HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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人生を楽しむ方法の1つ 『マーケット感覚を身につけよう』

本書は有名ブロガーである、ちきりんさんが自分が身につけてよかったと思うスキルの1つである「マーケット感覚」について書いた本です。

本書を読むと、副題にあるように「これから何が売れるかのか」がわかるようになります。

ちきりんさんは、マーケット感覚を身につける方法として以下の5点を挙げています。
1.プライシング能力も身につけること
2.インセンティブシステムへの理解すること
3.市場から評価される方法を学ぶこと
4.失敗と成功の関係を理解すること
5.市場性の高い環境に身におくこと

どれも重要ですが特に5つ目が重要であり難しいと感じます。
5つ目を行うには、自分にはどのようなスキルがあるかを客観的に考え、市場にどのようなスキルが必要とされているか考える必要があるからです。

しかし、一度この「マーケット感覚」を身につけると市場を読むことができ、未来を読むことができるのでビジネスが楽しくなります。

是非本書を読んで、「マーケット感覚」を身につけてはいかがでしょうか。

【2018年3月】今月読まれた書評ランキング

 1位 

現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)

現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)

 

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 2位

世界一の生産性バカが1年間、命がけで試してわかった25のこと (T's BUSINESS DESIGN)

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 3位

林檎の樹の下で(上)禁断の果実上陸編 アップルはいかにして日本に上陸したのか

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林檎の樹の下で(下)日本への帰化編 アップルはいかにして日本に上陸したのか

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 4位

一瞬で恐怖を消す技術 ~恐怖を力に変える7つのステップ~

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 5位

どん底からの成功法則

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 6位

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 7位


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 8位

多動力 (NewsPicks Book)

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 9位

「行動できない」自分からの脱出法!──あなたを縛る「暗示」にサヨナラ

「行動できない」自分からの脱出法!──あなたを縛る「暗示」にサヨナラ

 

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 10位

ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく

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「怖いもの見たさ」の心をくすぐる未知の世界『パラレルワールドお売りします』

現実にも起こりうる奇妙な短編10作品からなる物語である。VRやAIなどは、すでに世の中に広まりつつあるものだが、近い将来にはさらなる活躍が期待されるている反面、また新たな未知の世界が始まる恐怖感もある。

何らかの理由で自分自身が、記録されているデータとの照合ができずに、国民として扱われなくなる。恐ろしくもある物語。どんなに地位や名誉があろうとも、一切関係ない。そのようなデータに支配される世の中が、いつか現実になるかもしれない。多くのテクノロジーの進化により便利な世の中になる反面、使い方によっては、危険とも隣り合わせである。そのように注意を呼び掛けられているようにも感じる。

本書はそれぞれの物語が、全くもってフィクションであるとも言いきれない、その不安定感に魅力がある。「本当なのかもしれない」「そういう現実が来てもおかしくはない」と思わせる、まさに「怖いもの見たさ」がここにある。

さらに、このような奇妙な世の中に順応できず、試行錯誤する人々の人間模様が垣間見られる。これらが現実になった際に、自分は一体どちらの立場にいるのだろうか。「テクノロジーを操り、快適な生活を送る自分」または「主人公のような順応できない自分」そのように、自分の人生をも考えさせられるような深い内容でもある。また、主人公を献身的に支える家族の愛情溢れる様子が、心暖まる物語へと導いていく。様々な感情が入り交じった不思議な世界観に浸れるパラレルワールドへ足を踏み入れてみては、いかがだろうか。

【2018年2月】当ブログ書籍売上ランキング

 1位 

世界一の生産性バカが1年間、命がけで試してわかった25のこと (T's BUSINESS DESIGN)

世界一の生産性バカが1年間、命がけで試してわかった25のこと (T's BUSINESS DESIGN)

 

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1位

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3位

現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)

現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)

 

 

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 4位 

林檎の樹の下で(上)禁断の果実上陸編 アップルはいかにして日本に上陸したのか

林檎の樹の下で(上)禁断の果実上陸編 アップルはいかにして日本に上陸したのか

 
林檎の樹の下で(下)日本への帰化編 アップルはいかにして日本に上陸したのか

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 4位

 

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4位

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 7位

知的生活の方法 (講談社現代新書)

知的生活の方法 (講談社現代新書)

 

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7位

営業マンは「お願い」するな!

営業マンは「お願い」するな!

 

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 7位

日本再興戦略 (NewsPicks Book)

日本再興戦略 (NewsPicks Book)

 


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現代の百物語。『パラレルワールド お売りします』

近年ではVRやAR、生体認証やAIなど目新しい技術が数多く生み出されている。本作品は技術が行き着く可能性の延長線上の一つに位置する、そのような座標の物語で構成された短編小説集だ。

包丁は使う人によって調理器具にも凶器にもなりうるが、本作品はそのような話に近い。道具そのものに善悪はなく、それは技術も同様だ。今生まれているあらゆる技術は、どうやって人の役に立つのかということを前提に応用研究がされている。本作品の中ではその逆の思想、もしくは人の役に立つという定義がどこかズレたまま技術とその使い方を進化させていった。

読み進めていく中で不意に頭をよぎったものは百物語だ。あるはずないものがありえるという怪談の類は、現実と空想の境界線がぼやけ、独特の気持ち悪さと恐怖が残る。多くの怪談は過去の過ちとの因果関係によって成り立ち、呪いなどの事象として現れる。本作品は近未来を描いているにも関わらず、受ける印象は怪談のそれと同じだ。

過去の呪いと未来の技術、どちらにも僅かながらの恐怖が存在する。これから先に生み出される人の技術には、怪談のような未知の要素が多分に含まれていることを本書は気づかせてくれる。

 

パラレルワールド お売りします

パラレルワールド お売りします

 

 

ダーク・エンドの無限コンボで脳をジャミング!『パラレルワールド お売りします』

人工知能や生命工学、認知科学、VRといった分野のテクノロジーが高度に進歩した世界を前提とした、(近)未来SF短編集である。

人工知能パラレルワールドといった用語自体は、特にSF小説の分野では既に古典的なものだといえる。人工知能に関しては、過去(とはいっても、ついこないだなのだが)にはSFにしか存在しない夢や妄想であった。しかし現在、その進歩の道筋が理解できないほどのスピードで発展し、その人工知能技術を呆然と眺める「一般人」が不安を覚える筈の要素「人間との関わり」が、不安を覚える間もなく既に実社会に実装されている。その行く末は「人工知能」と一括りにできるものではなく、「人間に認知不能な別のレイヤー」として、この世にもたらされることになるのだろう。

この物語群に登場する人工知能も、高度なテクノロジーが創る「レイヤー」を「人間」が認識可能な情報の形で提示する入り口にすぎない。それ自体が「悪さ」をするわけでも「人類と戦争」するわけでもない。「この世界」を、人間のような、認識能力に限度がある存在に対して「やむなく」分かりやすい形に加工して提示し影響を与えるために存在する媒介物として機能し、「人間にも理解可能な物語」を構成する役回りをしている。そしてそこに「意図」は無い。意図を与えるのは、常に「人間」である。

本書は、従来の「パラレルワールド」からイメージされる、我々が存在する宇宙の座標系に重なる形で存在する平行世界を行き来する物語、という「よくある」スタイルのものではない。しかし最後まで読んだ時に、そのパラレルな「ワールド」が存在するのは、どこなのか、そして、それは「存在する」といえるのか、といった根源的な問題を想起させる一冊である。

あなたはどんな土だろう?『どんな人でも頭が良くなる 世界に一つだけの勉強法』

自分の子供がもう少し大きくなったら読ませたいと思ったが、それよりも先に会社で働く仲間に読んでほしいと思った。本書を読むことで、日頃どれだけ多くの既成概念に囲まれているかということに気づかされる。

私も高校生であった当時、特に試験や模試においてはあまり良い思いでがない。同じ授業を受けているにもかかわらず、こうも差が出るものなのかとクラスの友人に対し嫉妬に駆られた。同時にやっぱり自分は・・・と、心のどこかでは自分自身に対するあきらめムードが漂っていた。今では納得のいく進路に進めたとは思っているが、こと勉強に関してはそのような心残りはある。

上記のような経験はこれまでも、そして今このときにも経験をしている方は多いのではないかと思う。本書ではこれらから生まれるコンプレックスを“人間は種ではなく土”という例えによってそぎおとす。個々によって土の性質は異なり、稲が育ちやすい土があれば、トマトやカボチャが育ちやすい土もある。とどのつまり特定の教師から受ける種があり、その種が良く育つか否かは土の性質の違いであり、そこに本質的に優劣はないのだ。

一方で、学ぶには戦略そして原動力が必要ともある。“もともと特別なオンリーワン”という有名な歌詞のような存在はいなく、様々に咲き誇る花屋の花たちは皆そこに至るまでに熾烈な競争を勝ち抜いている。決して芽が出たときから特別だったわけではないのだ。ではどのように目的を達成するべきか、本書は科学と情熱に基づき読者に気付きを与えてくれる。

“人は一生育つ”とはある企業の使っているキャッチコピーだが、まさにその通りだと思う。そこに年齢や性別、あらゆる属性は否定する理由にはならないはずだ。本書は目標を持つ人にぜひ手にとってほしい、そして手にとったからにはぜひ実行に移してほしい。実行こそがあなたの世界を変えるツールだ。

どんな人でも頭が良くなる 世界に一つだけの勉強法

どんな人でも頭が良くなる 世界に一つだけの勉強法

入門書として最適!『マーケティングを学ぶ』

本書はタイトルの通り、マーケティングをテーマにしている。同テーマで様々な書籍が世の中に溢れているが、基礎をおさえ王道の事例を扱っている本書から手に取るのをお勧めしたい。

マーケティングの話によく出てくる話がドリルの話だ。ホームセンターにドリルを買いにくる顧客は何がほしいのか。それはもちろんドリルだろうという答えはニーズから外れていて、顧客が本当にほしいものは“穴”なのだ。“穴”をほしいお客にドリルの洗礼されたデザインや握りやすさ、軽さを伝えたところでそれは本質でない。顧客はそのドリルで思っている“穴”が空くかどうかを知りたい。

本書で取り上げているアート引越しセンターの例はとてもわかりやすい例だ。今でこそひとつのサイトに登録すれば山のように見積書が届く引越し業者だが、当時は“引越し業”というものはなく、運送会社が引越しを請け負っていた。しかし“引越し”を前提としていない運送方法ではいくつもの要素が顧客のニーズから離れていた。例えば当時運送会社は家財道具を紐でトラックに括り付け、野ざらしで運んでいたのだ。これでは雨風にさらされることはもちろん、特に女性は自身の生活が他人に見られることは好ましくない。このときにアート引越しセンターは顧客が求めているものは“物の輸送”ではなく“引越し”であると事業を定義し、サービスを作り上げる。今日でいえばそのひとつが“レディースパック”にあたる。

本書では様々な事例を取り上げることはもちろん、STP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)に分解しマーケティングの観点で解説してくれる。自社(個人)の事業と対峙する前に、まずは本書の事例からマーケティングのセオリーを読み取ってみるのはいかがだろうか。成功に法則は無いが論理はあるはずだ。繰り返しになるがこれからマーケティングを学ぶ方にはぜひお勧めしたい。

 

マーケティングを学ぶ (ちくま新書)

マーケティングを学ぶ (ちくま新書)

 

 

新しい波に乗り遅れるな!『VRビジネスの衝撃「仮想世界」が巨大マネーを生む』

「VR元年」と称される2016年、フェイスブックやグーグルの参入や新たなHMD(ヘッドマウントディスプレイ)の発売等、VR市場の拡大が勢いを増している。

VRというとゲームを想像する人は多いが、その最前線ではメディア産業、医療業界等、あらゆる業界がVRを利用したビジネスをスタートさせようとしている。
本書では、VRの歴史からVRビジネスの最前線、そして日本独自のVRビジネスを紹介すると共に、さらにその先のMR時代にはどんなことが可能になるのかを紹介してくれている。

実はVRは1990年代に一度ブームになったが、しばらくして収束している。
しかし、今起きているブームは単なるブームでは終わらず革命を起こすはずだ。
その理由は、技術の発展に伴う圧倒的な没入感の実現とデバイスの低コスト化である。
VRの最終目標は、人間の五感に働きかけて、現実世界と実質的には同じ空間を作ることであり、そこから感じられる没入感はテレビの解像度がいくら高くなっても得られるものではない。単に「観る」のではなく、「体験」するようになるのである。

例えば、映画産業ではスターウォーズが360度パノラマの動画を作成し、HMDをつけることで360度見渡しながら鑑賞できる。また、様々なキャラクターの視点に切り替えることもでき、同じストーリーでも異なる視点から鑑賞することができる。まさにその世界を「体験」することができるのである。
その他にも、観光、遠隔手術、建築設計、住宅展示場、結婚式場の下見等、ゲーム以外の分野でもVRを起点としてかつてのビジネスモデルを変えようとしている。
そんな中、日本ではプレステーションVRや、初音ミクと擬似握手、そしてバンダイナムコの「サマーレッスン」等、コミュニケーションを特性とするVRコンテンツが開発されている。
この先、VRは視覚だけではなく、VRの中での感覚を実際に感じられるようにもなる。
コミュニケーションもでき、感覚も感じられるようになれば、文字通り「仮想空間」が出来上がる。
その世界も自分で設計できるようになれば、現実世界よりも仮想空間の方で過ごす時間が長くなる人も出てくるかもしれないし、本当にマトリックスのような世界がくるのかもしれない。
本書はVRの最新事情だけでなく、そんな妄想をも広げてくれる本である。