HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】朝食は人生を変える『いつかティファニーで朝食を』

本書の主人公は、仕事に追われ忙しい日々を送っている。多くのことを我慢して生きてきた。そして、その我慢にも限界がきたときに、ふと思い立ったのは、以前から興味を持っていた「カフェでの朝食」だった。

朝食という一時でも、主人公の人生には、大きな影響を与えた。「おいしい」この感情が幸せをもたらしたのだ。そして主人公は、決断した。自分の気持ちに逆らわず、自分を大事にしていきたいと。

そしてそれは自分の理想の朝食を求める日々を始めることだった。ご飯を食べて、幸せを感じられる人生を送るということだ。

実際に朝食をとると「頭がよくなる」「効率があがる」「仕事ができる」ともいわれている。科学的な実験データによると「朝食を食べることが、成功につながる」といわれ、朝食の素晴らしさを伝えている。

評者自身、朝食をとらないと調子がでないと感じ、朝食は必ずとるようにしている。そのため本書の内容には、とても共感する。

また、本書で主人公が幸せを感じた各朝食は、実在する店舗の朝食のため、かなりのリアリティーのある描写が楽しめる。

そして、店舗や料理の紹介も掲載されているので、本書を読み、その料理に関心を持った際には、主人公と同じように実際に味わうこともできるのだ。そんな楽しみかたもできるのが、本書の特徴でもある。

いつかティファニーで朝食を 1 (BUNCH COMICS)

いつかティファニーで朝食を 1 (BUNCH COMICS)

【書評】漫画を超えた文学作品『pink』


私は普段漫画を読まないので、軽い漫画を読もうと手に取った。ところが、最初からどんどん引き込まれ、結末はとても悲しい。読み終わった後、軽く放心状態になるほど衝撃的だった。
主人公はOLをしながらホテトル嬢をしている。その理由はおしゃれなマンションでワニを飼い、花を飾りたいから。
主人公に共感できる経験はないし、登場人物に共感できる訳でもない。それなのにズーンと心に残る作品なのだ。母娘の複雑な思い等この作品が30年前に書かれたとは思えない。
こんなに重いけれど、引き込まれた漫画は初めてで、最も衝撃を受けた作品になった。

pink

pink


【書評】天才と変人と変態と痛みと苦しみ『ファイアパンチ』

全てが雪に覆われた世界。そんな世界では“祝福”と呼ばれる生まれながらの能力が備わっている人がいる。火を出す能力、電気を作る能力、鉄を作る能力、再生能力、人が死ぬまで消えない火を出す能力、本作品はそんな世界でのお話だ。

ある男は人より優れた再生能力を持っていた。その男は消えない炎を浴びてしまい、8年間の苦しみの末、痛みに耐えることを覚え、復讐の旅に出た。

世界は奴隷社会で能力を持つ人を奴隷とする事で社会は成り立っている。作者の性癖が歪んでいるのかエログロ話が多く本作品は人を選ぶかもしれない。

そして本作品の主人公とも言えるのが某メディアアーティストを思い出させるような300年生きている天才かつ変人。映画を撮る事が好きで、苦しみながら燃える男を見つけ、良い映画を作るために、男に戦い方を教え、舞台を整える。さらには敵にも武器を与えたりなど、とにかく自らも相当な強さを持っているにもかかわらず、ひたすら映画監督、カメラマンとして世界の戦いを見守る変態だ。

本作はエログロも多く人を選ぶかもしれないが『進撃の巨人』を超えた!。とも言われた作品だ、是非是非読んでいただきたい。

【ランキング】今月読まれた書評【2018年7月度】

1位 

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AV男優しみけんが教える うんこ座りでオトコの悩みの大半は解決する!

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2位

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 3位

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心のざわざわ・イライラを消すがんばりすぎない休み方 すき間時間で始めるマインドフルネス

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4位

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5位

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トヨタ流「5S」 最強のルール ~生産性“劇的向上

トヨタ流「5S」 最強のルール ~生産性“劇的向上"ノウハウを2時間のストーリーで学ぶ~

 

 

 

6位 

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AI vs. 教科書が読めない子どもたち

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7位 

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8位 

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29歳の誕生日、あと1年で死のうと決めた。 (オープンブックス)

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9位 

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AV男優しみけん ?光り輝くクズでありたい 

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10位 

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【書評】自由に生きることは、最高のエンタテインメント『半径5メートルの野望』

タイトルの「半径5メートル」というフレーズは、出版当時とても話題になったという。「半径5メートル」とは、自分の身近な範囲で野望を少しずつ叶えていくということだ。

なぜなら、自分をいきなり大きくかえるというのは、誰しも簡単にできることではない。そのため、著者のいう「少しずつ」自分の身近なところから気を配ることにより「できるかも」という気持ちになり、気軽に行動を踏み出せるようになるという。

大きな夢も、まずは小さなステップに分けて、小さな夢にする。そしてそれを小さな行動にしていく。それが結果として、大きな夢へと導かれる。その一つ一つの行動が未来の自分へ繋がっていくのだ。

また、夢が叶う人の共通点として「欲望に素直なこと」「我慢をしないこと」だという。直感で行動することが人生に大きなリターンもたらしていくのだ。

本書は、実は著者が著者自身へ語りかけている内容なのだという。なぜなら著者は、学生時代より長年、他者から多くの中傷を受け、その経験がトラウマになったそうだ。本書では、その詳細について赤裸々に告白している。当時は、被害妄想が止まらなくなったほどつらい経験だったようだ。

しかしそこからのターニングポイントは、いつかこの経験をネタにして笑い飛ばし、これをプラスにかえられると考えたのだという。

そして、
・中傷への立ち向かい方
・心が折れない方法
寄生虫方式
・悔しい思いを消化する方法を身に付け、本書でその内容を紹介している。

「半径5メートル」の中にこそ、夢につながるきっかけがある。すべては、小さなことの積み重ね。本書は著者自身、身をもって体験した内容であるため、大反響を巻き起こした一冊である。

【ランキング】売り上げランキング【2018年7月度】

 1位 


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 2位

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偏差値78のAV男優が考える セックス幸福論 (講談社文庫)

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 3位 

23分間の奇跡 (集英社文庫)

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3位

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

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 5位

すべての疲労は脳が原因 (集英社新書 829I)

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 5位 

1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365

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  • 作者: デイヴィッド・S・キダー,ノア・D・オッペンハイム,小林朋則
  • 出版社/メーカー: 文響社
  • 発売日: 2018/04/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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 5位 

マンガでわかるビットコインと仮想通貨

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 5位 

AV男優しみけん ?光り輝くクズでありたい 

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 5位

日本電産 永守重信が社員に言い続けた仕事の勝ち方

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 10位 

トヨタ流「5S」 最強のルール ~生産性“劇的向上

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【書評】独自の価値を持っている人が勝ち上がる『これからを稼ごう』

いつの時代も、サービスを使いこなし、幸せを生み出すのは人の知恵である。メルカリにしろ、VALUにしろ、タイムバンクといったサービスにしろ、それこそビットコインをはじめとした仮想通貨も同じだ。これまで値段がつかないと思われていたものに値段がついた。隠れていた「価値」を可視化させ、あるいは新たに生み出しのだ。

お金の価値は下がっている。今後も下がっていくだろう。そんな社会で豊かになれる人は、どんな人だろうか。それはお金と交換ができない独自の価値基準を持っている人だ。

著者は常日頃から「アイデアなんてものは、世界中で同じことを考えている人がいる」と言っている。よく自分の構想だけをネット上に書き、それを別の誰かが実現すると「パクられた」と憤る人もいるが、それはお門違いである。重要なのは、そのアイデアを実現することに意味がある。

ようするに、新しい動きが現れた時、大企業が弱い点はまさに実行力がないからだ。サラリーマンの人事評価は基本的に減点主義なため、失敗したら評価が下がる。逆に事業化に成功してもキャピタルゲインもないし、給料がほんのちょっと上がるくらいだ。

現代社会の抱えている問題点は、まさにここにある。大きな組織に属している人は、どうしても既得権を守る方向に力が働いてしまう。

それならば、仮想通貨が出てきたくらいであたふたしている場合じゃない。新しいテクノロジーをどのようにして活かして、自分の身にし、次の世代に引き渡していくか真剣に考えていけばいいのではないだろうか。

これからを稼ごう: 仮想通貨と未来のお金の話

これからを稼ごう: 仮想通貨と未来のお金の話

【書評】世の中にはもっと多くの選択肢があっていい『ニートの歩き方  お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法』

“働かざる者食うべからず”、この価値観が多くの人にとって当たり前であるが故に、生きづらさを感じている人がいる。いや、きっと当たり前と思っている人の中にも、息ができないくらい苦しんでいる人は少なくないはずだ。勉強やスポーツなど何事にも得手不得手があるように、それはきっと働くことにおいても同じはずだ。本書は今の世の中に生きづらさを感じている人への、“こっちの道もあるよ”と選択肢を示してくれる。

本書では価値観や考え方だけでなく、作者の経験をもとにしたニートを続けていく上でのノウハウも収録されている。特に何度も触れられているのがインターネットだ。住む場所や食べ物以上に、ネット環境の維持がライフラインであることがわかりやすく説明されている。また、意外にもセーフティーネットの機能として役所が重要な役割にある。

収入面でもせどりや転売、アフィリエイトなどのメリットデメリットが紹介されている。現在ではそのほかにも様々な収入を得る方法があるが、可処分時間の多いニートにとっては時間をかけられる方法が相性が良いかもしれない。

選択肢は多いに越したことはない。例え選ばずとも、選べる状態が心を軽くしてくれる。生き方の選択肢を増やしたい人にはオススメの一冊だ。

ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法

ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法

【書評】若者が辞めていく構図とは?『「やりがいのある仕事」という幻想』

最近の若者は仕事に対してやる気があることを見せ、「やりがいのある仕事がしたい」と言葉では語る。しかし、そもそも、「やりがい」というものがどんな概念なのか、若者たちはまだ知らない。知らないのに、言葉だけでそう言って、気に入ってもらおうと振る舞っているだけなのだ。

そして、振る舞っているうちに、自分でも、言葉だけで「そういうものがあるはずだ」と信じ込んでしまう。これが、「仕事のやりがい」という幻想に関して生じる問題の根源である。

そもそも会社は見せかけの「楽しさ」や「やりがい」を作ってしまうから、現場で実態に気づいた若い社員は、「こんなはずじゃなかった」と辞めていく。特に、この頃の若い人は「好きでなければやらなくても良い」という絶対的な信念を持って育てられているから、辞める判断が早い。

さらに、現代の会社においては、トップ周辺の年寄りたちの価値観がまだ支配的な場合が多い。だからどうしても世代間ギャップが生じやすくなり、若者にとって働きにくい状況になっている。

当たり前の話だが、仕事の目的はお金を稼ぐことである。ただ、この社会で生きていくためには、呼吸をするように、やはり「働くしかない」ということである。もう少し別の表現でいうと、生きていくには「働くことが1番簡単な道」なのであり、面倒なこと、疲れること、意味がわからないことを、「しかたがないな」と思ってやると、それなりにお金がもらえる。そういう機会があるということは、非常にありがたいことなのである。

【書評】小説を読むことの醍醐味『物語のなかとそと』

小説を読む目的は、人によって様々だと思う。スリルを味わいたくてミステリーが好きな人、現実を忘れてしまうようなファンタジーが好きな人、恋愛小説が好きな人など好みは人それぞれだ。私がどんな小説を好きかと聞かれたら、「何も事件が起こらないのに読んでしまう小説」と答える。悲劇も大事件も謎もないのに、物語にぐいぐい引き込まれてしまうような世界観のある小説だ。
江國香織さんの小説は全てがそういう小説だ。この『物語のなかとそと』は、この20年のうちに書かれた短いエッセイや掌編小説、誰かへ宛てた手紙などの散文を集めた本だけれど、どんな短い文章でも、その文章の中にひとつの世界があることを感じてしまう。
中でも一番心に残ったのは、「奇妙な場所」というわずか8ページの掌編小説だ。中年の3人の女性が、「暮れの買い物」と称して年末に集まり、昼ご飯を食べてスーパーで買い物をするというなんてことのない話なのに、魅力的だ。細やかで、ささいなところまで描写される3人の会話は妙にリアルで、ここまでリアルに感じられるのは、著者が登場人物にどこまでも謙虚に寄り添っているからだと思う。なんでもない普通の人でも、その人にはしっかりその人の日常、世界があることを感じさせてくれる。
著者の小説を好きな人はもちろんだが、新しく好きな小説家を探している人にも試しに読んでもらいたい1冊だ。

物語のなかとそと 江國香織散文集

物語のなかとそと 江國香織散文集