HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】知らないことをどこまで知ろうとしたか『希望の国のエクソダス』

荒唐無稽の村上龍の妄想だと、言う人もいるかもしれない。

中学生が立ち上がり、たゆまぬ改革を続け、日本でできる可能な限りの全てを成し遂げていく。
ストーリーというと、この重厚な意思決定の重なりは、安っぽい表現だと思う。

この本を読む注意点は、自分が無知であることを、まず認めることにある。
中学生の発想、日本経済と世界情勢、最初から最後まで、わからないことが脈々と書き連らなっている。

ただ、本から視線を上げると、ああ現実もそうだったと認識する。
ある側面から見たら、「希望の国エクソダス」はフィクションであり、
ただ、同じ側面から見ても、実はノンフィクションだったりもする。

自分が、日本のどこに軸を置いて毎日を過ごしているのか。
その立ち位置を自覚するのに、これ以上とない一冊でした。

希望の国のエクソダス (文春文庫)

希望の国のエクソダス (文春文庫)

【書評】しくじり?何ですか、それ?『マリス博士の奇想天外な人生』

マリスは天才中の天才だ。

DNAを増幅させるPCRは彼にノーベル賞をもたらした。

が、これがかすむほど彼の人生は面白い。

招かれた授賞式で日本の皇后陛下に「スウィーティ」と挨拶し、雇われたO・Jシンプソンには裁判中にチアリーダーの電話番号を聞く。ノーベル賞の授賞式では、スウェーデン国王に自分の息子を王女に売り込み、交換に国土の1/3を要求する。

これが恐ろしいのは、彼がシラフでの出来事であることだ。

ちなみに、シンプソンは弁護士を通じ「俺を無罪にしたら教えてやる」と伝えてきたとゆう。

マリスの趣味は、サーフィン、女、LSD(麻薬)。

それを、ドキュメンタリー番組でしゃべってしまうヤツでもある。

独自の理論でHIVを説き、GSK(グラクソスミスクライン:世界最大の製薬会社)と正面切って対決した話には正直引いた。

単なる問題児なのだが、彼は「自分は正直に生きているだけ」と表現する。

どこかで聞いた言葉ではないであろうか。

人生は好きなことに熱中するためにあり、周囲を気にして送るものではない。

まあ、自作した催涙ガスを近所に漏洩させなければだが。

ありふれた人生論だが、実践した結果ここまで路線から外れると笑いたくなる。

そう、笑っていいのだ。

閉塞感漂う日本から脱出したくなること請け合いだ。 

マリス博士の奇想天外な人生 (ハヤカワ文庫 NF)

マリス博士の奇想天外な人生 (ハヤカワ文庫 NF)

【書評】「短所」と「長所」は紙一重!『医師のつくった「頭のよさ」テスト~認知特性から見た6つのパターン~』

 

あなたは自分と得意不得意を正しく理解していますか?
本書では神経心理学の分野から、人間の特性を紐解いてくれる。
まずは本書記載の認知テストに取り組んでみよう!

人間の認知特性は「視覚」「言語」「聴覚」の3パターンに分かれる。
自分がどのパターンかが分かれば、
今後の行動の仕方や、勉強の仕方、人との接し方を改善することができる。
例えば視覚優位者がいくら音読で覚えようとしても、効果は出にくい。
絵を描いてみたり、図に起こしてみたりと工夫してみてはいかがだろうか。

この認知特性を、他人に当てはめて分析してみると面白い。
話が噛み合わない時、もしかしたらお互いが視覚優位者と言語優位者なのかもしれない。
モノマネが得意なあの人は、もしかすると聴覚優位者なのかもしれない。
なぜ?を神経心理学の分野から読み解くことで、
新たな可能性や解決方法が見えてくる。

私は視覚優位者であった。
合わせて聴覚が劣勢であった。
思えば音楽を聴きながら勉強が出来たり、
口頭指示を十分理解できていないのは、
自分の認知特性から来ているのだろう。
引き続きメモを徹底的に取ることを心がけたいと思えた。

その分文章からイメージしたり、
長文を図としてまとめることは得意だ。
噛み砕いて自分でまとめようとする癖は、
おそらく私の認知特性から来ているのだろう。

主観だが日本人は「短所」に注目してしまう人が多いと感じる。
だがどんな人でも短所しかない人間はいないはずだ。
なぜなら上記の私の例のように、
短所は長所の裏返しであるから。
まずはこの1冊で自身の認知特性を知り、
長所をどう活かすか、短所をどう補うかを考えることが大事なのではないだろうか。

医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン (光文社新書)

医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン (光文社新書)

【書評】「生活残業はズルい!」は正義感?それとも僻み?『生活残業クロニクル 正直者がバカを見る世界』

あなたの周りに「残業代を稼ぐために」わざと残業をしてる人はいないだろうか。
この物語はいわゆる「生活残業」問題について改めて私たちに考えさせてくれる。

仕事を時間通りにこなす人間より、だらだらとのんびり仕事をしている人の方が多くお金を貰う現実。
「こんなの間違ってる!」と奮闘する主人公。
全国の真面目なサラリーマンの気持ちを代弁しているようにも見える。

本書は第2巻へとストーリーが続いている。
第1巻のラストは「生活残業の実態が遂に暴かれる!?」という、なんとも続きが気になる終わり方をしている。
果たして、主人公は生活残業の闇を明るみにできるのだろうか。

「誰かにわかってほしい」
「ズルイヤツらが得している現状を知らしめたい」
そう思うのは自分の正義感なのだろうか。
それともただ楽して自分より多くお金を貰っている人に対しての僻みなのだろうか。
この書評を読んでいる皆様も、ぜひ一考していただきたい。 

生活残業クロニクル 正直者がバカを見る世界

生活残業クロニクル 正直者がバカを見る世界

【書評】自分の足で生きていくことを説く一冊『ゼロ』

堀江貴文の別著書には記されていない内容が書かれている」
私が本書を手に取るきっかけとなった友人の一言だ。
刑期を終えた堀江氏が語った内容とは...

別著書に記されていない内容として、堀江氏の生い立ちが記されていることが挙げられる。
中でも訴えているのが「自立」だ。
親から精神的に自立していない人は、自分の頭で考えることはできない。
今ある現状にも不平不満をこぼす。
答えがない未来を自分の頭で考えていくために、親からの自立は必須だということを説いている。

堀江氏は刑務所に収監されていたにも関わらず、未来に希望を持ち、所内でも意味を見出して働いていた。
それではなぜ日本には悲観的な空気が蔓延っているのだろうか。
周りの空気や失敗を気にしすぎて、自分の人生を生きていないからだ。
失敗してもゼロに戻るだけ。
またイチを足していけばいいのだ。

堀江氏は世の中の「空気」と戦っているのだ。
理不尽な謎ルールが蔓延る、矛盾だらけの日本と。
我々ができることは「勇気を出して一歩を踏み出す」ことだ。
一人一人が行動することで、日本の空気は変えられる。
「できっこない」ではなく「とりあえず挑戦」してみる。
ゼロにイチを足すことで、日本全体が少しずつ変わっていくのだ。

【書評】無駄なことでも生きていけるならなんだって生きていける気がした『無駄なことを続けるために - ほどほどに暮らせる稼ぎ方 -』

 

 本書は無駄なものを作り生活をしているYouTuberの生態と、その生き方に迫った本だ。生産性や効率を求めて仕事に向き合っている人間では、思い至らない発想や成果物が本書には詰まっている。

著者の発明品はとにかく無駄だ。ツイッターで“バーベキュー”と呟かれるたびに藁人形に五寸釘を打ち込む装置や、札束で頰を撫でて仕事へのモチベーションを高めてくれる装置など、本当に無駄なものばかりだ。しかし、著者はそんな無駄なものを作り続けることで生活をしている。

市場価値は希少価値であると考えてみると、著者の活動がマネタイズできているのは、それだけ現代では無駄が少ないのかもしれない。無駄なことを無くして効率を追い求めていった、結果無駄なことに価値が生まれるというのはとてもおかしく楽しい話だ。

効率化が求められる現代で疲れを感じてしまっている方は、ぜひ本書を手に取ってほしい。地味なスペースに置いている書店が多いので、書店で購入しようと考えているならば根気よく探してみよう。

無駄なことを続けるために - ほどほどに暮らせる稼ぎ方 - (ヨシモトブックス)

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【ランキング】今週売れているビジネス書【2019/3/28】

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FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

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直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN

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メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)

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最短の時間で最大の成果を手に入れる 超効率勉強法

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お金の流れで読む 日本と世界の未来 世界的投資家は予見する (PHP新書)

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【書評】牧歌的なビジネスアイディア集『月3万円ビジネス 100の実例』

本書はビジネスアイディアがまとめられている。決して数千やましてや億単位の収入を生み出せるものではなく、月に3万円ほどを稼ぐことができるようなアイディアだ。

月に30万円を稼ぐ方法を考えるのはとても大変だ。しかし月に3万円であれば少し成功のイメージは湧いてくる。月に3万円のビジネスを10個作ることができるのなら、それでも月に30万円は稼ぐことができる。むしろ供給源が分散している分リスクヘッジにも繋がる。

こんな話を聞くと想像するものはアフィリエイトやオンラインサロンなどが頭に浮かぶだろうか。もちろんそのような選択肢もあるが、本書ではローカルやリアルな環境にアイディアを寄せている実例が多い。スピード感が無い代わりに、温かみを感じる。働き方のトレンドが正しいとはわかっていつつも、ちょっと疲れている方は本書が提示するビジネスは合っているかもしれない。

インテリアとしての巣箱を作ったりガーデニングをビジネスに変えた案など、読んでいるだけでも楽しそうだなという気持ちがじわじわ大きくなる。価値を提供して対価をもらうことをビジネスと言うのなら、様々な形があるんだなと、じわじわあなたの視野を広げてくれるだろう。

月3万円ビジネス 100の実例

月3万円ビジネス 100の実例

【書評】私はキャッシュフローを買う『ボロ物件でも高利回り 激安アパート経営』

「毎月10万円以上のローンを払うより、いつも財布に10万円以上入っている方が人生楽しいのではないだろうか」

ハリウッドで俳優の夢破れ、猿岩石状態で帰国した著者を待ち受けていたのは過酷なブラック企業であった。

その苦しみから逃れるために不動産投資を始めるが、なんとボロ物件だけを買って「ほどほどに再生」、賃貸を始める。

しかも、そのボロ物件になんと「鬼のような指値(激烈に値引きを要求する)」を入れ、あの手この手で眼が飛び出るような値引きを売主に了解させる。

その経営方針も、借金はしない、レバレッジはかけない、管理会社に頼まないどころかバイト代をもらった住人が管理、アパートで問題が起きれば住人同士が助け合う。大家である著者と住人がDIYだってやってしまう。

周囲を巻き込む力、現状を冷静に打破する力を学んで欲しい。

文章の構成や言葉使いも秀逸だ。

昨今出ている不動産投資とは真逆をいく。

「いい物件を持ってくる人が、いい営業マン」

これが解っていれば、かぼ〇ゃの馬車にひっかかるはずはないのだ。

この洗練されたボロ投資家からは、やり続ける人間にだけ道は開けることを理学べる事こと請け合いだ。

【書評】飲食店経営者必見!!セカンドライフを本当に楽しむために知っておくべき条件『まんがでわかる絶対成功!ホリエモン式飲食店経営~『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』外伝~』

本書は、三戸政和氏による累計15万部突破した原作『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』を堀江貴文氏監修により漫画化された。

本書を読んでいると、学生時代に勉強した簿記がよみがえってくる。個人的には、経営の経験はないが、業界問わず非常に興味がある。そのため食事に行った際など店舗の経営状態を探ってみたくなるのだ。

そもそもなぜこの立地を選択したのか、また固定費はどのぐらいかかっているのか。原価、回転率など気になってしかたない。自分が直接お店を持たなくても、そのような観点で物事を考えることはとても楽しい。そのため本書は、興味深い内容が満載だ。

また手頃な価格帯でおいしい、お客様にとっての「良いお店」はあっという間に潰れてしまう。それは、まるで本書の主人公そのもののようだ。

定年後のセカンドライフとして、主人公は、家族の反対を押切って退職金を使い、好立地に、こだわりの内装、接客経験のある従業員たちを雇い、安くて美味しいコーヒーの飲める自分の思い通りの喫茶店をオープンし、すべてがうまくいったように思えていた。

その時、一人の美女が来店し、突然言い放ったのは「この店は潰れる」それも「もっても三ヶ月」だと。開店初日、天国からあっという間に突き落とされ、愕然としたのだった。なぜならそれは、自分好みの店をオープンすることばかりに気をとられ、何一つ経営のことを理解していなかったからだ。

飲食業は一年以内の廃業率が非常に高く、求められるスキルも多岐にわたり、最も難しいビジネスともいわれている。主人公は、わざわざ自らレッドオーシャンへと突き進んでしまったのだった。

しかし、その美女は経営コンサルタントとして、主人公と共にお店の経営状態を立て直すこととなった。その美女の名は「堀江美麻」なんと本書を監修する堀江貴文氏の妹であった。

本書では、主人公が経営状態を改善していく過程で、飲食店経営をするにあたっての数多くの必須条件を紹介している。潰れないお店とはどのようなものなのか。また、利益を得続けるビジネスモデルとは。飲食店経営を考えるすべての人に必見の内容である。