HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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ライター:のもとゆり

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のもとゆり

【書評】生まれ変わりなんてあり得ない? 『月の満ち欠け』

第157回直木賞を受賞したこの作品は、一風変わった恋愛小説だ。 主人公の瑠璃は結婚した後に出会った大学生と運命的な恋に落ちる。だがその後、瑠璃はあっけなく電車に轢かれる事故で死んでしまう。 瑠璃は一度死んでまた別の人間として生まれ変わり、過去の…

【書評】小説を読むことの醍醐味『物語のなかとそと』

小説を読む目的は、人によって様々だと思う。スリルを味わいたくてミステリーが好きな人、現実を忘れてしまうようなファンタジーが好きな人、恋愛小説が好きな人など好みは人それぞれだ。私がどんな小説を好きかと聞かれたら、「何も事件が起こらないのに読…

現役時代がいつまで続くかはわからない『定年後』

この本には、著者が会社をやめて定年を迎えてからの生活の変化や、周りの定年を迎えた人々のエピソードなどが多数書かれている。 今の私にとって、仕事を辞めた後のことはあまり考えたことがなかったが、「行くところがなくて困る」「自分の名前を呼ばれる回…

明るく爽やかにひとりの時間を持とう『SOLO TIME ひとりぼっちこそが最強の生存戦略である』

「群れ」の中で生活することで知らず知らずのうちにストレスをためてしまう現代人に、精神科医の著者は「ひとりの時間を持つ」つまり「ソロタイム」を持つことをおすすめしている。 「ひとり」というと、どうしても「lonely」という言葉が意味するような「寂…

エモーショナルなビジネス書『オプションB』

本書はfacebookのCOOシェリル・サンドバーグが最愛の夫を休暇先で突然亡くした経験から生まれた。タイトルの「オプションB」とは、「次善の選択肢」という意味である。 シェリルの夫が突然亡くなったように、人生は思いがけないことの連続だ。そんな逆境を乗…

人生は限りあるものだということを忘れている人へ『人生でほんとうに大切なこと』

本書はがんと告げられた患者と、その患者の心のケアを専門に行っている精神腫瘍科の医師の話だ。がんになることは誰も望まないけれど、それによって起こることすべて不幸とは言いきれませんという言葉が心に残った。命の起源を言われて初めて人間関係など自…

何を読もうか迷っている人に絶対におすすめしたい本『緊張をとる』

本書は演技トレーナーの著者によって書かれた、緊張をとるための方法論について書かれた異色の自己啓発本だ。元浪速の天才美人女優で今はスナックを経営している「ママ」と、広告代理店でのプレゼン大会に臨む会社員との全編対話形式であるため、ストーリー…

本当に役立つお金の使い方を知っていますか『なめらかなお金がめぐる社会。あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。』

本書は「CAMPFIRE」「BASE」などのウェブサービスを作り出してきた家入一真氏による著書だ。私は以前「CAMPFIRE」を通じてクラウドファンディングに協力したことがあるが、その体験は私にとって新しいお金の使い方だった。とある本屋さんのオープンに資金協…

『劇場』

作者が又吉氏ということもあり、どうしても主人公と作者がかぶってきて想像が膨らむが、その要素を一度無視して感じたことを書きます。これは劇団の脚本家としての夢を諦め悪く追う男・永田と、東京になんとなく出てきて専門学校に通う女・沙希の恋愛の話。 …

言葉が思考を柔らかくする『紋切型社会 言葉で固まる現代を解きほぐす』

具体的に誰が泣いたのかわからない映画の宣伝文句、「全米が泣いた」。年寄りがよく言う「若い人は、本当の貧しさを知らない」(「若い人は、苦労を知らない」も然り)。結婚式での定番、「育ててくれてありがとう」。そんな今まで何度も聞いたことのあるよ…

子どもがいても、いなくても。『私、子ども欲しいかもしれない。』

この本は、エッセイスト・犬山紙子さんの「子どもを産んで、仕事と子育ての両立、本当にできるの?」「自分の時間がなくなってやりたいことができなくなって息苦しいんじゃないの?」「自分のことばっかりかわいいダメ人間にはやっぱり無理なんじゃないか?…

ダイヤもお寿司も自分で買おう『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』

親が女の子にかける言葉の定番、「優しくていい子になってね」。この本の著者、西原さんはそれを否定する。「いい子にならなくていい」「まずは自分がちゃんと幸せになる」「自分の幸せを人任せにしない」、そう強く伝える。西原さんがこう言うのには理由が…

コンプレックスを克服するための本ではありません『コンプレックス文化論』

「コンプレックス」と聞いて、何が思い浮かぶだろうか。この本は、天然パーマ、下戸、解雇、一重、親が金持ち、セーラー服、遅刻、実家暮らし、背が低い、ハゲというコンプレックスになりがちな代表的な特徴を1章ごとに取り上げ、深い考察をまとめた1冊だ…

ビジネス書から見る時代の変化と普遍性『平成のビジネス書』

本書は163万部のミリオンヒットとなった『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(光文社新書)著者による、2000年から2010年までの「ビジネス書黄金期」において書かれた書評をまとめた一冊だ。 なぜこの時期をビジネス書黄金期と呼んでいるのか。それはこの期…

15分で読めるけれど一生心に残る本『人生で大切なたったひとつのこと』

『人生で大切なたったひとつのこと』著 ジョージ・ソーンダース 訳 外山滋比古、佐藤由紀(2016/1/25、海竜社) あなたが生きている中で大切にしていることはなんだろうか。家族?仕事?なにか達成したい目標や、成功するための夢?人によって、それぞれ大切に…

なぜ人間の選択は間違うのか『かくて行動経済学は生まれり』

『かくて行動経済学は生まれり』著者マイケル・ルイス訳渡会圭子(文藝春秋、2017/7/15) 生きるということは、小さなことから大きなことまで、選択の繰り返しだ。朝何時何分の電車に乗るか(それによって人身事故に巻き込まれ遅刻するかしないかが決まる)…

文章フェチの貴方へ『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』

『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』著者:神田桂一、菊池良(2017/6/21)宝島社 小説を読んでいると、その著者の文体に惹かれることがある。最初の2、3文を読んで、合う、合わないがわかる。例えば村上春樹の翻訳のような文体、三島由紀…

電子書籍で満足できる人は読まないでください『装幀談義』

『装幀談義』著者:菊地信義(ちくま文庫、1990/4/24) 「装幀家」という職業をご存じだろうか。本のコンセプトに合わせて、カバーやオビのデザイン、紙の種類を考える、一言で言えば本の顔を作る職業のことだ。著者のように大きくカバーに名前が載ることは…

宇多田ヒカルや椎名林檎を聞いて育った世代の人へ『いつか別れる。でもそれは今日ではない』著者 F(KADOKAWA 2017/4/21)

今は、ブログやツイッターによって、本を出すことのハードルは昔よりも低い時代だ。書店には、玉石混交毎日200冊以上の新刊が届けられる。本書は、フォロワー数が15万人以上のツイッターアカウントから始まった本である。著者は平成生まれ(本文に書いて…

自分の人生を生きよう『多動力』書評リレー4走目

本日は『多動力』書評リレー第4走目です。 今回の書評は、少し個人的な話から始めます。 私は今年で社会人6年目だが、転職をして今の会社が3社目になる。1社目も2社目も、2年半で辞めているため、ひとつの会社に3年いたことがまだない。親世代の人や、一部の…

ビジネスでの飛躍的な結果と、自分の人生の幸せを両立したい人へ『サーチ・インサイド・ユアセルフ』

最近、「マインドフルネス」という言葉をよく耳にする。マインドフルネスとは一言でいえば、「今、この瞬間」に意識を集中させること。日本語では、「瞑想」と呼ばれたりもする。 「瞑想」と聞くと、どうも怪しい、宗教っぽい、なんて思う方もいるかもしれな…