囲むという文化が根付いていなかったのだ。

内陸のため輸送費がかかる分赤字に転じるこの危機を、対面販売で毎日多種多様な魚のさばき方や調理のコツをお客にレクチャーすることで柳下は打破した。そう、「地域住民の魚に対する認識・知識が薄いこと」を売上不振の問題と定義し、如何に日本海で獲れる魚の美味しさを受け入れて貰えるかという課題を、対面販売によって解決したのだ。このエピソードはまさしく市場の創出だ。

本書には他にも柳下の、ひいては角上魚類の“判断”の連続が記されている。
働くとは判断の連続だ。自身の仕事に迷いを感じているなら、本書を手にとってみてはいかがだろうか。