HIU公式書評Blog

HIU公式書評ブログ

堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

MENU

【書評】佐田と一緒に仕事がしたい!『地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門』

佐田と一緒に仕事をしてみたい、思わずそんな考えが頭をよぎってしまう。しかし“地域再生にスーパーマンはいない”というのが、本書のメッセージの一つだ。

本書は主人公の瀬戸が家業の整理をするために東京から定期的に地元に戻るが、結果的には本業のサラリーマンを辞め、地域再生に力を入れる物語だ。彼や佐田をはじめとする彼の仲間が事業を進めていく物語と並行し、地域再生事業の現実についての解説がされる。

瀬戸たちの事業は物語の序盤である程度軌道に乗っていく、これは同様のテーマを持つ類似の小説とは異なる展開かもしれない。瀬戸たちの困難はむしろ事業が軌道に乗った後にやってくる。

“地方で持続的な事業に取り組む”ということがいかに魅力的でチャレンジングで、難しいことを本書は教えてくれる。難しさの1つは合理性の欠如だ。変わらない場所に変化を持ち込むということは、歓迎しない感情や思惑が集まってくる。慣習の押し付け、嘲笑、妬み、欲望、権威、、、。ここには買いたい人がいるから売れるという需給の原則以外の力が発生する。主人公の瀬戸や瀬戸と共にする仲間もこれらの壁に何度もぶつかるが、その度に仲間と共に乗り越えていく。地方で事業を起こす事は、その瞬間よりも継続の中で困難は生まれることは本書で学んだが、同時に継続の中で本当の仲間が増えることも学んだ。

地方か都市部かそのような枠組みを超え、何かをやりたいという想いが燻っている人はぜひ本書を手に取ってほしい。きっと背中を押してくれるはずだ。私も本書に登場する佐田の言葉には何度も胸がアツくなった。スーパーマンは現れないとはいえ、それくらいの恩恵は受けてもいいだろう。“やるべきときに、やるべきやつが、自分でやると決めんと進まん”物語の中で佐田が瀬戸に言った言葉は、まるで私へ向けた言葉のように思えた。 

 

amzn.to

 

地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門

地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門

 

 

【書評】不思議、幸せ、感動! 『ありえないほどうるさいオルゴール店』

オルゴール店に置いてあるオルゴールが一斉に鳴り出したらたぶんうるさい。そのくらい人の心に流れる曲が聞こえすぎてしまう。そんなオルゴール店の店主が1人1人の心の音楽を聞き、オルゴールを作る7つの短編集。

一話目の「よりみち」はいきなり涙必須の物語になっています。耳が聞こえない子どもをもつ母の思いや葛藤に涙。オルゴールができた時、曲を聞いて子どもの思いを知る母。
二話、三話……と、店主の非現実的な特殊な能力に疑問を持ちつつも、色々なひとの人生や思いが現実的なものばかりで夢中になって読み進めてしまいます。

1話目から少し出てくる、オルゴール店にコーヒーを運んでくれるむかえの喫茶店の女性が気になります。6話目の「おむかい」では店主の謎や、喫茶店の女性の事、タイトルの「ありえないほどうるさい」の意味が想像できるように…
7話目の「おさきに」で、主人公の話はもちろん、最後の最後に店主と喫茶店の女性にも触れ、ダブルの涙が…
オルゴールから流れてきた曲によってこの人たちが新たな一歩を踏み出すのだろうと思うと幸せな気持ちになりました。

本書の舞台は北海道の小樽。著者は小樽にも取材に行っていたようで、小樽の街の雰囲気や人の生活などがよく伝わる内容も所々書かれている。
著者は、本書もそうだが絶対的な不幸みたいなものは、あまり書きたいと思ったことがない、せっかく物語を作るからには、ひと筋でもいいから光がほしいと語っている。心が疲れている時や不思議な世界観を覗いてみたい時に本書はオススメだが、他の作品もぜひ読んでみたい。

私の心に流れる曲はなんなんだろう。印象的だった音楽はすぐ思い出すけど、実は気づかなかった記憶を呼び起こす音楽が心の中にあるかもしれません。過去は振り返らない私ですが、このオルゴール店の店主には私に流れる曲を聞いてもらいたいなと思ってしまいました。

【ランキング】今売れているビジネス書【2018/12/26】

★アマゾンのランキング

 

1位

一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学

一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学

 

 

 

2位

メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)

メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)

 

 

3位

 

 

紀伊国屋書店のランキング

 

1位

経済学の名著50冊が1冊でざっと学べる

経済学の名著50冊が1冊でざっと学べる

 

 

2位

神メンタル 「心が強い人」の人生は思い通り

神メンタル 「心が強い人」の人生は思い通り

 

 

3位

一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学

一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学

 

 

 

★hontoのランキング

 

1位

迷ったら茨の道を行け 紳士服業界に旋風を巻き起こすオーダースーツSADAの挑戦

迷ったら茨の道を行け 紳士服業界に旋風を巻き起こすオーダースーツSADAの挑戦

 

 

2位

メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)

メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)

 

 

3位 

 

 

【書評】こんなに苦しくも美しい文塊があっただろうか 『ディアスポラ』

 

この小説の題名となっているディアスポラとは、離散という意味です。
旧約聖書に出ている話で、古代のユダヤ人達が強制的に異邦人の土地へと離散したということを意味しています。

この小説が書かれたのは2001年。その舞台は原発事故後の日本人。
福島の311の原発事故より前に書かれていて、当時予言の書とも言われました。

表題の1作品は原発事故により中国に逃れた家族の物語。
そして、もう一つ収録されている【水の行方】では、事故でダメになってしまった酒蔵の酒造りを復活させるシーンが描かれています。

この小説の凄みは何と言っても文章の美しさにあると思います。
圧倒的な知識から撃ち出される文章は、正に現場を見て来たからこそのものです。

勝谷さんと言えばテレビで舌鋒鋭く論説し、時に放言暴言を吐きまくってるという印象が皆さんにはあるかも知れません。
しかしこの小説読むと印象が変わると思います。
彼の美しさに憧れて憧れて紡ぎ出したであろう悲しいまでのナルシシズムに触れる事が出来ます。

たった1人で、酒を呑みに呑み潰れていった勝谷さん。
僕は貴方の小説をまた読みたいと願ってました。
何で小説書くのを辞めてしまったのでしょうか。
それを続けていれば、酒に潰れる事なく、まだ元気だっただろうなぁと思うと残念でなりません。

ディアスポラ (文春文庫)

ディアスポラ (文春文庫)

【書評】この漢字を日本国民が読めるようにした男の物語→『獺祭 天翔ける日の本の酒』

「えー、獺祭ないの??」。今では酒にそんなに詳しくない若者ですら居酒屋でこの言葉を発する。山口県の小さな酒造での獺祭の誕生から今に至るまでのノンフィクション物語が本書である。

本書の著者は先日お亡くなりになった勝谷誠彦氏である。日本中の蔵をまわって書いた本なども色々出ており日本酒に詳しいことでも有名であった。一方でアル中から身体を壊し若くして亡くなった。非常に残念で止まない。彼の書く文章がとても好きだった。

さて、本書では獺祭誕生、酒造りの哲学、ビジネスとしてのやり方など、獺祭の全てが勝谷誠彦氏によって書かれている。獺祭が売れる前から詳しく知っている勝谷誠彦氏により客観的に書かれているため今後こんな本は出ることはないだろう。酒にかかわらず経営者などは一読すべきではなかろうか。

酒の発展はテクノロジーグローバル化の流れがピタッとはまって起こったことがよくわかる。これまでは各蔵で経験で作られたものがデータを蔵人化ならぬクラウド化し、蔵同士で共有した、また英語が話せる若者が蔵で働く時代も丁度きたのだ。

酒をとにかく愛した勝谷誠彦氏の愛溢れる酒の本是非多くの人に読んでみてほしい

獺祭 天翔ける日の本の酒

獺祭 天翔ける日の本の酒

【書評】今の日本社会を生き抜くために、この一冊を読もう!『新世界』

ここ数年で、人々の価値観は大きく変わってきている。
西野氏は本書にて、新しい時代を生き残るために必要な知識、情報を実体験を含めて分かりやすく説明してくれる。

現代は「貯信時代」であると西野氏は語る。
信用があれば、クラウドファンディング等で必要な金は手に入る。
大事なのは、お金を貯めることではなく「信用を貯める」こと。
嘘をつかず、信用を貯めるために働けば未来は明るい。
直近でお金を求めようとしてはいけないのだ。

日本という国は「外」に出ようとすると必ず村八分に遭う。
みんな我慢しているからだ。
みんな我慢している中で、自分だけ開放されようとするからバッシングを受ける。
ただ「貯信時代」である今、わざわざ嘘をつかざるを得ない環境で、我慢して仕事をしても今の時代は生き残れない。

今の環境は出たいけど、「お金がない」「周りに何と言われるか」などの理由で結局残ってしまう人は多い。
西野氏は新しいことをやる度に、色々な方面からバッシングを受けている経験がある。
それでも行動する根底には「誰かがレールを敷いた世界を走っても、レールを敷いた人間には追いつけない」という考えがある。
だからこそ、西野氏の「行動せよ!」には説得力があるのだ。

環境への愚痴は言い訳。
少しずつ行動する。
きつかったら逃げて、そこで次の一手を考えればいい。
西野氏の言葉を肝に銘じて、少しずつ行動しようと思う。

新世界

新世界

【書評】ブラック企業ができたのは私たちがそれを求めたから『投資家が「お金」よりも大切にしていること』

本書の1ページ目は福沢諭吉をバックにして「私はお金が大好きです。」という一言から始まります。次のページには「今の私のセリフを聞いて顔をしかめたあなたは、お金のことを何も知らないのでしょう。」と書かれています。

世界各国の「個人金融資産」、「年間寄付額の比較」などのデータをもとに日本人を捉えていくと、「現金・預金が大好きで、寄付はしない」、投資信託の平均保有年数はたったの2,4年(海外の平均保有年数は10~20、30年)、自分のお金が減ることが怖くてしょうがなく、その危険性を嗅ぎ付けるとすぐ売ってしまう。投資先の人間を信じることもできず、唯一信じられるのはお金だけ。それが日本人の特徴です。

そんな盲目的にお金を失うことを拒否した人たちが求めたのは「過剰な安さ」でした。激安の深夜高速バスでの交通事故など、一斉に「ブラックだ!」と叩きましたが、そもそもなぜそのような過剰なサービスが生まれたのでしょうか。それは私たちが求めたからです。その“ブラックな需要”に対して“供給”しようとすれば当然“ブラック”になってしまいます。

以前、私は鎌倉投信株式会社取締役の新井和宏氏の著書の書評をあげました。その著書には「無理な値下げ競争は必ずどこかにしわ寄せがきてしまう。」と書かれており、落合陽一氏の10年後の仕事図鑑では「仕事とは社会からの必要によって生まれる。」と書いてありました。現在、企業価値が高まっているのはデフレ経済にて年収300万以下の層が増え、彼らに満足を与えるサービスを供給している企業です。メルカリもファーストリテイリングもそうではないでしょうか。

結論、私たちはお金持ちになる必要があります。そして、健全な消費者として社会に参加し、未来を明るくする企業にお金を回しましょう。決して、ブラック企業に拍車をかけるようなことはやめましょう。私たちが「過剰な安さ」を求める限り誰かにしわ寄せがいきます。

世の中は私たちが使ったお金で出来ています。私たちの消費活動は選択することができて、実は社会を創っていることにつながっているのです。本書にて経済と自分達の関わりに気付けます。ぜひ一読を。 

投資家が「お金」よりも大切にしていること (星海社新書)

投資家が「お金」よりも大切にしていること (星海社新書)

【書評】体系立ててマーケティングを学ぼう『ドリルを売るには穴を売れ』

本書を手に取るまで“マーケティング”という言葉が意味するものが、私の中でどこか曖昧だった。全く外れてはいないのだろうが、とはいえ捉えられていない。私同様に言葉とその言葉が意味することを一致させられずに、モヤモヤしている人は少なくないのではないかと思う。書籍の利点は体系立てられた知識を吸収できるところにあると思うが、本書の良さはまさにそこにある。

マーケティングとは“売るための活動全て”、4P分析やセグメンテーションなどは“手法”である。当たり前の基礎知識かもしれないが、本書を読むことでこれらに対しあらためて整理をつけることができた。言葉にしてしまえば簡単なことではあるのだが、曖昧な意味合いで日頃使われているために正しい理解が進まない、そのようなことはビジネスの場では多いように思う。OJTを否定するつもりはないが、やはり体系立てて学ぶべきものについては書籍は良いメディアだ。本書はそう気付かせてくれる。

本書はマーケティングの基礎を体系立てて、とてもわかりやすく教えてくれる。また、読者と一緒にマーケティングについて学び自社のレストランを立て直す“売多真子”の物語も、実用性のイメージを膨らませてくれる。どの企業や部署、私生活にさえマーケティングの考え方は、一層必要になってくるだろう。部分的に掘り下げて誰かに聞く前に、ぜひ本書で基礎を知ることをおすすめしたい。

ドリルを売るには穴を売れ

ドリルを売るには穴を売れ

【書評】北の大地が熱くなる『黄色いバスの奇跡 十勝バスの再生物語』

この物語は倒産寸前の十勝バスがいかにして経営難を乗り切り、黒字経営に至ったか等というよくある話だと思わないで欲しい。これは主人公野村文吾(33)の成功を掴む迄の成長ストーリーでもある。そして本を読み終わった後もまだまだ先を知りたいと心掴まれる物語である。

この物語は、ある日文吾の勤め先に父が訪れ、会社をたたむ話から始まる。
歴史はあるが赤字経営である会社を背負った父と、その会社の筆頭株主の文吾。引き留めもせず、あっさり会社を閉める事を受け止める温度差がその後の物語を引き立てる。
お告げのような夢を見た後で、元々郷土愛に溢れていた文吾が、父の経営する「潰れる寸前の会社」十勝バスを救う為、大手ホテルを退職し、仲間もなく、コネもなく、文字通り身体一つで「潰れる寸前の会社」という魔窟に乗り込む。文吾の運命はいかに。
対立有り、和解有り、仲間との出会い有り。その一つ一つの物語の合間にColumnという作者のコメントが入る。
一つ一つの物語は短いが、その手法は朝の連続テレビ小説の様である。寝しなに読んで明日はどんなストーリーになるのかな?と楽しめるのも良い。

成長ストーリーと聞くと年端もゆかぬ少年や青年を思い浮かべるが、そうではない。幾つになっても自分は変われる、変えられる。と背中を押してくれる。今の自分に行き詰まっている人にこそ読んで貰いたい一冊である。

黄色いバスの奇跡 十勝バスの再生物語

黄色いバスの奇跡 十勝バスの再生物語

【まとめ】HIUメンバーによる『バカとつき合うな』書評25編

 

バカとつき合うな

バカとつき合うな

 

 

 

bookrev.horiemon.com

bookrev.horiemon.com

bookrev.horiemon.com

bookrev.horiemon.com

bookrev.horiemon.com

bookrev.horiemon.com

bookrev.horiemon.com

bookrev.horiemon.com

bookrev.horiemon.com

bookrev.horiemon.com

bookrev.horiemon.com

bookrev.horiemon.com

bookrev.horiemon.com

bookrev.horiemon.com

bookrev.horiemon.com

bookrev.horiemon.com

bookrev.horiemon.com

bookrev.horiemon.com

bookrev.horiemon.com

bookrev.horiemon.com

bookrev.horiemon.com

bookrev.horiemon.com

bookrev.horiemon.com

bookrev.horiemon.com

bookrev.horiemon.com