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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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『スーパーベターになろう!──ゲームの科学で作る「強く勇敢な自分」』 ジェイン・マクゴニガル 著

 

この本、まず著者が興味深い。著者のジェイン マクゴニガル教授は、『スタンフォードの自分を変える教室』等の著書で有名なケニー・マクゴニガルの双子の姉で、世界で初めてゲームの関する研究で博士号を取得した研究者兼ゲームクリエーターである。
彼女は、「ゲームフルな精神があると、人生を良い方向に変えることができる」と主張する。ゲームフルな精神とは、RPGゲーム(例えば、ドラクエ)をやっている際に誰でもやっていることで、具体的には、悪者であるボスを倒すために、仲間を増やし、呪文を覚え、レアなアイテムを探し、ボス戦に倒せるかわからないがチャレンジすることである。
これを実生活に置き換えると、何か自分の生活を苦しめている物事(悪者であるボス)を解決する(倒す)ため、人との繋がりを持ち(仲間を増やし)、自分自身のスキルを上げ(呪文を覚え)、ブレークスルーとなる物や言葉を探し(レアアイテムを探し)、解決できるかわからないがチャレンジする(ボス戦にチャレンジする)こととなる。このように言われると、著者の主張を納得できるのではないだろうか。

また、この本では「クエスト」という形で具体的にこういった悪者にはこうしようという具体例が書かれている。微妙なものもあるが、僕の実践を元に良い例をあげると、「時間が足りない」という悪者を倒すために、逆説的に「時間を自分のためではなく他人のために使う」という「クエスト」がある。
個人的な話だが、どうでもいい仕事をさっさと終わらせて、自分のやりたい仕事に集中したい(自分のやりたい仕事に集中する時間が足りない)と常に思っている。なので、この「クエスト」を実践し、自分の後輩君に目を向け、後輩君が仕事上でどのように立ちふるまえば良いか考え、会議の終わりとかの隙間時間にラフな感じでアドバイスするようにした(時間を他人のために使った)。そうすると、あるタイミングから「(僕が)何か大変そうだから」といった理由で、後輩君が面倒くさい仕事をやってくれるようになった(笑)。自分のアドバイスで多少なりとも後輩君の生産性が上がり、僕はやりたい仕事に集中する時間が増えるという、一石二鳥のことが起きた。

さらに、著者は「ゲームをすること自体も人生を良い方向に変える」と主張する。そんな都合の良いことを言われたら、早速実践である。
具体的に、ほぼ毎日、仕事帰りの電車で「将棋ウォーズ」をやるようにした(中学生の時に将棋にはまり、1番強い時は、アマ四段位の棋力があった。今は、初段くらい。今も好き。)。帰りの電車の中で目の前のスマホ上の盤面に集中して、相手の玉を詰ますために、手を読むのである。(自分の読み通りで勝てると嬉しいし、自分の読みにない手を指されて負けるのはそれはそれで楽しい。)これをやってから明らかに、仕事によって感じていた疲労感やストレスが開放されているのを感じた。

最後に、この本には、適当な自己啓発本とは違い、しっかりと科学的なエビデンス記載されている。なので、本を読んで実践あるのみなわけである。