HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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健康的に飲みまくれ!!!『酒好き医師が教える最高の飲み方』

休肝日を増やせ!」「適量を飲め!」そんなもの守れるわけがない。本書は飲兵衛医者による飲み方本である。

本書の内容はざっくり、正しい飲み方、酒と病気、酒と健康、NGな飲み方である。全て最新の医学をもとに医者が書いているところが非常に良い。

評者も飲兵衛であるが、役に立った知識をいくつか紹介しようと思う。

大事なのは休肝日でなく総量。なんとなく休肝日を作れなど聞くが、最新医学によると酒を抜くことは関係なく、総量が問題なようだ。日本酒で言えば1日2合、週に14合だ(笑)。これを聞いてから無駄な飲みを健康のために辞めることにした。その分週に何度か堂々といっぱい飲めるわけだ(笑)。

二日酔いを避ける手法も色々ある。胃に溜まりやすい食べ物、例えば油などをはじめに入れとくと吸収されにくく酔いにくくなるという。マヨネーズたっぷりのポテトサラダをはじめに頼むのがオススメ。

他にはオシッコの色のチェック。尿の量は飲んだ酒の1.5倍になるようだが、脱水してくると色が濃く少量になってくる。これをセルフチェックすると良い。また、飲んだ量以上の水を飲む必要があるのもよくわかるだろう。

さて、本書ではこのような調子で科学的根拠を持った酒の情報が多く紹介されている。人によっては病気の章を読むともう飲めなくなるかもしれない。しかし、読んでも辞めれないのがまた酒である。知識を知って意識するだけでも付き合い方は上手になるだろう

成功とか失敗の価値観から抜け出そう『論語と算盤』

本書は幕末から明治、大正、昭和と生き抜いた起業家の著者が「人間とは論語で人格を磨く」、「算盤で資本主義で利益を追求」この2つを追求が大切と説いた書籍である。

人が世の中を渡っていくためには、成り行きを広く眺めつつ、気長にチャンスが来るのを待つということも忘れてはならない心がけである。不正を犯すもの、信じることを踏みつけにしようとする者とは争わなければならない。また気長にチャンスが来るのを待つ忍耐もなければならない。

それから不自由なのが当たり前だと思っていれば、足りないことなどない。心に欲望が芽生えたなら、自分が苦しんでいた時を思い出し、耐え忍ぶことだ。怒りは自分にとっての敵だと思わなければならない。

さらに追求するならば、商業道徳の要であり、国家においても、世界においても直接的に大きな影響のある「信用」の威力。商業に関わるすべての者に、「信用こそすべてのもと。わずか1つの信用も、その力はすべてに匹敵する」ということを理解させ、経済界の基盤を固めていくことこそ急いで取り組まなければならない。

また成功や失敗といった価値観から抜け出して、超然と自立し、正しい行為の道筋にそって行動し続けるなら、成功や失敗などとはレベルの違う、価値ある生涯を送ることができる。

ならば成功など、人として為すべきことを果たした結果生まれるカスにすぎない以上、気にする必要などまったくないのである。

 

現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)

現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)

 

 

シャネルスタイルという生き方『ココ・シャネルの言葉』

シャネルといえば、自力でシャネル帝国を築き、さらに女性の社会進出が難しかったその時代に「女性の生き方に革命を起こした人」とも言われている。莫大な富と名声を手にし「シャネル自身の生き方」についても当時から注目を集め、シャネルに関する書籍は多く出版されているが、本書ではシャネルが残してきた多くの「言葉」をとりあげている。

シャネルは生涯を通して「かけがえのない人間でありたい」「人と違っていること」にこだわりを持っていた。それが、まさに成功の秘訣だと語っている。

実際にシャネルは、様々な場面において革命を起こしてきたが、その代表的なものは「シャネル」というスタイルにこだわったことである。

今では、当たり前となっている「黒い服」黒といえば定番色、カラーバリエーションが多くあっても、常に人気があり、コーディネートしやすい色として親しまれている。しかし当時は「黒=喪服の色」だったものを「シックでモードの色」としたのは、まさにシャネルのおかげだ。

さらに、シャネルはビジネスチャンスを常に見極めていた。例え戦争勃発時であってもかわらない。高級リゾート地に新店舗をオープンした直後、第一次世界対戦にみまわれ、戦争をも「非常事態」ではなく「ビジネスチャンス」ととらえ、疎開してきた多くの上流階級女性のために、自分が作り始めていた服「おしゃれで動きやすい服」を量産し、それが成功への第一歩となった。

しかし、このような成功とは裏腹に、シャネルの生いたちは華麗なものではなく、12歳の時に母は病死し、孤児院で育った。「お金持ちになって自由を手に入れる」ことを夢見て、17歳で歌手となり、「ココ」という愛称で親しまれ、25歳で帽子店を開いた。

さらに、シャネルは業界では異例の修行経験なしの我流デザイナーである。修行なしでも、あれだけの地位を築けたという証明でもあるが、自己流とはいえ、デッサンも描けず、縫うこともできないが、自分流のやり方をここでも貫いた。

本書では、シャネルならではの生き方について、美、恋愛、ファッション、仕事、人生など様々な分野ごとに書かれている。現代とは違い、女性というだけで、差別されたその時代に、自分自身を貫いてきた「シャネル」というスタイルには、現代でも共感できる部分は多くある。

人と同じであることに疑問を持つ人には、是非読んでほしい一冊である。

 

ココ・シャネルの言葉 (だいわ文庫)

ココ・シャネルの言葉 (だいわ文庫)

 

 

人間は恐怖と感謝という2つの感情を同時には持てない『一瞬で恐怖を消す技術』

本書は、拒絶や失敗を乗り越えるというテーマで書かれています。

ここでは、拒絶や失敗の数を減らすことではなく、それらへの対応や解釈について述べられています。

本書ではカーネル・サンダースシルベスター・スタローンを成功者として挙げ、彼らと他人との差は非常に多くの拒絶や失敗を重ねていること、失敗や拒絶をフィードバックにして様々な方法でアプローチしてきたことであると指摘します。

失敗や拒絶されることを恐れないためには、こられの対処法や受け入れ方を学ばなければなりません。また、物事の成功率を推定し、成功するまでに必要な失敗や拒絶の数を設定することも受け入れるための方法になります。

恐怖がなぜ生まれるのかという問いに対し、「恐怖とは感情であり、人は先が見えず、計画がないものに対して恐怖を感じる」とし、未来に対する不安があると自分が望まないことに考えを集中してしまうことで出現すると考えています。そのためには用意周到な計画を立て、実行することに集中すること。そして、失敗したという結果ではなく行動したという過程を称賛し自分を慰め、そのフィードバックを受け取ったら、すぐに次の目標へ移動することが大事であると説きます。

挑戦すれば、当然、拒絶や失敗がありますが、成功するためには挑戦し、拒絶や失敗と向き合わなければなりません。その時、“どこに集中するか”ということが重要になります。

恐怖心とは自分で作り上げている感情であり、恐怖心以外の具体的な行動に集中していれば、恐怖心が入り込む隙間はありませんし、過去にとらわれることもありません。
“どこに集中するか”を考えることで消すことができます。
行動を起こす前に、自分が失敗したときのことを勝手に想像するくらいなら、計画を立て、目の前のすべきことを具体化して集中して取り組むべきなのです。

最後に、もし、拒絶や失敗に対する恐怖心が生まれたときは、感謝の気持ちで自分を満たすことが最良の方法になります。なぜなら、人間は恐怖心と感謝の気持ちを同時に持つことができない生き物だからです。ぜひ、一読ください。

 

一瞬で恐怖を消す技術 ~恐怖を力に変える7つのステップ~

一瞬で恐怖を消す技術 ~恐怖を力に変える7つのステップ~

 

 

気持ちが先か?行動が先か?『「行動できない人」の心理学』

なぜ行動できないのか?

この問いに対して、シンプルに答えたいと思うのですが、いつも答えることができません。

何をして良いか分からない、好きなことがわからない。そういう人は多いのではないでしょうか?
この問いに関して、1つ言えることは、やる前からわかることなど何もないということです。
スポーツでは沢山練習をしたから面白さが出てくるのであって、面白いからスポーツをするという順番ではないのです。勉強において好きな科目が分かれるのはその勉強を学校で強制的に行ったから好き嫌いが分かったのです。

興味が持てない、関心がない。ということに関しては、その物事に参加していないから分からないのです。政治的無関心というのは政治のことが「理解」できていないから起こります。まず、政治について勉強し参加することで後から関心が湧いてくるのです。麻雀をしたことが無い人は永遠に麻雀の楽しさが「理解」できず永遠に麻雀に無関心です。行動する前から面白さを求めてはいけないのです。行動するから面白くなるのです。

行動できない人は、行動する前に「意味」や「理屈」を求めます。しかし、ものごとは体験を通して理解することができ、その後にものごとの意味が分かる仕組みなのです。

行動する前に考えることを止めましょう。
背筋を伸ばすから心が整います。筋トレするからテストステロンが出て積極的になれます。
まず、最初に行動があり、化学反応が起こり、その結果、感情や自信、楽しさが生まれます。

感情や気持ちはすべて行動した結果ということになります。
目標が無いからではなく、行動していないから目標が生まれないのです。

上手な文章を書こう、正しく文章を書こうとしなくても、とりあえず始めれば、化学反応が起こり、自然と「もっと読者の皆様に伝わる文章を書きたいな」と思えてくるのです。
そうです。書評ブログのメンバーは随時募集中です。
皆さま、HIU入会後はよろしくお願い申し上げます。

 

「行動できない人」の心理学

「行動できない人」の心理学

 

 

好きなことを仕事にしよう『ねずみのとうさんアナトール』

この絵本を読んだのは小学生のころ、国語の教科書に掲載されていた。それ以来目にすることはなかったのだが、どうにも記憶の隅に残っていたので取り寄せてみた。本作品はマーケティングの絵本だ。

主人公のアナトールはねずみの一家の大黒柱だ、妻の他に6匹の子供と一緒に暮らしている。ある日アナトールは大きなショックを受けてしまう、ねずみに対する人間の悪口を聞いてしまったのだ。親友のガストンに相談をするが、それが当たり前のことだと諭されてしまう。

しかしアナトールは考える、自分たちが人間の食べ物をもらっている代わりに、自分も何かお返しができないだろうかと。その結果アナトールは一つの考えにたどり着く、自分は普段たくさんのチーズを食べており、チーズの味に対する判断であれば誰にも負けないという事実に。

このお話はその後アナトールがチーズ工場の試食室に忍び込み、様々なチーズを試食しその感想と改善点をメモに残し帰っていく。そのメモの通りチーズを改良したことでチーズ工場は大きな成功を収め、アナトールはささやかなお礼に毎晩チーズを受け取れるようになるというお話だ。

この絵本にはどのようなことをすれば相手に喜ばれるかという視点、それをするために自分は何が強みなのかという視点が含まれている。アナトールは経営不振なチーズ工場に対し、自身の“チーズに対する味覚”で価値を提供した。誰かの困りごとを解決するためには相手のボトルネックを知ることはもちろんだが、自分自身がどのような形で貢献できるのかを知ることも重要だ。漫然とした親切心はチームにとって動きを鈍くする脂肪でしかなく、いっそ削ぎ落としたほうが良い成果につながる。

絵本というとても短い物語であるが、組織・個人問わず仕事をしている人に読んでほしい一冊だ。子供の頃に読んだ物語だが、アナトールと同じ立場になったからこそ気づく面白さがあるだろう。

 

ねずみのとうさん アナトール

ねずみのとうさん アナトール

 

 

まずは“水兵きき”を検索しよう!『みかにハラスメント』

本作品は2005年に単行本が発行された水兵ききの代表作だ。少年誌に掲載するにはおそらく現在ではアウト、当時でもギリギリ・・・アウトだったのではないだろうか。

タイトルからもおおよそ推測はできるであろうが、登場人物の北川みかがこれでもかというくらいにセクハラを受け続けることで物語が進行する。キーになるのが姉の北川羽月だ、天才科学者である彼女の発明がきっかけで日常にズレが生じ、みかにセクハラの被害が降りかかるのだ。

第一話では姉の発明によって世界の常識が変わってしまう。その世界では女性が服や下着を身につけていることはとても恥ずかしいことだと、常識とは真逆の価値観に世界が染まってしまう。屋内外問わず、女性はトップレスで生活している。当然それが常識であるため人々はなんの疑問も持たずに平然と過ごしている、ただ一人みかを除いて・・・。

作品そのものを論じるに止まれば少年誌には過激すぎる種類の漫画という説明でピリオドは打てるのであろうが、時代ごとの少年誌のトレンドに想いを馳せると面白い。本作品のようなエロや、バイオレンスなどの刺激が強い作品は少年誌から姿を消して久しいが、最近徐々に市民権を奪還してきているようにも思える。万人ウケする作品ではなく一つ一つの作品でニッチなターゲットを獲得する必要性が出てきたのか、受け手も少々の刺激には寛容になってきているのか、この事象に対する議論は機会があれば参加してみたい。

一方で作者の水兵ききは作品の著作権を全て自身に戻し、新作を含め自身で出版活動を始めている。活動費用はクラウドファンディングを通じて集めている。現代は企業を通さずとも個人が社会にアプローチをできる時代であり、漫画家も同様だ。良いコンテンツを持っていれば個人で経済活動ができる。出版社やその他多くの企業の人間が覚えておかねばならないことは、自分たちが扱わずとも良いものは市場に流れるということだ。既存のルールで扱えないものがあるならば、まずはルールを変えられないかどうか、そこに焦点を当ててみてはいかがだろうか。リスクに怯えて良いコンテンツを扱わないという選択をしているにも関わらず、“売れない”という言葉を口にするのはなんとも滑稽だ。

「FORTUNE」誌 best of the year 『世界一の生産性バカが1年間、命がけで試してわかった25のこと』

著者は将来が約束された大企業の内定を2つ断り、丸々1年間、自分を実験台にして“生産性”を探求し続けており、本書はその記録になります。

試したことは、「毎朝5時30に起きる」/「週に90時間労働と20時間労働を行い目標達成数を比較する」/「1カ月間水だけを飲む」/「3カ月間スマートフォンの使用は1日1時間にする」など多岐にわたります。

試行した後の結果に対しては、脳科学や心理学の資料から原因となる根拠を導き、それらに基づく解決策を提示しています。その中でも今回は「Part6:集中力を鍛える」という項目を紹介します。
この章では“脳科学”について多く記載されています。脳は「バリバリの実行モード」と「ぼんやり思考モード」の2つを持っており、どちらかを行き来しています。集中すべき就業時間でも、その内47%を「ぼんやり思考モード」で過ごしているという発表もあり、脳は思いのほか、集中できず、あちこちに漂っている性質があることがわかります。
また「頭の中で思うことの77%はネガティブで非生産的であり、マイナスに働く」、「平均的な学生の頭に自然と浮かんでくることのうち60~70%はネガティブなもの」という研究発表もあり、脳は根拠のもなく自動でネガティブなセルフトークを始めるプログラムを持っているということがわかります。

つまり、人間はもともと集中力が無く、気が散る生き物であり、勝手に不安を生み出すプログラムを持っているということがわかります。
そもそも目標達成には不向きであり惰性な機能を備えているということに加え、集中力を散漫にさせるSNS、インターネットなどの環境にさらされているのです。
このことから、目標を達成できない自分を責める理由などどこにもないのです。

重要なのは自分が「惰性的な機能をもつ脳」を持ち「報酬系を刺激する環境」にいることを十分に理解し、俯瞰して自分の行動を捉え、対策を練り、目標達成に繋げていくことです。
不安がよぎったり、面倒くさいと感じたら「あーまた脳が勝手にやってるな」ぐらいの感覚でいたら良いのです。

ダメな自分を責めず、脳科学や心理学をもとに目標達成していきましょう。
さすが「FORTUNE」誌 best of the yearです。お勧めします。

世界一の生産性バカが1年間、命がけで試してわかった25のこと (T's BUSINESS DESIGN)

世界一の生産性バカが1年間、命がけで試してわかった25のこと (T's BUSINESS DESIGN)