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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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世界一醜く、歌も歌えるヘンテコな生き物『ハダカデバネズミ』

ハダカデバネズミ』 吉田重人・岡ノ谷一夫

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ハダカデバネズミ』、漢字で書くと『裸出歯鼠』、
名前の通り毛がなく出っ歯な鼠について、理化学研究所の生物言語研究チームが書いた本だ。

ハダカデバネズミ』のヘンテコな特徴ついていくつか述べると、まず鼠のくせに40年も生きる。
全長3キロもの巣を掘り、土の中で住んでいる。蟻や蜂のように女王が存在する階級社会である。
しかし、女王になるのは実力主義で一番大きく強い個体がなる。
そのため、女王は新たな女王候補が生まれた瞬間に新人殺しに向かったり、なかなか野心も強い。
役職には、敵が来たら囮となり、食べられに行く兵隊役、巣を作ったり食べ物を集める働き役、
そして子供達を温めるふとん役がある。
こいつは哺乳類のくせに変温動物なのだ。つまり、寒くなると死んでしまうため土から出れない。
また、パピプペポを発音でき、意味のある17種類の言葉を発する。
言葉は教育により覚える。また、意味はまだ不明だが歌を歌うこともある。
とにかく『ハダカデバネズミ』は無茶苦茶なやつだ。

著者の岡ノ谷先生は生物言語研究チームであり、鳥の言語などの研究をメインで研究しており、
その過程で音を出す動物ということで現在は『ハダカデバネズミ』の研究を行っている。
また、この本が出ている岩波科学ライブラリーシリーズは、100ページで1500円と高額な本である。
しかし、ウミウシクマムシ、ウジ虫そして、エピジェネティクスなど非常にマイナーな分野の本を次々と出していて非常に面白い。

またこの本の舞台は研究室である。生物学研究室での生活が表されている点でも研究にかかわる人間はもちろん、全く知らない人が読んでも面白い。
研究室での恐怖の日、停電の日が年末年始にあたり、ストーブが使えないため、
ハダカデバネズミが絶命の危機に陥る。そこで、研究室に泊まり込み温度調整をして『ハダカデバネズミ』を守る。
研究のために徹夜をしたり、実験の条件のために昼夜逆転した人間がいたり、研究生活のリアルが描かれている。
ハダカデバネズミ』について興味がある人、生物学について興味がある人、
そして、生物学系の研究生活について興味がある人におすすめである。