HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】やらなかった後悔で満たされないために 『自分のことだけ考える。無駄なものにふりまわされないメンタル術』

自分のことだけ考えて生きていますか。他人の顔色を窺ってストレスを溜め込んでいませんか。本書は他人を気にした人生を送ることの無意味さを説き、一人でも多くの人が幸せに過ごせるように語りかけている。

重要なことは自分が何をするのか、それによって何が変わるのかだ。自分の為すべきことに信念があるのであば、他人の悪口は気にしなくていい。その信念が客観的に正しいのか間違っているのかどうかも重要ではない。大事なのは、まずは自分中心に考えることだ。

理解されたいなんて思わない。周囲との軋轢を避けたところで誰かが褒めてくれるわけではないし、精神衛生上も悪い。私も他人の顔色を窺って行動することが少なからずある。そしてその時間が終わった時に物凄いストレスを感じている自分に気づく。そんな気持ちになるぐらいだったら仲良しごっこなんてやめて、さあ炎上しようか。

著者の堀江貴文氏はこれまでも『本音で生きる』、『好きなことだけで生きていく』など他人を気にせずに行動することの大切さを伝える本を多く書いている。本書はその中でもメンタルを変えることに特化した内容だ。

私自身、メンタルが強い方ではないためこの本の言葉が身に染みて時々読み返す。無駄な気遣いなどせず、自分のことだけ考えて生きていこう。他人の期待を満たすために生きているうちは、自分の人生を謳歌することができない。

【書評】部下と一緒に飲み屋で愚痴っていいのは係長まで『はじめての課長の教科書』

本書は世界初の中間管理職の入門書だ。世界中で従業員のための本、経営者のための本の良書はよくあるが、日本の組織では中間管理職が非常に重要となる。

課長はなぜ最も大変で、重要となるか?。まず1つ目は優秀でない部下の世話をする唯一のポジションだからである。部長になると部下は課長であり優秀な人が集まる。一方で、課長の部下は新入社員から、年配まで、優秀な人から優秀でない人まで、一人一人マネジメントの仕方が異なる。

また、課長というのは情報が最も多いポジションでもある。部下からの情報、上司からの情報がともによく集まる。そのため、上下にその多い情報をどう翻訳して伝えるかがポイントとなり、非常に大変だ。

本書ではそんな大変な課長のための泥臭いノウハウをまとめたものである。部下の悪いことは報告せず部下を守る。予算は最悪のシナリオを描いて作成する。などの話から部下が病んだらどうするか、部下が会社を辞めたいと行ってきたらどうするか、外国人の部下は、、などという、リアルな悩みへの解答もある。

本書は『はじめての課長の教科書』というタイトルではあるが、若手社員にこそオススメだ。課長にはどういうスキルが必要か、日本の会社はどういう仕組みで動いているかがわかるだろう。米国のビジネス書ばかり注目されがちだが、日本のビジネス書ゆこそ日本の組織で役に立つことが書いてある。

新版 はじめての課長の教科書

新版 はじめての課長の教科書

【書評】株って簡単だし、楽しいじゃん! 『めざせ「億り人」! マンガでわかる最強の株入門』

仕事をクビになった女の子が株に興味を持ち、億を稼ぐトレーダーになることを目指して頑張る物語。マンガの合間に株取引の説明が入り図解も多く、理解しやすい構成となっている。著者の安垣理氏は自身の20年以上の株式投資の経験から本書以外にも入門書を多く執筆している。

まず衝撃だったのは株の売買金額は必ずしも決まっていないということ。それまで私は、株価はその時点においては一定の金額だと思っていた。例えば午前中には1000円で買えた株が、株価変動により午後には1050円でしか買えないというようなものだと捉えていた。しかし、指値注文という自分で売買金額を指定できる方法があることが分かり、自分で売買金額を決められるなんて面白いなと興味が加速していった。

ファンダメンタルズ分析、テクニカル分析、板情報、決算短信、PER、PBR、ROE・・・。前言撤回!理解できないじゃないか。分析方法がたくさん載っているが株取引をしたことがないと実感できない。私はここで本を閉じ、株取引を始めてみることにした。実際に取引を行う中で損も得も経験したが、それまでと比べて経済ニュースがより鮮明に頭に入ってくるようになった。

私は株取引を始めてはや一年になる。今でも分析方法について全て理解できているわけではない。それでも、他の入門書に比べればマンガが萌えテイストなこともあり、読みやすい。株に興味を持っているけど踏み出せない人、本書を読んで株の世界へ踏み出そう。やってみて分かる世界がそこにある。

マンガでわかる最強の株入門

マンガでわかる最強の株入門

【書評】あなたも頼ってみる?『「おっさんレンタル」日記 』 

「おっさんの地位向上!」のために僕はおっさんレンタルを始めた。
きっかけは電車内で聞こえた女子高生のありふれた会話だった。「おっさんてすぐ説教するし、嫌なんだけど。見た目もイケてないし。」よくよく聞くと話しているのは学校の先生のことのようだが、ここで一つ思いあたることが。。。

僕ってもう「おっさん」じゃ無いのか?イヤイヤおっさんだってみんなの役に立てる!。それなら僕がおっさんのいいところ見せたろ!。そう奮起して始めたのはおっさんレンタル!?。

レンタルされる日々で「おっさんの地位向上」という目標は達成できたのか?。はたまた、自己満足だけで終わっているのだろうか?悩みもがき試行錯誤しながら前に進むおっさんの人生日記。

おっさんレンタルとは?
①レンタルしたい人がホームページから注文
②メールなどで会う日時などをやり取りする
③実際に依頼人にあって「レンタル内容」をこなす
④1時間が過ぎた段階で終了(延長も可) ※1時間:1000円

依頼内容は服選び、職場や友人関係の悩み、恋愛相談など多種多様。中でもダントツで多いのは「話をきいてほしい」というもの。身近な人には相談しにくいことでも、赤の他人になら気にせず話せることもあります。何でも屋をうたっていても肉体労働の依頼は来ないみたいです笑。

作者が受けた依頼内容の中で私のココロに一番刺さった話を紹介します。
「医者を目指すIさんの夢」
Iさんは両親が医者であるため、自分もなんとなく医学部に進学したが、人生が全然面白くないことに悩んでいた。若い人に夢を与えたいと考えた作者の西本さんは懸命に励ますが、彼女の心には響いていない様子。Iさんのネガティブ発言が医者という存在を馬鹿にしているように思えて西本さんはついには激怒した。しかし、それこそが彼女が求めていたことだったのである。両親にも怒られたことがないIさんは、弱気になった自分を誰かにしかってほしかったのです。
自分のことでもわからないことはたくさんあります。誰かに相談することで自分これまで
見つからなかった答えが見つかるかもしれません。

おっさん日本代表を自称する作者の西本貴信さん。実はすごい人なんです!
22歳で渡米 映画やドラマのスタイリストとして活動開始。帰国後はファッションプロデューサーとしてブランドディレクション等に関わる。現在は百貨店スタイリスト、大手スタイリスト事務所等のエグゼクティブプロデューサーを歴任。普通のおっさんちゃうやん!思わずツッコミたくなるくらいハイスペックなおっさんでした笑。

お金をもらう意味が変わった瞬間、依頼の対価は1時間1000円。儲かりもしないレンタル活動。それでも続けるのは依頼人を応援することで自分も元気をもらえるから。レンタル代金とともに時折、「ありがとうございます」などのメッセージや手紙を頂く。それは不思議な感覚でそれまでの「仕事の対価=お金」であった価値観が変わった。

「人のために生きる」こんな自己表現ができる西本さんはやはりかっこいいおっさんだ。

「おっさんレンタル」日記

「おっさんレンタル」日記

【書評】100年前のユーラシア大陸横断旅行『明治の建築家 伊藤忠太 オスマン帝国をゆく』

築地本願寺湯島聖堂を設計した建築家、伊藤忠太が3年かけて日本建築のルーツを探る旅に出ます。筆まめだった忠太が記した100冊にもなる手帳を元に現在トルコの大学で教鞭をとる著者がトルコの文献と照らし合わせて解説します。建築意匠の細かい洞察から現地の様子、渡航中の生活費まで細かく書かれていて興味深い作品です。

当時アジア建築の学術書がなく、アジア建築は西洋建築より劣ると記された西洋文献に忠太は憤慨し、旅に出る決意をします。留学といえばドイツやイギリスだった当時、アジアへの渡航を国費で行くため奔走する所から始まり、行く先々で語学を習得し、柔軟に旅を続けます。探究心と情熱がパイオニアを作り出すのだなと読んでいてわくわくします。

絵が得意だった忠太の挿絵は、トルコの温泉で妖怪と混浴したり日本刀でノミと格闘する姿など、微笑ましいものばかり。日露戦争中も旅を続け、かなり好奇な目で見られたようですが、それも面白がっている様子が伝わります。その人柄にたくさんの人が国籍問わず彼の旅に協力します。

旅好き、歴史好きな人におすすめです。築地本願寺は変わった風貌だなと思っていた人もその謎が解けるでしょう。この本を読んでから行ってみるとまた違った趣を感じられるかもしれません。

明治の建築家 伊東忠太 オスマン帝国をゆく

明治の建築家 伊東忠太 オスマン帝国をゆく

【書評】アニメ化もされた!!ツイッターでバズる漫画!!貴族出の少女士官と殺戮兵器に人体改造された男が、”戦災”という病からこの国を救っていく--!!!『Pumpkin Scissors』

本作は戦争終結後の戦災復興がメインのテーマで、「戦争が終わったからといって人々の苦しみ悲しみが即座に無くなる訳ではない」という戦争後の国の混乱について取り上げている作品です。

主人公のランデル・オーランドは脳改造されているため、ランタンに蒼い炎を燈すと、苦痛や恐怖を感じ、それらを凌駕する殺人思考に突き動かされ、生身で戦車を破壊する殺戮兵器と化します。ランデル・オーランドの戦争で多くの人間を殺してきたその罪悪感に苦しんでいる姿が印象的です。

ヒロインのアリス・L ・マルヴィンは一般の貴族とは一線を画する拝命十三貴族のマルヴィン家の次期当主です。「貴族は何事にも公平な孤高の正義であるべし」という価値観を持ち、貴族として公平であるために自身の一切を犠牲にしてまでも正しくあろうと固辞する姿に周囲は危なさを感じています。

“不公平な世界が許せない”という信念をもとに「パンプキン・シザーズ」が活躍していく胸を熱くする漫画です!! 

【書評】ビジネススキルはスポーツと同じ、日々練習することで鍛えることができる『たった一人で勝つ方法 稼げるフリーランスの仕事術~人間関係編~』

本書は前作『たった一人で勝つ方法 稼げるフリーランスの仕事術~仕事編・メンタル編~』の続編であり、人間関係に特化したものである。

著者は営業マン、営業コンサルタントとして約20年以上の経験があるそうだが、そのうち7年もの間は、ダメ営業マンだったという。しかし、8年目にして突然トップセールスマンになったそうだ。なぜ突然トップになれたのか。その秘訣についてまとめられている。

会社員と違いフリーランスになるには、自分で仕事をとってくる営業が重要である。相手の困っていること、また面倒だと思っているような悩みを理解し、解決する方法を提示できるかが、鍵なのだ。そのため常日頃からどのような人が、どのような悩みを持っているのかを知ることが大切だ。

さらに、仕事をする上で第一印象を良くすることも大切だ。初対面の人を短時間で見抜く人事担当者も「見た目」で採用を決めているという企業は非常に多い。評者も仕事で定期的に面接官を行っているが、その際も同じく「見た目」で判断している。

それはもちろん、顔の作りやスタイルがいいかということではなく「見た目」でその人が誠実な人なのか、または、いい加減な人なのか、仕事ができる人かなど、その人の「見た目」や雰囲気にすべてが表れているということだ。それほど印象は大事なのだ。

しかし、中には面接で不採用になったことが納得できず「あんな短い時間で何がわかるのか」「不採用の理由を教えろ」とクレーム電話をしてくる人が度々いるが、ある意味そういうことをしそうな人ということが、事前にわかったから不採用にしたのだ。それは、判断が間違っていなかったという証明にもなった。

また、ビジネスにおいては「雑談力」も不可欠なスキルだという。特に会社の名前や後ろ楯のないフリーランスは、初めて仕事をする相手から警戒心を持たれやすいため、雑談が緊張感を緩和させることになる。

さらに、相手が興味を持っていることや相手にメリットがある情報を提供し、いい距離感でコミュニケーションがとれれば「雑談から仕事が生まれる」こともあると著者はいう。

著者自身は理系出身で、意外にもコミュニケーション能力が低いそうだ。人前に出て話したり、懇親会などで知らない人と雑談するのも緊張するという。仕事のできる人や営業、コンサルタントの仕事を選ぶ人は、ある意味コミュニケーション能力に長けている人がほとんどだと思っていたが、苦手意識を持っているとは非常に驚いた。

本書では著者の経験から成功例や失敗談、うまくいく人、いかない人の具体例が書かれているため、とてもわかりやすい。また、ビジネススキルはスポーツなどと同じように、日々練習することで鍛えることができるという。そのため本書を読むことで、誰でも今からスキルアップすることが可能なのだ。

【書評】悩みっぱなしの方へ 『あなた何様?』

私たちはなぜ悩んでいるのか。人間だからでしょうか。という哲学的な問いは置いといて本書は“世界一ふざけた心理学”がサブタイトルであり大変読みやすくなっています。

本書は悩みを“免罪符”と捉えています。悩んでいる状態のおかげで何かをしなくて良いから得をしていると。悩んで自分を責めていると“ダメな自分”が出来上がります。ダメな自分を作り上げるのはカムフラージュであり、それを建前に「やらずに放置している何か」があります。様々な言い訳を作って自分の奥底に抑圧したその「やらずに放置している何か」は自分の人生を変えてしまう位の重要かつ強力なものになります。

悩んで沢山の不安を鋳造している人に質問です。昨年の今日、悩んでいたことは何でしょうか。この質問に答えられる人はいますか?

ダメな自分をねつ造するのはもうやめましょう!本書は悩むのが得意な人におすすめです!

あなた何様?

あなた何様?

【書評】やりがいと楽しさに唾を吐き、夢と希望は便所に流す『お前なんかもう死んでいる』

「ちょっとずつ給料が上がっていく計算して、ちょっとずつ階段を昇るような人生を歩いているヤツなんかいい気味だって思いますよね。」これは本書の“はじめに”の一文である。

猿岩石人気が終わり仕事は消え、7~8年月収は一桁、給料は0。家に引きこもりノイローゼになり川俣軍司寸前になる。ホームレスの下見も行って炊き出しの見学もした。自殺も願った。本書はそんな当時のことが鮮明にリアルに生々しく書いてある。

著者はよくテレビで他の芸人のことを「あなたはスタッフから嫌われています。」という言葉を使う。これを掘り下げると実は猿岩石時代に天狗になりスタッフから嫌われて仕事が無くなったという実体験に行き着く。実力もない若手芸人が周りから持ち上げられ天狗になり降ろされる。そこから8年間の地獄が始まる。

本書はとにかくリアルで、著者はとにかくシビア。“やりがい”、“楽しさ”などの言葉に唾を吐く。実力なんか信じておらず、努力も全否定する。すべては“運”であり流れに乗れたから今があるだけだと確信している。夢も希望も便所で流してきた。その裏には8年間の地獄の痛みがあり、その痛みが自分が間違った方向に行くと警報を鳴らす。

著者は自分が無力であること知っている。そして芸能界のルールも熟知している。無力な自分がどうやってこの世界を生きていくか。漫才の練習をするのも良いが、嫌いでも力のあるプロデューサーと人工的な笑顔で飲むこともまた一つの戦法である。

具体的かつ実践的な法則の数々を本書で。