HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】企画・開発を行う全ての人に読んでほしい『世界一やさしい プロジェクトマネジメントのトリセツ』

PMBOKPMP、P2Mプロジェクトマネジメントに関する資格が少しづつ流行ってきている気がしなくも無い。本書はプロジェクトマネジメントについてさらっと一通り学べる本だ。

内容よりまずはターゲットから行こう。プロジェクトマネジメントは管理職はもちろん部下を持って企画・開発を行う人すべての人に学んでほしい。

さて本書人どういった課題が解決できるか・学べるかというと、プロジェクト遂行時の計画の立て方、仕事の振り方、途中で仕事が入ってきたときにどうするか、データはどうやって管理するとよいか、引き継ぎはどうするかそんなとこが体系的にまとめられている。

本書はあくまでプロジェクトマネジメントの入門の入門だ。しかし、ほとんどの人は計画の立て方などすら誰にも学ばずになんとなくでやっているだろう。人類がこれまで考え最適下したプロジェクト遂行ツールを学ぶだけでほとんどの人より仕事ができるようになるのである。

世界一やさしい プロジェクトマネジメントのトリセツ

世界一やさしい プロジェクトマネジメントのトリセツ

【書評】これ一冊でソクラテスとニーチェがなぜ凄いかを語ることができるようになる『正義の教室 善く生きるための哲学入門』

本書らタイトル通り一冊を通して正義とは何かについて学ぶ本だ。"平等"であることが正義か、"自由"であることが正義かそれとも"宗教"であることが正義かこれは人類が数千年かけて議論してきた普遍的テーマである。

本書では平等を尊重する"功利主義"すなわち合理的に幸福な人数が多いこと、幸福の総数が多いことがが正義である主義。

"自由"であることを尊重する"自由主義"、人に迷惑をかけない範囲で人は自由になることが正義である主義。

"宗教"を尊重する"直観主義"、家族を他人より大事にするだとか、伝統的なことは尊重される主義。

これらの主義について講義形式で登場人物とともに学ぶ物語だ。一方で長く語り継がれてきたテーマである正義だけあり問題点もいろいろとみつかる。

功利主義では幸福が多いことが正義のため少数派のことは考えられない、現在のLGBTQ問題などにもつながるだろう。

誰もが自由にしているとどんどん格差も開いてくる。実際現代でも格差問題は指摘されている。

宗教は大切だが、誰もがわかるように宗教による戦いは後を絶たない。

これらの問題には答えは未だないのだが、この議論の始まりにはソクラテスがいて、この議論はニーチェで転換期を迎えた。本書を読めばこの2人の凄さが痛感できるだろう。

ところで作者の飲茶氏は私は10年以上前から大ファンである。科学や哲学、数学をん借りやすく解説することができる人であり、学生の頃は読みふけっていた。是非みなさんにも読んでいただきたい。

 

 正義の教室 善く生きるための哲学入門

正義の教室 善く生きるための哲学入門

【書評】面倒な人間が増えたいま『いまこそアダム・スミスの話をしよう』

書店に行くと「好きなことで食べていく、会社〇隷解放宣言」などのタイトルの本が多く出版されていると感じる。また、自分探し系や幸せ系の書物も多い。

仕事は社会の必要によって生まれるものであるため、社会が変化すれば当然、仕事も変化する。現代では特に「個性」が重要視されているのかもしれない。私はその「個性」という言葉にある種、無秩序のようなものを感じるときがある。「やりたいことをやる」ということは個人の勝手であるが、その裏に「他人は関係ない」という他者を軽視したかのようなニュアンスを持つ人が少数いると感じる。

社会を構成する人間の割合で「他者を軽視」する人が多くなっていくとどうなるのか。それは「バカと付き合うな」という本が売れる世の中になっていることにつながる。「個性」をはき違えたために承認欲求と大いなるエゴを炸裂させ注目を集めたがる「大きい子供」みたいな人が増えた気がする。

社会は誰もあなたの未熟なエゴと個性なんか待っていない。なんだったらそういった承認欲求モンスターに承認欲求(エサ)を与えることができるくらいの余裕を持った「大人」を社会は待っているのだ。

気づいてほしい。自分のことばっかり話す人よりも人の話を聞く人のほうがモテることを。
つばを吐き散らしながら大いなる野望と夢を語る人よりも、落ちているごみを拾ったりきれいに掃除してくれる人が好かれることを。

線引きをしよう。アダム・スミスは人間はもともと他者に配慮できる生き物であり、その感受性があるので「利己的」に行動しても社会は大丈夫であると説いている。

個性をはき違えた人にこの本で秩序を、利根川のスピーチを捧げる。

いまこそアダム・スミスの話をしよう?目指すべき幸福と道徳と経済学?

いまこそアダム・スミスの話をしよう?目指すべき幸福と道徳と経済学?

【書評】桃園で子豚のフライ丸ごと食っちゃおっかなぁ〜『三国志メシ』

三国志の食事を再現するイベントを季節でやれば、意外と風流ではないであろうか?

心配は要らない。

三国志時代のレシピは全て文献で残ってるし、なんなら巻末にも書いてある。

昔だから難しい調理もやってない。

洗練された投資家で文筆家の加藤ひろゆきさん風に言えば、全て現代の調理で代替え可能姉妹だ。

例えば曹操の夜食、鶏肋は単なる鶏ガラスープと思おう。

コスト○の丸鳥のグリル(980円)を食べた翌日にわたしがやってるエコな料理だ。

捨てるには惜しいが食べる程の肉はない体幹の骨などを使うとゆうか、鳥の残りを圧力鍋に入れるだけだ。

雰囲気を出すために外で食べてもいいかも知れない。コスプレイベント後の食事会なら大満足だ。

子供に歴史を教えるキッカケにもなる。

このマンガは単なる料理では終わらないのだ。 

三国志メシ 1 (第1巻) (希望コミックス)

三国志メシ 1 (第1巻) (希望コミックス)

【書評】バカは死ね!自由主義が行き着く先はそこなのか?『正義の教室』

「は?倫理的?自分的に、ってことでしょ!」

そう、物事は立ち位置で随分と見方が変わってくる。

キリスト教的に同性愛者は認められないが、とあるテロリストは独立を望む人間からは英雄だ。

この本に出てきた問いは私には簡単だった。

「他人は知らないが、私はこう思う。」

あなたと私は全てが違うので、絶対的なのものなんてない。以上だ。

あなたの意見にDisagree でAgreeだ。

格差を埋めようとするから、社会が不自由になって制限されていく。
バカに足を引っ張られることを防ぐために、バカを法的に制限して欲しい。

昔の私ならこのシステムでマネー成立だったかも知れない。

しかし、私は大人なので違う捉え方が出来るようになった。

あなたならどうであろうか?

この本を読んで様々なことを考えて欲しい。

あなたの考えは思い込みかも知れないのだ。

正義の教室 善く生きるための哲学入門

正義の教室 善く生きるための哲学入門

【書評】これ、書評に書けるのどこですか?『チカーノKEI 歌舞伎町バブル編』

元ヤクザ、アメリカの服役中にメキシカンギャングになったKEI氏の最新刊。

この本を書評に選んだことを私は後悔した。

私は大人なので、書いて良いこと悪いことの区別がつくからだ。

なので、今日は書いて良いと思ったヤクザ的ビジネスをピックアップしようと思う。

発展してない新宿南口に目をつけたトルエン販売、その売り上げ1日70万。

ロッカーに金が入りきらなくなったので、数えたら2億4000万だった。

とんだタンス預金だ。

警察とヤクザの話はここでは書いてはいけないと思ったので、真っ当なビジネスの才能も凄いといった話をしようと思う。

トラブルで逃げた北海道では、パンの販売で1日30万円を売り上げる。
そのうち仕入れや販売ルートを抑え、その後は当然自分で起業した。

雇われのままにはならないのが、この人だ。

デリヘルやれば可愛い子だけ揃えて、リピーターで予約はいっぱい。

アメ車の輸入をやれば、芸能人も参加するオーナークラブにまで発展する。

商売の本質を掴んでいるため何をやっても上手くいくようだ。

その後は渡米を繰り返すようになり・・・

アメリカから出所した後は、「俺はもうヤクザやめるけど、お前どうする?」

これだけやっといて、こんなに簡単に辞められるの?

この人、凄すぎ・・・

チカーノKEI 歌舞伎町バブル編

チカーノKEI 歌舞伎町バブル編

【書評】日本で億稼ぐなんてヌルゲー『人生は攻略できる』

ゲームには世界観と攻略法がある。
新しい時代のルールを理解して、大事なところで正しい選択をすれば人生は必ず攻略できると教えてくれる一冊。

「生涯共働き」は最強の人生設計
日本以外の先進国は専業主婦を指すhouse wifeは死語になった。海外で自分はハウスワイフだと答えると「病気で働けない可哀想な人」と思われる。

お金持ちになるには簡単な方程式がある。
お金持ち=(収入ー支出)+(資産×運用利回り)
収入を増やし、支出を減らし、運用利回りが高いものに投資することがお金持ちになる事に直結する。

もし過去に戻れるなら、自意識の塊だった厨二病の自分に本書のビックファイブテストをさせたい。間違いなく度肝を抜かれていただろう。
他人って自分の事そんなに気にしてないって事を教えてあげたい。

まあ、過去に戻るなんて出来ないので、
私は私の人生ゲームを今日から続けていく。
本書は剣になり呪文になりこれからの私のレベルを上げてくれる。

人生は攻略できる

人生は攻略できる

【書評】哲学の教科書はこれ一冊でOK!『正義の教室 善く生きるための哲学入門』

「哲学」「正義」と聞くと堅苦しく、難しい...と考える人も多いのではないだろうか。
本書では1人の青年と3人の女子との会話を通して、分かりやすく哲学について学ぶことができる。

本書では3人の女子がそれぞれの正義論を展開し、青年がその論について考察していく。
実際哲学には3種の正義があり、3人の女子がそれを体現しているストーリーとなっている。
興味深いのは3種とも必ず説明の後に「問題点」を考える章があることだ。
2500年経っても結論が出ていないほど「正義」の定義は難しいのだ。

最後は「構造主義」と筆者の結論で締めくくられている。
「人間は社会システムを変えることも抜け出すことも絶対にできない」というのが構造主義
ここが今の所「正義」のゴールとなっている。
上記は納得がいくし、これからより進行していくだろう。
筆者の結論については、ぜひ本書を手に取っていただきたい。

思うに上記に対して考え、自分なりの答えを出すことが大事なのではないだろうか。
2500年経っても出ていない答えを、我々が出せるとは到底思えない。
だが、人生の中で数々の逃れられない選択の場に直面した時に「自身の正義」が必ず必要になる。
日々考え、自分の正義を見つけるために哲学がそのベースになるのではないだろうか。 

正義の教室 善く生きるための哲学入門

正義の教室 善く生きるための哲学入門

【書評】ピアノの天才、彼らがいるところ『蜜蜂と遠雷』

「まあ宇宙つながりとゆうか気象つながりとゆうか」

天才の思考は限りなく、遠く広がっていく話をしようと思う。

この物語は空想ではなく、実在のポーランド人ピアニストがモデルだ。

巨匠が隠し通した唯一の弟子、彼の実家は養蜂家で蜜蜂とフランス中を移動する。故にピアノを持たず、その自由な音楽はピアノ界を破壊する時限爆弾として育てられる。

音大の学長が探し続けた天才少女は、突然の母の死に耐え切れず大きなコンサートから逃げ出し、音楽界から姿を消していた過去を持つ。幼き日よりプロだった。

日本でイジメられていたフランス系移民の心の拠り所はピアノ。自分を認めてくれた日本人少女との約束を守り、祖国に帰ってからも続けたピアノの才能は開花する。アメリカの重鎮に発掘された彼はジュリアード音楽院の王子と祭りあげられる。

大金持ちの天才中国系アメリカ人、成長著しい韓国勢、プロを諦め切れない楽器会社の社員。

彼らは日本のコンサートで競い合い、自分を見つけていく。

努力する人間はプロには慣れない。

天才たちにとってコンテストすら戦いではないのだ。

蜜蜂と遠雷は言葉にリズム感がある。
それは、読み手を空に連れて行くリズム。

音楽のように、私達の思考を空高く遠くに連れて行ってくれる。

楽天才たちが見る先は広く、争いは無いのだ。

天才たちの見るところを体感して欲しい。 

蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷