HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】人=出来の悪いGoogleもどき『これからの世界をつくる仲間たちへ』

「これからの世界」それは“コンピュータと人間が調和し、ともに作る未来”である。
本書には、その世界で人間はどのように生きていくのか?という問いに対するヒントが散りばめられている。

現代から未来にかけて人間とコンピュータは境目なく溶けていき、現代でもくら寿司のように「半機械、半人間化」の仕組みはできつつある。機械化されていくのはホワイトカラーであり、言い換えると「出来の悪いGoogleもどき」のような人間である。

もし、あなたがGoogleの上位4件を調べて、それを発信しているだけなら、それは「Googleの下請け」であり、まだ自分の意志で発信できない「Googleの代わり」の役割をしているだけである。

この事実は「人間に努力の仕方を変えなければならない」ことを意味している。
人がコンピュータの代わりになることを避けるには、ウィキペディアのような簡単にアクセスできる形式知を蓄積していてはいけない。

検索してヒットした知識と他の知識を結び付けて新しい解釈をする、Googleで検索してもヒットしない、代替不可能な暗黙知を蓄積することである。

私たちの足元には広大なインターネットが広がっており、靴底との境目は溶け始めている。

これからの世界をつくる仲間たちへ

これからの世界をつくる仲間たちへ

【書評】人と同じでありたいという本質的な願望と人と同じことは危険であるという矛盾 『カイジ「どん底からはいあがる」生き方の話』

カール・マルクスの『資本論』では”資本主義が進んだ社会では、個人がどんどん孤立化される。”とあり、言い換えると“企業は仕事を分担し、細切れにすることで生産効率を上げていく”ということを意味します。これは“ジェネラリスト”を大量生産し、代替可能な人間を増やすことで経営を安定させる目的がありました。

個人が社会の歯車であることは疑いのない事実ですが、今後はテクノロジーの発展に伴いさらなる効率化のため機械化がされてきます。それは社会が望んだことであり、現在の仕事の多くは“機械ができないから人間がしているだけ”だからです。

企業や学校教育の都合で”オールB”のような“ジェネラリスト”が大量生産された挙句、今後は機械に代用されてしまう。この問題に対する答えは“代替不可能な人間になること”ですが、矛盾が起きます。

人間は人と「同じでありたい」という”賛同欲求”を持つためです。同調圧力や減点評価を気にし、失敗しないように挑戦をしない代わりに「周りと一緒だ」という安心は享受したいのです。

今後、大事なことは「賛同欲求」を捨て、他人と同じということが危険であり、他人と異なることを怖れないことが必要なのかも知れません。

カイジ「どん底からはいあがる」生き方の話

カイジ「どん底からはいあがる」生き方の話

【書評】変化に対応できる種のみが生き残る『カイジ「命より重い!」お金の話』

金が命よりも重いわけがありませんが、お金のことを知らないということが「命よりもお金の方が重い」状況をつくっているのです。

では、生きていくために必要なことは何かと考えると、お金を稼ぐための「能力」に加え“マネー・リテラシー”も必要になります。「稼ぐ」、「貯める」、「使う」、「守る」という各々のリテラシーを学ばなければなりません。

マネー・リテラシーの無い例として、“貯金信仰”が挙げられます。日本総合研究所の調査では70歳以上で亡くなった方の相続資産額の平均は3354万円であり、月に20万使うとして14年生活できます。これは3000万円以上の貯金があっても、将来が不安で使えなかったことを意味します。

将来のお金の不安を消す唯一の方法は“貯金”ではなく、時代に適応しどんな仕事をしても生き抜ける自信を持つことです。それは専門性を高めることでも無く、AIを恐れることでもありません。

ダーウィンは「変化に対応できる種のみが生き残るのが生命の真理」と説いています。未来は予測不能ですが、できることは変化を恐れずに今に対応していくだけです。

これだけが時代が変わっても、変わらなかった、生命の原理原則です。

【書評】熟女を知って一人前の男になってください!『やっぱり熟女がいちばんでした。』

「熟女さんとセックスをすると、すごく気持ちが良くて、楽しくて、満たされて幸せな気分になる!と、気づかせてくれたのはAV業界でした。」

現在AV業界にてAV女優のさんの活動寿命がどんどん長くなるに従い、“熟女枠”は最大のカテゴリーになっています。

「若いコと絡んだ後に、熟女と絡むのはつらくないですか?勃ちますか?」そんな質問をする人は女性も、セックスも何も知らない「自分は童貞以下です!」と言っているのと同意語であるとしみけん氏は主張しています。

しみけん氏の経験で実際の母娘(40代、20代)との絡みでは40代の母の方が圧倒的に気持ちが良かったそうです。熟女の魅力が分からないということは人生の半分を損しているようなもので、ただの年齢だけで判断するのは非常にもったいないのでどんどん自分のストライクゾーンを広げることをお勧めしています。

「セックスに年齢は関係ない。」と約10000人(熟女はその内1500人ほど)抱いてきたしみけん氏が言うのなら間違いありません。
本書は“熟女を知るバイブル”です。どんどんエロをアップデートしましょう! やっぱり熟女がいちばんでした。

やっぱり熟女がいちばんでした。

【書評】 ゼロ高等学院への期待をこめて 『すべての教育は洗脳である』

学校とは「工場(企業)に勤め、沢山お金を稼ぎ、結婚して子供を持つのが、国民として一番まっとうな人生だ」という“常識”を刷り込むために創設された背景があり、この裏には納税、出産、出兵に抵抗感を抱かないようにさせ、戦争などの緊急時には国民の貯金を利用できるようにした国策の一つと言える。

そんな軍国時代に作られた教育システムの影響を受けている私たち。

その国策の一つには「持ち家信仰」も含まれている。この「持ち家信仰」のルーツは戦後、池田勇人内閣政権下で実施された所得倍増計画の一環であり、住宅の販売は経済波及効果があるためGDPが拡大していくというロジックをもとに奨励されたが、現代では負の遺産になる確率が高いと『10年後の仕事図鑑』で堀江貴文氏は述べている。

私たちの生涯賃金は家のローン、保険、養育費、自動車代、介護、納税、結婚などに98%以上使われており、自分のために使えるお金などほぼないのが現状です。上記の職業のために一生懸命働いているといっても過言ではありません。

学校で個別性を殺され、思考停止のまま社会に出ては国策による“常識”に従う。

ゼロ高等学院からそんな常識をぶっ壊してくれる人間が社会に出てきてくれることを願います。

【書評】 ゼロ高等学院の創設を落合陽一氏と堀江貴文氏の著書から考えてみる 『10年後の仕事図鑑』

個性が尊重され、多様化した価値観が認められつつある現代と、その潮流に乗ることができない私たち。端的に言うと、「選択肢が広がっているが、何一つ自分で決めらない。」という現象が浮かびあがってくる。

この「意思決定能力の喪失」に関して、本書では落合陽一氏が、「すべての教育は洗脳である」で堀江貴文氏が説明しているため2つの本を引用して考察する。

仕事とは、社会システムの要請によって生まれるものであると落合陽一氏は本書で述べている。さらに、「意思決定の喪失」に関して“現代の教育システムと工業社会的な価値観にあると思うと思う。”とも述べている。

堀江貴文氏は「すべての教育は洗脳である」にて学校を19世紀の「産業社会に適した大人」を大量生産する“工場”の一つであり、雇用者にとって管理が楽な「望ましい労働者」として規格からはみ出ないように「常識」を教え込むための機関であると述べている。

そんな産業社会と密接にリンクした“工場”から出荷された、“疑うことなく”学校が出した給食、決められた授業を何年間も思考停止でこなしてきた“私たち”がどうして「選択肢や価値観が多様化され、自らの意思決定が求められる社会」で生きていけるのだろうか。

仕事とは、社会システムの要請によって生まれるものであり、その社会が急速に変化しているという現実を考えれば、密接にリンクしている“工場”も変化していかなければならないのは自然なことである。

ゼロ高等学院が創設された経緯は歴史の流れからみても至極当然なことであるといえる。

10年後の仕事図鑑

10年後の仕事図鑑

【書評】 人間が機械の役割から人間本来の役割に戻るだけ 『10年後の仕事図鑑』

本書は、堀江貴文氏の「遊びでお金を稼げるようになる」、「好きなことで生きていける」という言葉の根拠が落合陽一氏の説明で非常に分かりやすく解説してある。

特筆すべきは落合陽一氏が仕事の本質や成り立ちを的確に捉えて解説している点である。
まず一つに1950年代に上梓された『人間機械論』を引用し“工場にて人間は高度な認知機能を持っているにも関わらず、ただの運搬作業などの単純作業にしか用いられていない。次に“研究や音楽などのルーツは古代ローマギリシャの貴族層が「余暇時間」を潰すためにはじめた。“と、例をあげている

これらは、従来、人間に不向きな仕事を奴隷の様に強いていたことからのAIを用いた脱却を意味し、AIを用いて「貴族層」(余暇時間を楽しめる人)になることを予想している。

AIがもたらすこととは、人間が機械の代わりをしていた事実から、人間が人間本来の役割に戻るだけであるといえる。

ヒトは“ホモ・サピエンス”だけでなく“ホモ・ファーベル”、”ホモ・ルーデンス”とも言い換えられる。「ファーベル」は「作る」、「ルーデンス」は「遊ぶ」。人間は本来、自由に遊ぶ存在で遊ぶことで文化を生み出し、遊ぶことに人間らしさがあると考えられてきた。

堀江貴文氏の発言の根拠はここにあり、歴史は形を変えて繰り返されているともいえる。


10年後の仕事図鑑

10年後の仕事図鑑

【書評】「私は本当はどうしたいのだろう?」「何がしたいのだろう?」と考えがちな人は1度でもいいからこの本を読んでほしい。『君が生きる意味 人生を劇的に変えるフランクルの教え』

ホモ・サピエンス」は“智恵のある賢い人” 「ホモ・パティエンス」は“苦悩に耐える人”

フランクルは人間を「人生から問いかけられている存在」と捉えます。大病、倒産、リストラ、離婚、死別、裏切りなどの出来事は自分でコントロールできるものではありませんが、必ず自分の人生に引き起ります。その出来事を解釈し「意味」を自分で見出し答えていく生き物が人間だと考えます。

“不安や苦悩”を解決し、智恵を得てきたのが“ホモ・サピエンス”です。

本書を通し、私が一番伝えたいのは自分へのベクトルを向けた質問には“答えが無い”ということです。「私は、どうして、なぜ、何に……」などの質問です。「私が本当にしたいことは……」こういった“過度”な自己観察、“過度”な反省をしてしまう人に本書をお勧めします。

無我夢中とは「我を無くせば夢は手の中に」という意味です。「私」=「我」を捨てて、自分を忘れるくらい何かに没頭しましょう。自分の中には「悩み・不安」しかありません。

私は理学療法士の仕事をしていますが、先日、65歳の患者様から、職場の人間関係や、定年後に自由になるけど自分は何がしたいのかなぁ?と言われました。

65歳になってもまだそういった悩みを抱え続けるのか…… 
きりがねぇじゃん、

【書評】上白石萌歌さんが尊敬する歴史上の人物、高橋是清って誰やねん? 『天佑なり 上下巻』

劇場版アニメ「未来のミライ」(細田守監督)の初日舞台あいさつに登場した今をときめく女優の上白石萌歌さんが
「時を超えて、過去や未来で会ってみたい人は誰ですか?」と聞かれ
「私は歴史上の人物に会ってみたいですね。ご存じか分からないですけど、高橋是清さんっていう内閣総理大臣だった方で、私、九州出身なのに西郷(隆盛)さんじゃないのって突っ込まれるんですけど、すごい方なんですよ!もともと英語の教師で、そこから外交とか総理大臣をやったあともいろんなことをやって、明治維新にすごく大きな影響を与えた人物で、受験期にすごいなあって思っていたので、是清さんに会ってエールをもらいたいですね。頑張れって(笑)」
と答えて、にわかに注目を集めている?(俺だけ ?)高橋是清とは何者なのかがわかるこの一冊、いや上下巻なんで二冊か。
江戸末期、仙台生まれの是清は少年時代、ひょんな縁から横浜に送られて、ニューヨークから来ていた医者で宣教師のヘボンから英語を習う事になる。ヘボンといってもピンとは来ない人が多いかと思うがヘボン式ローマ字を考案したその人だ。
メキメキと英語をおぼえた13歳の少年是清はアメリカに仙台藩から留学させてもらえる事となり、船で渡米。何故か騙され奴隷契約書にサインをしてしまった少年是清はその契約を破棄せんと孤軍奮闘。
渡米中に維新が起こり、江戸幕府は崩壊。金をだしてくれた仙台藩は新政府の敵となり、帰る拠り所の無くなってしまった少年是清は密帰国(そんな言葉あるのか?)
そんな、無茶苦茶な少年時代を送った是清だか、当時の日本は英語を使える人材を欲していた。色々な政府や銀行、教育界で登用されては、酒を飲みながら仕事し、時間が空けば遊郭通い、そして上司に楯突いたりとやり放題。
だけど時代は是清を欲していた。数々の成功を打ち立てた是清は日銀に入り日露戦争では戦費調達に駆けずり回る。その方法は本書を読んで欲しいが、ウルトラCの戦費調達に成功していなければ、当時の小国日本では日露戦争の継戦が出来ず、破れていた事だろう。是清は国を救った。そして再度、国を救う。
世界恐慌では、大国が不況対策としてブロック経済を組む中、是清は思い切った金融政策を打ち、日本を世界で一番最初に不況から脱出させる。
その後、総理大臣まで務めた是清は引退し余生を送っていたが、昭和恐慌が起こり、また是清しかいないと、不況脱出の為に駆り出される。
そして、、、、なんとも酷い方法で亡くなる。
歴史にもしは無いと良く言うが、彼がもし生きていれば、恐慌から再度日本を救っただろう。
実際は当時の政府は緊縮財政策を取り、更なる不景気に突入した日本人は心が荒れ極端な考えに飛びつき熱狂して、太平洋戦争の泥沼へとはまって行った。
いや〜、それにしても、わかってるなー萌歌ちゃん、おじさんとさぁ、朝まで是清について語り合おうよ!
日本人ならこの人知らないとダメだよね、ね、ね!

【書評】命の煌めきが輝き始める『花戦さ』

本書は野村萬斎氏主演、2017年に公開された映画『花戦さ』の原作本である。また、池坊家が花を生け始めてから、555年目となることが公開のきっかけとなった。

花の道に長年携わってきた身として、とても興味深い内容であったため、映画鑑賞後さらなる詳細を知るために本書を読み始めた。すると映画では語られていなかった多くのストーリーが隠されており、映画とはまた違った趣が感じられ、また一段と感動する場面が多々あった。

主要登場人物は、百姓の子に生まれ、信長に「猿」と呼ばれた「豊臣秀吉」、茶の湯の美を極め、武将をも弟子にした「千利休」そして、華道を発展させた花の名人「池坊専好」だ。「花と戦」一見相反するもののようだが、本ストーリーは、美を追求する芸術家と権力者の命がけの戦いである。

世は戦国の時代、場所は京都の「六角堂」当時、政治や文化の中心地であった京都は、人々も高い美意識を持っていた。その人々の心を惹き付けていたのが、六角堂に飾られていた「花」だった。

なぜなら自分の明日の命もわからないこの時代、懸命に生きる草花に人々は勇気づけられ、道端に咲く花にも命の大切さや希望を見出だしていたからだ。

本書の中でのポイントは、池坊専好の「花の道」千利休の「茶の湯の道」道は違えど、一つの道に打ち込む二人がお互いの道をさらに学ぶことにより親交を深めるところだ。自分の道を極め、美を表現することにより「生きる力」を人々に与える。そんな二人の関係性が見どころだ。

また、本書の醍醐味は、金に糸目をつけず、豪華絢爛なものに目がない「秀吉」と無駄をそぎおとすことにより、そこに本当に大切なものが見えてくる「侘び」を突き詰める「千利休」の対極性だ。

美しいのは、どちらなのか?

言葉や刀を使わずとも、相手の心を掴むことはできる。それが「花戦さ」なのだ。本書と併せて映像でのストーリーを鑑賞することにより、よりリアルに「美」の世界観を感じることができる作品である。

花戦さ (角川文庫)

花戦さ (角川文庫)